First Previous |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
8 |
9 |
10 |
11 |
12 |
Next Last
リアクション
第二章 “シャンバラの未来”パビリオン
【黒羊郷の名物鍋 ギャザリングもつ煮込み】
「クレーメックさ〜ん、こんにちわ〜」
「売上に貢献しに参りましたぞ!」
「どう、売れてる?」
「どうですか、今日の『ギャザリングもつ煮込み』の味は?」
「お、来たなゴットリープ、待ってたぜ!」
ゴットリープ・フリンガー(ごっとりーぷ・ふりんがー)は、パートナーのレナ・ブランド(れな・ぶらんど)、天津 幻舟(あまつ・げんしゅう)、綾小路 麗夢(あやのこうじ・れむ)の3人を連れて、ギャザリングもつ煮込みのブースを訪れた。
このブースの運営責任者、クレーメック・ジーベック(くれーめっく・じーべっく)は、ゴットリープの従兄弟である。
ギャザリングもつ煮込みとは、ヒラニプラにある『南部王国』の辺境、『黒羊郷』の色街で人気を博する総合娯楽施設、『キャバクラ「わるきゅーれ」本店』の名物料理である。
名物女将の魔女が《ギャザリングヘクス》を元に考案したもので、黒羊郷にちなんで羊やヤギの内臓を用いているのが特徴だ。
新鮮な内臓を食べ易い大きさにカットして、黒羊郷周辺で栽培されている野菜や野草・山菜と一緒に秘伝のスープでじっくり煮込むと、ちょっとクセのある、濃厚にして複雑な味わいの料理が出来上がる。
地元では「滋養強壮、精力増進に抜群の効き目!」と評判の逸品であるが、その効能はともかく、ゴットリープは、このもつ煮込みのクセのある味にすっかりハマっているのだった。
クレーメックの《サイコキネシス》によって、もつ煮込みがたぷたぷに入った器が、汁一つこぼれること無くカウンターに運ばれて来る。
「おぉ〜。キタキタ〜!」
「ホイ、もつ煮込みお待ち!他の皆は何にするんだ?」
「注文決める前に、まずは試食しないとね。はい、どうぞ。試食のもつ煮込みです♪」
三田 麗子(みた・れいこ)が、小鉢に盛られたもつ煮込みを、盆に載せてやって来る。
「あ、すいませ〜ん」
「おぉ。これはすいませんのぅ」
「わ〜い、頂きま〜す!」
3人が試食に手をつける間にも、「お替り!」とゴットリープは2杯目に移っている。
「ヴァルナさんの呼び込み、上手くいっているみたいですね」
試食品をつつきながら、レナが言う。
その視線の先では、島津 ヴァルナ(しまづ・う゛ぁるな)が《幸せの歌》を歌い、ブースの雰囲気作りに一役買っていた。
実際、《名声》の持ち主であるヴァルナ目当てに、店を訪れる客も多い。
「すいませ〜ん、このカレー鍋のレトルト欲しいんですけど〜」
「あ、は〜い!すぐに参ります!」
麗子は、慌ててレジへと戻っていく。
「え?カレー鍋もあるの?道理で、微妙にカレーの匂いがすると思った」
「あぁ。肉や野菜の旨みが溶け込んだ、マイルドな辛さのカレーだ。他にも、おでんもあるぞ」
「じゃ、私、カレー鍋にします」
「私は、カレーとおでんにしようかのぅ」
「私は、やっぱりもつ煮込みで」
「はい、もつ1、カレー2、おでん1ね!少々お待ち下さい!」
「お替り!」
「ホント、すごい勢いだね、ゴットリープ……」
そして、1時間後−−。
「あ〜、美味しかった、このカレー鍋」
「ジュースやお菓子もご用意してありますから、お好きにつまんでくださいましね」
休憩中のヴァルナが、口直しを進める。
客寄せは、一時的にイメージキャラクターの羊のゆるキャラ『シツジくん』が担当していた。
白い体色に黒い執事服のコントラストが、中々さまになっている。
「ん?そう言えば、麗夢はどこに行ったんじゃ」
ノンアルコールビールを傾けながら、幻舟が言う。
本人的には、物凄く日本酒をチビチビやりながらもつをツツキたい気満々だったのだが、あいにくとここではアルコールは提供していないのだ。
「麗夢さんなら今、クレーメックにもつ煮込みの作り方を教わってるトコロですわ。同じ魔女の創り出した料理に、興味があるんですって」
ヴァルナの指差す先では、麗夢がクレーメックに色々と聴き込んでは、フンフンと頷きながら頻りにメモを取っていた。
その眼差しは真剣そのものだ。
「わざわざサンプルまで取って、マメだね〜」
「あ、それは麗夢さんじゃなくて、ダリルさんに頼まれた分ですわ。なんでも、研究用にサンプルが欲しいとかで」
「ほぅ、意外なトコロから引き合いがあるもんじゃのう」
「でもゴットリープも、麗夢が作り方覚えてくれれば、嬉しいですよね」
「えぇ!そうなれば、いつでも好きな時にギャザリングもつ煮込みが食べられます!」
「いつでもって、そんだけレトルト買い占めて何言ってんの……」
ゴットリープは散々もつ煮をお替りした挙句、有り金はたいてもつ煮込みのレトルトを大人買いしていたのだ。
「いやいや。これくらいじゃ、一日3食食べたら1週間持ちませんから!お替り!」
「は〜。これは、麗夢も大変だ……」
こうしてゴットリープは、【黒羊郷の名物鍋 ギャザリングもつ煮込み】の売上に多大な貢献をしたのだった。
========================================================
【黒羊郷の名物鍋 ギャザリングもつ煮込み】
【基本値】
1,5,5=11
【修正値】
《MC》(運営)クレーメック・ジーベック(くれーめっく・じーべっく)(客)ゴットリープ・フリンガー(ごっとりーぷ・ふりんがー)
:2×2=4
《LC》(運営)島津 ヴァルナ(しまづ・う゛ぁるな)、三田 麗子(みた・れいこ)(客)レナ・ブランド(れな・ぶらんど)、天津 幻舟(あまつ・げんしゅう)、綾小路 麗夢(あやのこうじ・れむ)
:1×5=5
《IC》シツジくん:+1
《MB》設定+1、接客+1、適性(スキル):+1=3
4+5+1+3=13
11+13=24
【判定結果】
大成功!:PP+2
========================================================
First Previous |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
8 |
9 |
10 |
11 |
12 |
Next Last