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リアクション
第三十四章:行け行け! ネット亡者!
なんだか、悪夢にうなされた気がする。
事件発覚の前夜、『乙ちゃんねる』の書き込みをしていたアキラ・セイルーン(あきら・せいるーん)は、次の日最悪の気分で目を覚ました。
可愛い女の子たちと一緒のベッドで寝たはずなのに、起きると隣に関羽が寝ていたのだ。そんな夢を繰り返し見た。呪いにかかったとしか思えない。何があったのだろう。
「……これか」
あの、はいなじゃないでありんす、が立てたヒットマンを探すスレの続きを見たアキラは納得する。最後の書き込みの直後、彼も眠くなり確認もせずにすぐパソコンを消して寝たのだが、レスがついていたとは。
82 名前: ☆GOD’S and DEATH☆ 2023/10/30 (土) 00:46:32
というわけで、オレは今傷心のお奉行を慰め、他の可愛い女の子たちとも同じベッドで抱き合いながら寝ているのだった
めでたしめでたし
83 名前: 老狼 2023/10/30 (土) 00:56:54
>>82
よく見ろ。お前の隣で寝てるのkan-uだぞ。じゃあ、お休みw
.
「……我ながら不覚だ。この老狼とかいう男(?)、金団長をこっそり愛でるスレに送り込んでおいてやる。関羽x老狼で、腐女子たちの餌になるといいぜ」
それはさておき、とアキラは気を取り直した。腹立たしさよりも、スレッドに書き込んでいた女の子たちのことが気になった。彼女らは、もう起きただろうか?
彼は、るしあのスレも含めて、再度続きを読み直して見ることにした。スレッドは両方とも、昨夜の盛り上がりが嘘のように書き込みが減少している。主に一人だけ、自分が開催しているビジネス講座の宣伝をしているだけだった。
荒野で助けてくれた人にもう一度会いたくてしかたがない件
:
:
94 名前: ☆GOD’S and DEATH☆ 2023/10/30 (土) 00:47:00
∧∧
( ・ω・)みんなおやすみ
_| ⊃/(___
/ └-(____/
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
<⌒/ヽ-、___
/<_/____/
95 名前: 老狼 2023/10/30 (土) 00:58:20
おい、お前ら見ろよwwww
ttps://www.yeeutube.com/watch?v=xxxxxxxx1
老狼の、無料! 深夜ビジネス講座
ttps://www.yeeutube.com/watch?v=xxxxxxxx2
ttps://www.yeeutube.com/watch?v=xxxxxxxx3
ttps://www.yeeutube.com/watch?v=xxxxxxxx4
ttps://www.yeeutube.com/watch?v=xxxxxxxx5
それ以降、書き込みは無かった。もう誰もがスレッドの存在を忘れてしまったらしい。
ヒットマンスレも同じような状況だった。
「祭りの後は寂しいもんだ」
アキラも乙ちゃんねるに興味を失った。また、今日も日課のエロ動画収集に励むとするか……。
96 名前: 一万年と二千年前から愛していない 2023/10/30 (土) 07:33:50
空が騒がしい
滅びを望むものが現れるだろう
お前ら気をつけろ
「ん、なんだこいつ? イタいやつだな」
専用ブラウザを閉じようとしていたアキラは、たった今書き込まれたレスに嘆息した。
新しい参加者が現れたかと思いきや、厨二病全開とは。まあ、こういうノリ嫌いじゃないけど。少し展開を見てみることにした。
「あっ、こいつ誰だか何となくわかった」
少し考えていたアキラは、書き込みの主に心当たりを見つけてにんまりとした。まさか、こんなところにまで現れるとは……。
滅びを望むもの……、一万二千年前……、これらの単語に当てはまる契約者と言えば、かつてパラミタを騒がせたポータカラ人の吉井 ゲルバッキー(よしい・げるばっきー)ではなかろうか。パラ実の農業科講師をしており分校の事件に関わっている吉井 真理子(よしい・まりこ)のパートナー。滅びを望むものを消滅させることに失敗した後は、犬の姿でさ迷っている。
アキラはゲルバッキーと思しき書き込みにレスしてやることにした。
97 名前: ☆GOD’S and DEATH☆ 2023/10/30 (土) 07:36:38
おはよう
昨晩あんたの飼い主がヒットマンスレで水浴び画像晒していたぞ
目障りだから回収しとけwwww
98 名前: るしあじゃないよ 2023/10/30 (土) 07:40:55
ぱんつの人おはよう
今日はお面の人に会いに荒野へ行くから下ろしたての可愛いぱんつ履いたった
99 名前: 私と勝負しろ! 2023/10/30 (土) 07:44:40
ぱんつの人おはよう
今日は悪い奴を退治しに行くから下ろしたての勝負ぱんつ履いたった
「ぶふっ!?」
アキラは盛大にお茶を吹いた。あの娘たち、起きてきたのか。朝っぱらからなんて書きこみしてるんだ?
