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第一章 “シャンバラの伝統”パビリオン
【雪だるま王国物産展】
「む〜」
クロセル・ラインツァート(くろせる・らいんつぁーと)は、ブースの裏手で、これまでの売上伝票と、裏手の在庫を見比べながら、難しい顔をしていた。
クロセルは広報に忙しい日々を送る、『雪だるま王国』の騎士団長である。
雪だるま王国は、エリシュオンの侵攻を防ぐ盾として建国された国である。
シャンバラとエリシュオンの戦争が終結した今、戦争で疲弊した王国財政を立て直すべく、観光立国を目指していた。
オラコンに参加したのも、少しでも雪だるま王国の宣伝をすることが出来れば、という狙いがあってのことである。
クロセルが唸っているそのすぐ外では、魔鎧 リトルスノー(まがい・りとるすのー)がカップルに狙いをつけて、「ホラ、これなんてお揃いにするとステキですよ〜」等といいながら、巧みに『雪だるまクッション』や『雪だるまストラップ』を売り込もうとしている。
「有難うございました〜♪」
袋一杯の商品を抱え、腕を組んで去っていくカップルを、手を振って見送るリトルスノー。
「ねぇねえ、スノーマン様!私、沢山売れましたよ〜」
ここぞとばかりに自分の活躍を売り込もうとするリトルスノー。だが、当のスノーマンはというと−−。
「何コレ〜、へんなハナ〜」
「あだだだだ!ひ、引っ張ったら痛いでござるよ!」
「ウソだ〜、コレって着ぐるみなんでしょ〜」
「ち、違うでござる!これはホンモノの鼻でござるよ!」
「え〜、この眉毛って、炭なんじゃないの〜」
「だ、だから、ホンモノなのでござる!さ、さぁこの『氷雪の精霊謹製の雪だるまカキ氷』をあげるから、早く離すでござる!」
子供にからまれ、それどころは無かった。
「ダメだ!このペースじゃ、到底足りない!」
クロセルは勢い良く立ち上がると、店先のかき氷機を猛然と回し始めた。そして−−。
「スノーマン様、リトルスノー。俺今から、かき氷の売り込みに行って来ます!しばらく、ココはお願いします!」
そこには、売り子のハコ一杯にかき氷を満載した、クロセルがいた。
「そ、そんなに沢山かき氷持ってっても、売り切る前に溶けちゃいますよ!」
「俺の華麗なる営業トーク、舐めてもらっちゃ困りますよ」
「クロセル!?」
「王国を救うのが、騎士団長たる俺の役目です!すぐに売り切って帰ってきますから、新しいかき氷、作って待ってて下さい!」
最後に爽やかな笑みを返し、クロセルは人混みの中に消えていく。
クロセルの売り込みに、折からの残暑も手伝って、かき氷は飛ぶように売れていった。
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【雪だるま王国物産展】
【基本値】
4,1,2=7
【修正値】
《MC》(運営)クロセル・ラインツァート(くろせる・らいんつぁーと)
:2×1=2
《LC》(運営)童話 スノーマン(どうわ・すのーまん)、魔鎧 リトルスノー(まがい・りとるすのー)
:1×2=2
《IC》雪だるま:+1
《MB》接客:+1、適性(クラス)+1=2
2+2+1+2=7
7+7=14
【判定結果】
成功:PP+1
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