リアクション
第5幕 おうちに帰るまでが冒険です
老人に手を振って、山を下りて行く。
帰り道は羽純が記録していたのを元に最短ルートの道を選んでいた。
ちなみにカレンたちは老人にアランのために弟子入りすると言い出したのだろうと見抜かれており、下山するように言われてしまったのだ。
アランは行きだけで疲れたらしく、天音の服の裾を掴みながら、眠たそうに目をこすっている。
その様子に気が付いた呼雪がアランの事をおんぶした。
最初は嫌がるアランだったが、疲れに負けたらしい。
「呼雪の背中は……ヤツみたいにあったかい……な」
「ヤツ?」
寂しそうに呟くアランに、手を回して頭を撫でてやる呼雪。
「突然余の前からいなくなったヤツのことだ……。余はヤツを探してここまで……ふぁぁぁ〜……」
そこまで言うと、アランは眠ってしまった。
「なるほど、ね」
天音は眠っているアランのほっぺをもう一度ぷにっとする。
「ところで……そのツボって何かあるの? 特殊な力とか。そうじゃなかったら持って帰らないかなぁ、と」
カレンがセバスチャンが持っているタンツボを指さす。
「さあ、何があるんでしょうね」
セバスチャンはそう言うだけで、あとは全く答えてくれなかったのだった。
無事にみんな帰宅し、アランとセバスチャンも空京のホテルに戻ってきた。
ホテルに着くなり、アランはベッドで眠ってしまった。
セバスチャンは先ほどのツボを大事そうに梱包している。
梱包が終わったころ、誰かが部屋をノックする音が聞こえてきた。
セバスチャンはノックした人物をドアスコープで確認すると、ドアを開ける。
「アラン様が起きたらどうするつもりですか……」
相手はにやにやと笑うだけだ。
「では、これを。よろしくお願いします」
セバスチャンは梱包したばかりのツボを相手に渡したのだった。
続く
どもです!
遅くなり、申し訳ないです……。
少しでも楽しんでいただけましたら嬉しいです。
そういえば、桜型のモンスターは出さなかったなぁと、思いつつ……ではまた!