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試合準備

 
 
「まったく、なんなの、このデータ量。なんだか、訳分かんないデータも混じってるし……」
 新型イコンシミュレータの制御用コンソールにデータを打ち込みながら、リカイン・フェルマータ(りかいん・ふぇるまーた)がぼやいた。
 本当はキャロリーヌで試合に参加しようと思っていたのだが、興味ないとプイされたので、仕方なくオペレーターをしている。もっとも、作戦時のオペレーターを目指して天御柱学院に転校したのだから、本来は腕の見せどころである。
「本当に、パーソナルデータの多彩さには目を見張りますね」
 ならんで入力を進めながら、久我 浩一(くが・こういち)が同意した。
 今回の大会は、シャンバラ宮殿の広場に三面マルチスクリーンが設置され、俯瞰と、それぞれのイコンからの映像が表示されるようになっている。シミュレータのデータそのものは、天沼矛の光通信ラインを複数使って、海京にあるスーパーコンピュータの一つ『垓』によって処理されている。またBMIの技術を利用した仮想システムによって、筐体内のパイロットは、コックピットデザインや感覚を含めて、実機と同じように操作体験ができるという優れものだった。
「準備は順調のようね。じゃあ、そろそろ、対戦表を表示してきて」
 シャレード・ムーン(しゃれーど・むーん)の指示で、メインスクリーンに第1回戦の対戦表が表示された。
 
 
第1回戦組み合わせ

 
 
        ブルースロート  vs  ブラックバード       
          アトラウア  vs  グレイゴーストII     
プラヴァー(高機動パック仕様)  vs  アカシャ・アカシュ     
     レイヴンTYPE−C  vs  シパーヒー         
             月詠  vs  シュメッターリンクII   
         フィーニクス  vs  シパクトリ         
    シュヴァルツ・zwei  vs  グラディウス        
    リーフェルハルニッシュ  vs  ネメシス=アラウン     
      シュメッターリンク  vs  ネフィリム三姉妹      
   プラヴァー(デフォルト)  vs  フレスヴェルグ       
           ガネット  vs  アウカンヘル        
         クレーツェト  vs  鋼竜            
   メイクリヒカイト‐Bst  vs  六天魔王          
 グレート・ドラゴハーティオン  vs  ジェファルコン       
       ウィンドセイバー  vs  深き森に棲むもの      
             黒月  vs  凄まじい枕         
プラヴァー(重火力パック仕様)  vs  ヤークトヴァラヌス     
             流星  vs  キング・王・ゲブー喪悲漢  
    スクリーチャー・オウル  vs  ソルティミラージュ     
   Night−gaunts  vs  スイヴェン         
          不知火弐型  vs  量産型饕餮         
           龍皇飛閃  vs  離偉漸屠          
        フラクトゥール  vs  S−01          
       エンライトメント  vs  メカ雪国ベア        
  プラヴァー(マジック仕様)  vs  バンガイオー        
          バルムング  vs  応龍            
             雷火  vs  シュヴァルツ・フリーゲ   
           ディジー  vs  クェイル          
       ゼアシュラーゲン  vs  機動城塞オリュンポス・パレス
   BS隊アジュールユニオン  vs  アペイリアー・ヘーリオス  
        飛鉄塊「斑鳩」  vs  ミキストリ         
          ウィンダム  vs  イツパパロトル       
 
 
『さあ、スーパーイコンファイトが開始されます。まずは、対戦表を御覧ください。
 総勢64機のイコン、その他がエントリーされています。
 なお、試合はシミュレータで処理され、人数調整のために無人のイコンデータもエントリーされております。
 注目すべきは、ガチのイコン同士の戦いということなのに、パワードスーツ体が三チームもエントリーしていることでしょうか。本来、まともに戦ったら性能差は歴然としています。その差は部隊規模の作戦によって埋められるべきものですが、単機のイコンとのシミュレーションという特殊な状況下で、どのような戦いを見せてくれるのでしょうか。
 同様に、ペガサスが1騎登録されています。イコンとも充分戦えるといわれている巨大生物ですが、はたして、噂通りにその真価を発揮できるのでしょうか。
 また、機動要塞が1基参加しているのも目を引きます。残念ながら、大型飛空艇のエントリーはありませんでしたので、派手な艦隊戦は見られませんが、要塞戦はどのように再現されるのでしょうか。
 侮れないのは色物機体です。見た目だけですと一撃で終わりそうですが、その性能は確かです。なめてかかると、リアル系イコンでも痛い目に遭うことでしょう。
 さあ、それでは、第1試合の選手、シミュレータに搭乗してください』