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【終焉の絆】滅びを望むもの

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【終焉の絆】滅びを望むもの

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リファニーを呼び覚ませ!1

「散々アナザーを探し回って見つけたんだ、もう、逃がさねぇ!
 ルシアとの約束、今こそ果たす時だ。リファニーを必ず連れて帰る、ってな!
 ルシアと共に、その手を掴んで離さない! 絶対に連れて帰る!
 リファニー、帰って来い!お前の居場所は此処に在るんだ! ルシアも俺も、皆も居る! 此処に!」
叫ぶ唯斗に続き、英虎が幸運のおまじないを握り締め、優しく呼びかける。
「すごく遅くなったし、その時間の分苦しめたと思うけど……ルシアも俺達も、迎えに来たよ」
ユキノが弓を握り締めて呼びかける。
「リファニー様、意識を取り戻して下さい……っ! こんなに貴女が帰ってきてくれるのを望んでいる人たちがいるのでございます……ッ!」
止まっていた、そして止まっているリファニーの時間、ユキノはそれを思う。ルシアにパートナーロストという恐ろしい経験をさせたくない。以前どおりのリファニーに会いたいと願う気持ち、懐かしく思う気持ち、全員の、そしてルシアの『想い』の力を信じて。
「リファニー、貴女はニルヴァーナを、俺達を救う為に、たった一人で滅びを望むものの器になりこの世界へやってきた。
 ……だけどもう一人で抱え込まなくて良いんだ! もうこんな所で一人で苦しみ続けなくて良いんだ!」
神崎 優(かんざき・ゆう)陰陽の書 刹那(いんようのしょ・せつな)神代 聖夜(かみしろ・せいや)神崎 零(かんざき・れい)ら、パートナーたちと共に、リファニーを扇状に囲むようにして呼びかける。彼らもリファニーに傷をつけぬよう、攻撃手段を使わず、防御一辺倒でリファニーに当たる構えであった。優は歴戦の防御術とスウェーを、零は禁猟区を、刹那はイナンナの加護を使い、幾重にも防壁を施している。聖夜は友情のバッジでスキルの連携効果の底上げを図っている、
「俺達が教えてやる。貴女は一人じゃない事を、滅びを望むもの達に滅び以外の道がある事を!
 だから何時までもそんな所でうずくまってないで、出てきて俺達の手を取るんだ!
 貴女が居るべき場所はここじゃない。貴女を想う人が、大切なパートナーが居るパラミタだろう!!」
守護天使であり、優の妻でもある零が、その純白の翼を半ば広げ、真摯に訴えかける。
「リファニーさんはニルヴァーナや大切な人達を守る為に、今まで一人で頑張ってきて辛かったでしょう……?
 お願い、心を開いて! 一人で閉じてしまわないで……。
 もうリファニーさん一人に辛い思いをさせたくない、いえ、させません。
 私達も貴女と一緒に行くのです。そう決めたのです。
 どうぞ戻ってきてください。リファニーさんの大切なパートナー、ルシアさんがが貴女を待っています!
 私たちも待っています!」
銀狼の獣人、聖夜が熱意をこめて語りかける。
「俺達は貴女を連れて帰るまで絶対に諦めない!
 例え貴女が嫌だと言っても、無理矢理にでも呼び覚まして連れて帰るからな。覚悟しておけよ!
 俺もかつては孤独だった。長いこと自分の存在にすら疑問を抱き、彷徨っていた。
 でも、優に出会って、俺の長い孤独は終わりを告げたんだ。
 絆……それを感じ取ることができた。俺はもう一人じゃないって思えた。
 リファニーだってルシアに絆を感じているんだろ? 大事だからこそ、ルシアを守りたいからこそ、一人で抱え込んだんだろ?
 でもそれは違う! 共に進めばいいんだ、帰って来い、リファニー!!」
刹那が静かに呼びかける。
「そなたは今まで一人で充分に頑張ってきました。
 ですがもう、一人で抱え込まなくて良いのです。今度は私達がそなたと共に歩んでいきます。
 ですからこの手を取ってください。パラミタやニルヴァーナ、そして私達には貴女が必要なのです。
 どうか帰ってきてください、私たちの元へ、ルシアの元へ……」」
和麻がすすけた顔をまっすぐに上げ、両手を突き出し、呼びかける。
「さあ、ルシアもいる、俺もいる、みんなここにいる、お前を待ってる……戻って来い、リファニー!」
ノーンの澄んだ歌声が響く。リリカルソングで強調されたシュトゥルム・ウント・ドラング、そしてその場の全員の心を届けるべく、トランスシンパシーを発動させる。リイムがノーンの歌にあわせ、幸せの歌を歌う。リファニーの幸せな思い出を呼び起こし、その気持ちが広がればあるいは”滅びを望むもの”の影響下から逃れられるかもしれない。
「リファニーさん、心を強く持って……ルシアさんとの楽しい日々を、思い出して欲しいのでふ……」
ヨルディアが呼びかける。
「リファニー様、お願いです、元に戻ってくださいませ!」