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2023年ジューンブライド

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リアクション

 六月のとある晴れた日。小高い丘にある、景色の綺麗な小さな教会。
 ここでは、シャーロット・マウザー(しゃーろっと・まうざー)渋井 誠治(しぶい・せいじ)の二人きりの結婚式が行われていた。
 白いタキシードに身を包んだ誠治と純白のベルラインドレス姿のシャーロットは、二人で並んでバージンロードを歩いていく。
 隣を歩くシャーロットの姿をちらりと窺う誠治の表情は、緊張で硬くなっている。シャーロットも少しだけ頬を赤く染めていた。

「汝、その健やかなる時も、病める時も、喜びの時も、悲しみの時も、富める時も、貧しき時も、これを愛し、これを敬い、これを慰め、これを助け、その命ある限り、固く節操を守ることを誓いますか?」
 神父が結婚の誓約の意思を、誠治に問いかける。
「誓います!」
 誓いの言葉を噛みそうになりながらも、精一杯の言葉で答える誠治。
「汝、その健やかなる時も、病める時も、喜びの時も、悲しみの時も、富める時も、貧しき時も、これを愛し、これを敬い、これを慰め、これを助け、その命ある限り、固く節操を守ることを誓いますか?」
「誓います」
 シャーロットもはっきりと答えた。
「それでは、指輪の交換を」
 受け取った指輪を手に、誠治はシャーロットに改めて向き合う。ふわりとした可愛いスカートが似合っているシャーロットを眺めて、
(やっぱりオレのシャロは世界一、いや宇宙一可愛いなー)
 と、内心で改めてシャーロットの姿に見惚れる。最初は緊張気味だった誠治も、少しずつ慣れてきたようだ。

 指輪の交換を終えると、誠治はシャーロットの被るベールをあげて、誓いのキスをした。
「お二人の結婚が成立したことを宣言致します」
 神父の結婚成立の宣言を聞いて、誠治は夫婦になったんだなーと感慨深く思う。それは、シャーロットも同じだったようだ。
 二人はお互いに、これまでに過ごしてきた日々を思い返していた。


 式の後、誠治はシャーロットをお姫様抱っこして、二人で丘の上から綺麗な景色を眺めた。
「誠治と出会えて本当に良かったです。傍に居られてとても楽しかったです!」
「楽しかった、って過去形になってるぞ」
「いえ、今でもとっても楽しいし幸せですよ!」
 誠治に指摘されて、慌てるシャーロット。そんなシャーロットを見て誠治は愛おしそうに微笑んだ。
「冗談だよ、シャロ」
 シャーロットも誠治を見上げて、恥ずかしそうに微笑んだ。
「……ええと……なので、これからも、ずっと傍に居て下さいね?」
「もちろんだ。これからもっと幸せになろうな!」
 二人は微笑み合いながら、どちらともなくキスをする。
「シャロ、愛してるよ」
「はい、私も愛しています」
 幸せな二人を祝福するように、教会の鐘が丘に響き渡っていた。