空京

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戦乱の絆 第1回

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戦乱の絆 第1回
戦乱の絆 第1回 戦乱の絆 第1回

リアクション


ゴーストイコンとの戦闘2

相沢 理恵(あいざわ・りえ)
フォックス・エイト(ふぉっくす・えいと)のイーグリットは、
ジグザグに飛行して、ビームサーベルで攻撃するという
ヒットアンドアウェーを繰り返していた。
「いくよ、狐くん!」
「承知!」
理恵が操縦に、フォックスが攻撃に専念するという分担で、
イーグリットは着実にゴーストイコンを仕留めていく。

一方、地上にて。
整備科の月夜見 望(つきよみ・のぞむ)と、
パートナーの須佐之 櫛名田姫(すさの・くしなだひめ)は、
ゴーストイコンの記録活動を行っていた。
「ボロボロだと聞いてはいたが、
間近でみるとやっぱり恐ろしいな……。
だけど、この情報を残しておけば今後の役に立つかもしれないしな!」
「……全く……我は破壊神、須佐之櫛名田姫じゃというのに、
何故こんな『あしすたんと』みたいなことをせねばならんのじゃ!」
望がイコンに乗らせてくれないので、
櫛名田姫はデジタルビデオカメラで撮影を行う。

そこに、
地獄の天使で飛行するメニエス・レイン(めにえす・れいん)と、
空飛ぶ箒に乗ったミストラル・フォーセット(みすとらる・ふぉーせっと)が現れる。

「メニエス!?」
「敵の増援か!?」
理恵と望は驚き叫ぶ。

メニエスは、サンダーブラストで空中の随伴歩兵を一掃すると、
ゴーストイコンを攻撃する。
「ポータラカかナラカか……どこの物か非常に興味があるわ。
ネクロマンサーとしても」
メニエスは、コックピットの中を破壊して中をのぞこうと試みる。
ミストラルは、ゴーストイコンと戦闘するメニエスを護衛するため、
周囲を警戒している。
「……これは古代シャンバラの紋章?」
「こちらは、エリュシオンのものです。メニエス様」
破壊したゴーストイコンの表面に、シャンバラの紋章をメニエスが発見し、
ミストラルは、近くの別の機体を指し示す。
ミストラルは、用意は整っておりますにより、他国やイコンについて調べておいたのである。
博識を得ているため、ミストラルは情報にアクセスすることができたのであった。

「た、大変なことになってしまったのじゃ……!」
櫛名田姫は、必死に、その様子を撮影する。




戦場にメニエスが現れたので、地上の随伴歩兵部隊も、騒然となる。


西城 陽(さいじょう・よう)
パートナーの横島 沙羅(よこしま・さら)は、
教導団本校送りになった者が脱走しないか監視を行っていた。

(確か天御柱にもいたよな捕まって脱走した奴。グンツっつー名前だっけか?
メニエスが来たってことは、
アイツも仲間の脱走の手引きをするんじゃねえのか?
そうはさせねえ。
個人的な恨みもねーが、捕まえたら校長に認められるかもだからな!
特別に試験とか受けずに合格とか!
絶対捕まえてやるぜ!)
そう考える陽だったが、
沙羅はより乱暴なことを考えていた。
「ふふ、もし脱走しようとしたらぶっ殺してもいいんだよね?
あは、あはははは、そう思うと楽しくなってきちゃったよ!」
脱走者にはサイコキネシスで日曜大工セットをたたきつけて大怪我させ、
ヒートマチェットで叩き切りたいなどと思っているのだった。

一方、
教導団憲兵科の
マリー・ランカスター(まりー・らんかすたー)
パートナーのカナリー・スポルコフ(かなりー・すぽるこふ)は、
「教導団本校送りになった者の見張りのさらに見張り」を行うために
随伴歩兵部隊に同行していた。
本校送りになった者の脱走防止だけでなく、
戦闘以外での鏖殺寺院を嫌う人間の私怨による暴行や、意趣返しを防ぐのが目的である。
カナリーは、
教導団本校送りの者達の「見張り」が襲撃により孤立しないよう、
緊急時にはいつでも本隊へ携帯で連絡できるようにしている。

(グンツ、現れねえな……)
陽は、グンツを警戒するが、戦場に現れることはなかった。
マリーは、なんとなく不穏な様子の、
陽と沙羅のことを警戒している。
(さっきからどうも様子がおかしいですな。
教導団の名誉にかけても、彼らに脱走されたり殺されたりしてはならないのであります!)