書き込んでいる彼女らには邪念はない。昨晩アキラが調子に乗って投稿した長文のぱんつレスを忌避することも嫌悪感を抱くこともなく、素直に感心してしまっていたのだ。彼の正体に気づいているのかいないのかはわからない。だが、彼女らにとって、アキラはエロい妄想にまみれた自宅警備員ではなく、面白いレス書き込み主として純粋に好意的に受け入れられていたのだった。
これだから天然娘たちは……。アキラはニヤニヤする。
100 名前: ☆GOD’S and DEATH☆ 2023/10/30 (土) 07:46:19
おwwwまwwwえwwwらwww
今すぐぱんつうpしろ
マダァ?(・∀・ )っ/凵⌒☆チンチン
101 名前: 一万年と二千年前から愛していない 2023/10/30 (土) 07:49:26
それどころじゃないようだ
特命教師が打ち上げた謎の人工衛星がパラミタに落ちてくるぞ
まだ未確定情報だが、気付いた奴らが動き出している
ちなみにぱんつは、はいてない
102 名前: るみにゃん 2023/10/30 (土) 07:52:11
こっちにもその人工衛星の話きてる。噂じゃなくてガチっぽい
確かな知人の情報だと、核積んでるって……orz
103 名前: ☆GOD’S and DEATH☆ 2023/10/30 (土) 07:55:04
mjd?
誰か衛星が落っこってくる前に俺とエッチィ事しようぜ
チンチン☆⌒ 凵\(\・∀・) うpマダァ?
104 名前: 極西分校地下教室牢名主 2023/10/30 (土) 08:02:42
>>103
自家発電やってナー ( ・∀・)つティッシュ
ところデ
ソノ衛星、分校から打ち上げられたカラ、パラ実が処分するべきって話にもなってル
我らは他校に先駆けてモヒカン偵察隊を宇宙へ送るつもりダ
お前も男だったラ股間のロケットいじってなイで、宇宙ロケットいじりに来イ
†- 始動 -†
Project “Material Horizon”
WeaponsΛ
“変化” ΔX ―デルタエックス―
“統合” ∫ ―インテグラル―
“均衡” 0 ―ゼロスラッシュ―
――「知」、それは、ただそこに在ル
――我らが「世界」を「知」ってから、「知」は様々なかたちに“変化”しタ
――今、その「知」を“統合”せン
――“変化”は“統合”さレ、“均衡”に至ル
――それは、「理」
――これより我らは、「理」をもって、「世界」の境界を、“純粋なる水平線”を超越スル
――そしてやがては、「理」の“均衡”をも破ってみせよウ
――そう、ひたすらに
――「天」を目指シ
――ただ「壊」ス
――それが「壊天(Kai・ten)」
――天を突き抜け漆黒の宇宙へと向かうモノの名
――我らの飛翔体が覚醒しタ……
105 名前: ももももももも 2023/10/30 (土) 08:15:09
あのねおソラへ逝くのにね科学も倫理も理由もいらないの
匠の技も魔法の神秘も長久の理もこの荒野では蜃気楼なの
ただ圧倒的な不条理を味わえば良いの
ただ重量を失い続ければ良いの
分校の使者はただ重量を失い続ける……らしいモノなのね
諦めてね期待してね……結党してね決闘してね……
私はメイド
何も持たず失い続けて戦いを見つめるだけのメイド
いらっしゃいませ対決者様(おきゃくさま)
大気圏外(VIPルーム)へお連れ致します
いってらっしゃいませ突破者様(だんなさま)
お出迎えは致しません
106 名前: 一万年と二千年前から愛していない 2023/10/30 (土) 08:20:50
ハカセと委員長のレスがキモすぐる
ここはカタギ娘の社交場だ
不良娘どもはパラ実板へと去るがいい
107 名前: 空手部顧問 2023/10/30 (土) 08:24:34
>>106
はんどるねーむヲ使ッテル二人ニ、特定サレヤスイ呼ビ方スルナ
てめー後デ分校ノ体育館裏ヘ来イヨおら! カラーテ五段デ締メテヤンヨ!
