波羅蜜多実業高等学校

リアクション

レオンハルト・ルーヴェンドルフ（れおんはると・るーべんどるふ）の元に、
シャンバラ教導団団長金　鋭峰（じん・るいふぉん）から、直接連絡が入った。
「君をタシガン駐留武官として任命したい。
　ジェイダス殿は、
　タシガンに駐留し、薔薇学生とともに、
　天魔衆とも協力して、アーダルヴェルト卿を救出してほしいとのことだ。
　ジェイダス殿は、君のことをとても高く評価しているようだ。
　あの方の考えることは私には計り知れないが……。
　君にとってもおそらく悪い話ではないだろう」



「真の敵は神子の力を利用しようとしているジャルディニエだ。
　彼は、天魔衆を利用するだけ利用して裏切り、
　アーダルヴェルト卿をさらった。
　ここは、契約者であり、学校に所属する我々が共闘すべきではないかね」
レオンハルトだけでなく、天魔衆とも共闘しようと、
ジェイダスは薔薇学生に提案した。
また、上杉謙信にも、主君アーダルヴェルトを救出するための共闘を要請する。



ディヤーブ・マフムード（でぃやーぶ・まふむーど）は、
全校生徒に通達が終わった後、
ジェイダスの自室で二人で会話する。

「レオンハルトという男、実に面白い。
　それに、織田　信長（おだ・のぶなが）をイエニチェリとして迎えるというのもまた一興だろう」
「ジェイダス様……」
ディヤーブは一瞬困ったような表情を浮かべるが、
すぐに、「ジェイダス様の御心のままに」と答えた。



その後、黒崎　天音（くろさき・あまね）は、
個別にジェイダスに呼び出される。
「君をイエニチェリに任命する。
　あの、剣の花嫁の替え玉作戦は
　見事なものだった。
　入れ替わっていることが感付かれていたとはいえ、
　被害を最小限に抑えられたのだから。
　……それに、入れ替わりの手段もとても美しいものだったからね」
ジェイダスは、満足そうな笑みを浮かべる。
天音は、レオンハルトと天魔衆と協力して、
タシガン北西部の島に向かい、
アーダルヴェルト卿の救出作戦を指揮することを命じられた。



「さすがに驚いたよ」
「あたりまえだ！」
校長室から戻ってきて報告する天音に、
ブルーズ・アッシュワース（ぶるーず・あっしゅわーす）は言う。
ただでさえ、天音が怪我をして戻ってきて、激しく動揺したというのに、
イエニチェリ任命、しかも、今まで敵対していた者達と同盟しろなどと。
ブルーズはめまいをこらえた。



女王に忠誠を誓いし神子の血族の貴人は、囚われの身となった。
咲き誇りし蒼き薔薇は、＜庭師＞によって、その姿を無残にも切り刻まれるのであろうか。