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リアクション
この大地とともに 2
キマクの「夜露死苦荘」にて。
マレーナ・サエフ(まれーな・さえふ)は、祈りを捧げていた。
しかし、大荒野には終末思想が広がっていた。
「マレーナさん!」
「管理人さん!」
「最後だから、おっぱい、揉ませてくれええええええええええええ!!」
終末思想で、暴徒と化したパラ実生が、
「最後に一度でいいので、マレーナのおっぱいを!」と押し寄せていた。
「ヒャッハー!
ドージェの野郎が守らねぇなら、俺様が至高のおっぱいを守るぜ!」
ゲブー・オブイン(げぶー・おぶいん)は、
ピンクのモヒカンを振り回しつつ、
暴徒として押し寄せたパラ実生をぶっ飛ばしていった。
「あべし!」
「ひでぶ!」
「いよっ、アニキ! モヒカン輝いてるよっ!!!」
バーバーモヒカン シャンバラ大荒野店(ばーばーもひかん・しゃんばらだいこうやてん)が、
太鼓持ちとして、ゲブーをヨイショする。
「世界中のおっぱいを守りたいが俺様の手は二つしかねぇ。
おっぱい管理人だけで精いっぱいだぜ!」
ゲブーは、パラ実生の山積みになった上に乗り、手をにぎにぎさせた。
「というわけで、
俺様だけのおっぱい!
おっぱい管理人、揉ませてくれー!」
「私のおっぱいは、私のものですわ!」
マレーナが竹ぼうきを振り回し、ゲブーをぶっ飛ばした。
「ぐあっ!
そんなこと言って、本当は俺様に……」
「ちゃんと祈りを捧げましょうね!」
マレーナは、ゲブーをボコボコに殴って言った。
「お、おう……」
ボコボコになったゲブーは、マレーナに従わされた。
「最後までブレない、ピンクモヒカン兄貴、
すげーかっこいいよ!」
バーバーモヒカン シャンバラ大荒野店が、
感動して涙を流しながら言った。
「皆で祈りを捧げましょう。
だって、あの方もきっと、いまごろ……」
マレーナがつぶやく。
■
御柱 旭(みはしら・あさひ)と
アルベルト・エーレ(あるべると・えーれ)は、
ドージェ・カイラス(どーじぇ・かいらす)に会いに行こうとしていた。
ヤシュチェの守りを装備し、
異界移動のできるプラヴァーで近づける所まで静かに下りる。
「やっぱり、これ以上、近くにはいけないな」
パラミタを支えるドージェに直接会うことはできないが、
せめて、自分の声が少しでも届くようにと、
通信機の音量を全開にし、拡声器を使い、旭が叫ぶ。
「ドージェ!
ありがとう、世界を支えてくれて!
俺はドージェと一緒に祈りを捧げたいんだ!」
「あと少し、踏ん張ってくれ」
アルベルトも、ドージェに呼びかける。
「絆のケータイ」を入手することはできなかったため、
精一杯のことをしようとしていた。
「新しい世界が生まれたら、この世界はどうなるんだ?
そして貴方はどうなるんだ?」
返事は聞こえてこないが、
ドージェに向かって問いかける、
旭に、アルベルトが言う。
「新しい世界は一人が世界を支えるなんていう
酷なシステムじゃないと良いな。
支えるなら皆でだ」
「ああ、そうだな。
ドージェ、俺たちは未来を信じてるからな!」
旭はパートナーにうなずき、
再び、声を張り上げた、
声が届いたかどうかはわからない。
しかし、祈りの力で、ドージェと世界をともに救うことができれば。
そう、旭とアルベルトは、願っていた。