:
:
「……誰だこいつら? 話が変な方向へ進んでいるぞ」
予想外のスレッド展開に、アキラは少しの間画面の前に固まっていた。
なんだって? パラミタに人工衛星が落ちてくる? しかも核を積んでいるらしい……?
新しい書き込みの主が誰なのか、改めて詮索するつもりはなかった。だが、どうやら本当のこととして話が進んでいるようだ。ゲルバッキーは、くだらない噂話を煽り立てるような犬ではないし、分校からと思しき書き込みも、確信的だった。昨晩の女の子たちとのトークとは雰囲気が違う。
レス番107もわけわからないが、特に>>104と>>105は何なんだ? 女の子のようだがエッチィ気持ちが萎えるほどのインパクトだ。厨二病を通り越えて、精神が病んでるとしか思えない。パラ実女子って、こんな感じなのか?
「ルシェイメア! ちょっと!」
アキラは、隣の部屋で忙しそうに身支度をしていたパートナーのルシェイメア・フローズン(るしぇいめあ・ふろーずん)を呼んでいた。昨晩は、ちょっと調子に乗ってしまったかもしれないが、朝起きてみると様子が変わっている。シリアスな話題は相談に値するだろう。
「貴様は、また朝からアダルトサイトを覗いておったのか!?」
こちらにやってきたルシェイメアはいきなり怒っていた。話を聞く前から物理的ダメージを与えようとしてくる。
「ちげーよ! 乙チャンネルだよ。……って、読む前から殴るな!?」
「読んでも殴るわ。またエロいことを書いておるではないか」
昨晩に続き、アキラは再びルシェイメアの拳を受けることになった。
「なにが、チンチンじゃ! 恥ずかしい!」
「チンチンって言ったwwwww」
「殺す!」
「待て待て! そうじゃなくて、ちょっとヤバい感じなんだよ」
「まだごまかそうとするか!」
「本当なんだって。未確定情報だけど、核を積んでいるらしい人工衛星がパラミタに落ちてくるかも、って……」
未確定情報は、ガセネタという意味ではない。まだ上層部が具体的な決断を下していないだけで信憑性が低いわけではない。
乙ちゃんねるのことだ。明確なソースが提示されるまで判断は待ったほうがいいかもしれない。だが、完全に否定できる証拠もなかった。
「真偽のウラを取ったほうがいいかもしれんのぅ。まるっきりデタラメではないかもしれんが、話に尾ひれがついている場合もある」
ルシェイメアは、気を取り直して真剣な口調で答えた。
期待していた米が手に入らなかったことについて、いつまでも失意していても仕方がない。分校での事件はファイナルステージへと移っているのだ。
「同じスレッドばかり見ていても有為な情報は得られにくいじゃろう。他のネット上の情報も収集しつつ必要とあれば拡散じゃな」
ルシェイメアは、もしもスレッドの話が真実だった場合自分たちはどう動くことができるのか、念頭に置きながら探ってみることにした。
「よいか。くれぐれもエロエロな書き込みばかりしておるでないぞ」
彼女は、アキラに釘を刺してから、傍を離れる。
二人で同じ端末を使うのは手間がかかるので、イコンの絶対無敵要塞『かぐや』の通信施設を使って乙ちゃんねるに参加してみようと考えていた。
「今日は土曜日だし、学校行かなくていいよなwwww」
アキラたちの長い一日は、パソコンの前から始まったのだった。
ハンドルネーム◆
一万年と二千年前から愛していない:ゲルバッキー
るみにゃん:ルミーナ(?)<未登場予定キャラ:賢者は見てみないフリ>
極西分校地下教室牢名主:ハカセ(?)
ももももももも:委員長(?)
空手部顧問:“あぱっち君3号”(?)
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