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そして、蒼空のフロンティアへ

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そして、蒼空のフロンティアへ
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    ★    ★    ★

「はっ!? ミーたちは、死んだのか? シーットォ!」
「ここは、天国か、それともナラカか……」
 ゆるが縁から落ちたアレックス・ノースとガルム・コンスタブルは、雲海の中で意識を取り戻しました。
 何か巨大な木の枝に引っ掛かって、武装トラックが止まったようです。はたして、助かったのでしょうか?
「ここが、ミーたちの新しいフロンティアかー。いったいどこなのだ?」
 アレックス・ノースが周囲を見回しました。
 なんだか、霞がかかったような、未だ雲海の中であるかのような曖昧模糊とした世界です。
「遠くに人影が……、あれはまさか……」
 ガルム・コンスタブルが見つけたもの、それこそは、パラミタ大陸を支えるドージェ・カイラス(どーじぇ・かいらす)その人でした。とは言っても朧に見えているだけなので、どのくらい離れているのか、近くなのか遠いのか、どれほどの大きさなのかも分かりません。
 耳を澄ませば、列車の走るような音も聞こえます。
 やはりここは、ナラカなのではないのでしょうか。
「成仏していない?」
 不意に近くに現れたゆる族の巫女さんが、ツンツンとアレックス・ノースとガルム・コンスタブルが乗る武装トラックをお祓い串の先で突きました。その衝撃で、武装トラックがゆらゆらとゆれます。またもや、どこかへ落ちてしまいそうです。
「こ、こら、やめろ!」
 ガルム・コンスタブルが怒鳴りました。そのときです。
「どわわわわわ……」
 上の方から、バラバラになったイコンや機動要塞やパワードスーツの残骸と共に、ドクター・ハデスたち御一行が落ちてきました。そのまま、アレックス・ノースとガルム・コンスタブルのいる枝に引っ掛かります。
「何なんだ、ユーたちは!?」
 危ないじゃないかと、アレックス・ノースが叫びました。
「貴様、ここはどこか説明しろ!」
 偉そうに、ドクター・ハデスが問い質しました。
「それが、人に聞く者の態度かよ!」
 そのまま、アレックス・ノースたちとドクター・ハデスたちが、喧々囂々の言い合いを始めます。
「うるさい……」
 そんなドクター・ハデスたちの騒音に、忽然と現れたパルメーラ・アガスティア(ぱるめーら・あがすてぃあ)が、指をさして文句を言いました。
「どっか行け」
 パルメーラ・アガスティアがそう言うと、世界樹アガスティアが枝をプルンと震わせました。
「うわあああああ……」
 かろうじて世界樹の枝に引っ掛かって止まっていたドクター・ハデスたちは、そのまま振り落とされて、さらに下へと落ちていったのでした。
「ええい、ユーたちと心中してたまるか」
「そうだぜ、攻撃だ!」
 巻き込まれて腹をたてたアレックス・ノースとガルム・コンスタブルが、落下しながら手持ちの武器でドクター・ハデスたちを攻撃し始めました。
「貴様ら、何をする……。ええい、ペルセポネ、アイトーン、使える武器で反撃しろ。咲耶、デスストーカー、使える部品をかき集めるぞ!」
 ハデスの発明品の触手で、近くを落ちていく武器を引き寄せると、ドクター・ハデスたちが反撃を開始しました。