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【2020修学旅行】剣の花嫁頂上決戦

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【2020修学旅行】剣の花嫁頂上決戦

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 第4章 十二星華と花音特務隊

■□■1■□■ ティセラと花音

雪原にて。

宇都宮 祥子(うつのみや・さちこ)は、ティセラに勝利させるために、
まずは花音達と手を組むことを提案していた。
「少なくともラルク、駿河、神代、ローザマリア、九条ら
手練を打倒するまでは協力したほうが得策だと思うわ。
共倒れしては意味がないし、
気兼ねなく決着をつけるには邪魔者がいないほうがいいはずよ」
「たしかにそうですわね」
ティセラは、花音を横目で見ながら言う。
「なにより、花音!」
「え?」
「貴方はティセラ様に勝ち、
最強の花嫁となってもNPCとして最も重要な物は得られない!」
「な、なんですって!? 重要な物ってなんですか!?」
「それは蒼フロPLからの人気!
スーパさいたま人山葉涼司の花嫁と言いながら
パラ実のモヒカンに靡き媚を売る様は、
多くのPLの不評を買い色物ネタキャラとしての地位を築いてしまった。
ここで清く正しく美しくティセラ様と共闘し
正々堂々と決着をつけて初めて真の穢れなき花嫁になれるの!」
「何を言うんですか!
あたしは、自分の気持ちに正直に生きてるだけです!
いつだって、穢れなき花嫁なんですよー!
今では涼司様があたしの主人なんです!」
ブチ切れて片手剣の光条兵器を振り回す花音だが。
「まあまあ、とりあえず、迷惑かかるといけないからあっちに行こうな」
涼司に引きずられて退場させられてしまった。
「それはそうと、山葉、寒くないのかしら。
筋肉であったかいとかそういう……?」
祥子はそんなことを言いつつ見送った。

★☆★

一方、秋月 葵(あきづき・あおい)も、
パッフェルに取り入って、ティセラ陣営に入ろうとしていた。
「山葉を困らせたいからティセラちゃん側に協力するよ〜♪」
(花音が剣の姑になったら、きっと山葉は複雑な顔をするだろうしね)
そんないたずら心からの参加であった。
「協力するというのなら、拒む理由はないわ」
パッフェルはうなずく。
「これで少しは武器らしくなったかな?」
ニーナ・ノイマン(にーな・のいまん)は、石になってしまった光条兵器に、
紐を括り付けていた。
紐のついた漬物石のような見た目だったのだが。
「そんな光条兵器で大丈夫か?」
「大丈夫だ、問題ない」
葵とニーナは定番のやり取りを行う。
「これで、樹の上に登って、雪を落として埋まった相手から武器を奪いましょう」
しかし、いきなり武器の交換を考えるニーナであった。
「一番いい光条兵器をたのむ」
「ところでさあ、
石は漬物石サイズなのか、げんこつサイズなのか書いてないし、
攻撃スキルも使っていいか書いてなかったんだよね。
気にしないで使っちゃうよー?」
「そうですね、どうせコメディですし、
誰も死なないでしょうし」
葵とニーナがそんな会話をしていると。

「俺もティセラに味方するぜ!
花音を一緒に倒そう」
椎堂 紗月(しどう・さつき)が、
魔鎧形態の死装束 葬姫(しにしょうぞく・そうひめ)を装備してやってきた。
(花音よりティセラの方が話通じやすいよな、きっと)
(私達、剣の花嫁関係ないと思うんですが……。
紗月さんやる気ですし、怪我されたら困るから、がんばるしかないじゃないですかぁ……)
そんな思惑の二人だったが。
「いいですわ。味方が多いほうが心強いですもの」
花音を倒す提案を承諾するティセラであった。

「ちょっとまったあ!」
風森 巽(かぜもり・たつみ)
ティア・ユースティ(てぃあ・ゆーすてぃ)が現れた。
「ティセラさん!
十二星華のリーダーともあろう人がそんな簡単に挑発に乗ってどうするんですか!」
「花嫁は助け合いでしょ?」
巽とティアは言う。
「そうは言いましても、ここで勝ち残らないとシャンバラに帰れませんわよ。
剣の姑になってしまうなんてとんでもない話ですわ。
話し合いで解決するなら、光条兵器はいりませんわよ」
ティセラに、巽はなおも食い下がる。
「ああ、綺麗事だよ! でもな、綺麗事ですむならそっちの方がいいじゃないか!」
「てれーん♪ てーん♪ てれーんてーん♪
てってってーれてん、てってってーれてん、てててん♪」
ティアがBGMで演出する。
「そうも参りませんわ」
「しかたない……
ザッ……ザッ……ザッ……チャンチャン、チャララン、チャン♪
チャンチャン、チャララン、チャン♪」
巽は、ベルトのバックルに石の光条兵器を入れて、光で目くらましする。
「蒼い空からやってきて、争い事を止める者! 仮面ツァンダーフ゛ラ゛ァッッ!」
「仮面ツァンダーフ゛ラ゛ッッ! ア゛ーエ゛ーッ!」
「いろいろギリギリだろそれ!」
目くらましの間に着替えた二人に、紗月がツッコミを入れる。
「蒼フロギリギリなネタ多いから問題なし!」
仮面ツァンダーフ゛ラ゛ァッが言う。
「いや、結構言い換えとかあるぞ」
紗月は無視して、仮面ツァンダーフ゛ラ゛ァッは続ける。
「この石を人を殴る為に使う人もいれば、石焼き芋を作るのに使う人もいる。
ただ強い武器を持つ事が最強の道じゃない!」
「でも強化光条兵器ほしいんだろ」
「おばあちゃんが言っていた。
武器を握っていては握手は出来ない。争いの元になるのなら、力付くでも取り上げるまでだとな」
再び、バックルの光条兵器石を光らせて、巽が武器を奪おうとするが。
「さっきから、人の話を聞けー!」
手裏剣を手に握った紗月と、
「ティセラ様にたてつく者は許さないわよ!」
さーちあんどですとろいを発動させた祥子と。
「ぶっ飛ばされても気にしちゃダメだよ!」
「漬物石アターック!」
葵とニーナの攻撃で、巽とティアはぶっ飛ばされた。
「うわああああ、ピンチになるのは後編へのフリだ!」
「このシナリオ、後編ないよ!」
「なにいいっ!?」

★☆★

一方そのころ、雪原の別の場所にて。

如月 佑也(きさらぎ・ゆうや)は。
「おい、石の真ん中に星の模様があるぞ!」
「……はっ!
つまりコレはアレね!
石型の光条兵器を七つ集めれば願いが叶うと!
そうすれば皆無事にポータラカを脱出できるわね!
そうと決まれば早速集めるわよ。
あの遺跡なんか怪しそうね……行ってみましょう!」
アルマ・アレフ(あるま・あれふ)がそれを見て言う。
「……いや、ちょっと待って冗談だからね?
冗談だから本気にしないでちょっとアルマさーん!?」
遺跡に向かって走り出すアルマだが、それを追う佑也の前に、
ぶっ飛ばされてきた巽とティアが落ちてきた。
「はっ、この石も光ってる!?」
「あたしのワイバーンレーダーが反応してるわ!」
「いや、ただの携帯のGPS装置だから! ていうか、よく機能してるな……」
「細かいこと気にしちゃダメよ」
こうして、佑也とアルマは、巽とティアの石を奪って、遺跡に向かうのであった。
「本当に奪っていったんディスカー!?」
雪に埋もれた巽の絶叫がこだました。