一方、本校送りの
ジャジラッド・ボゴル(じゃじらっど・ぼごる)と、
如月 和馬(きさらぎ・かずま)
パートナーのエトワール・ファウスベルリンク(えとわーる・ふぁうすべりんく)は、
自由の身になるために、機会を伺っていた。
劣勢に加え、メニエスの出現で浮足立っている部隊の隙をつき、
ジャジラッドは光学迷彩で姿を消して逃走する。
和馬とエトワールも、同時に走り出す。
「マリちゃん!」
「くっ、カナリー、連絡を!」
カナリーとマリーは視線を交わし、
「逃がすかよ!」
陽も後を追う。

ジャジラッドは、ゴーストイコンの前に走り寄り、
パートナーの悪魔、サルガタナス・ドルドフェリオン(さるがたなす・どるどふぇりおん)を召喚する。
「これが、なんらかの実験のつもりでしたら、
サンプルデータは多いほうが面白いと思いますわ。
ゴーストイコンはその不死性だけが最大の武器で、
特に優れたイコンではないのでしょう?
『地球人』であるジャジラッドの力があれば
ゴーストイコンの性能を十分に引き出すことが可能なはずですわ」
「オレをパイロットにしてくれ!」
サルガタナスとジャジラッドは言う。

「オレも、ゴーストイコンのパイロットに志願するぜ」
(自由の身になるためには、
シャンバラでも帝国でもない第三勢力にかけるしかないからな)
「我々は貴重なサンプルデータになるはずよ」
和馬とエトワールも、口々に言う。

ゴーストイコンは無人で、パイロットを必要としないが、
謎の声が面白そうに笑うのが聞こえる。
(命令なんてとくにない、好きなだけ暴れるといい)
2体のゴーストイコンが舞い降りて、
ジャジラッド達の前にひざまずくと、コックピットが開く。
ゴーストイコンを手に入れた、ジャジラッドと和馬達は、
まずは自分達に同行していた随伴歩兵に攻撃を開始する。




一方、ハロウィン小隊の
矢野 佑一(やの・ゆういち)
ミシェル・シェーンバーグ(みしぇる・しぇーんばーぐ)
茅野 茉莉(ちの・まつり)
レオナルド・ダヴィンチ(れおなるど・だう゛ぃんち)のイーグリット2機は、
遠距離から加速して突撃、
ビームライフルで一撃を加えて高速離脱し反転して、再度突撃を繰り返すという、
一撃離脱戦法で、スコアを稼ごうとしていたが、
メニエスの飛来を確認して、そちらに向かう。
「キャスパー、メニエスを倒せば、一気にスコアアップのチャンスよ!」
「了解、ウィッチ。行くよ!」
茉莉と佑一は、通信をかわし、2機はメニエスにビームライフルを向ける。
「随伴歩兵はメニエスさんが蹴散らしてくれたよ!」
索敵担当のミシェルが告げる。
「結局、イコンは無人だったということが確認できたな」
ゴーストイコンの調査を行っていたレオナルドも、
メニエスがコックピットを破壊してくれたおかげでそれが確認できた。

「最低限の情報しか得られなかったけど、しかたないわね。
行くわよ、ミストラル」
「はい、メニエス様」
メニエスミストラルは、
戦場から離脱する。

「逃げられた! でもいいわ。
まだ、敵はうじゃうじゃいるんだから!」
「うん、気を引き締めていこう!」
茉莉と佑一は言い、ハロウィン小隊は、
そのままゴーストイコンとの戦闘に戻ったのだった。




穂波 妙子(ほなみ・たえこ)
朱点童子 鬼姫(しゅてんどうじ・おにひめ)のコームラントは、
大型ビームキャノンで、味方部隊のイーグリット支援のため、
弓を持ったゴーストイコンの撃破を行っていた。
「敵の遠距離射程武器は弓だけみたいやし、射程はこちらの方が有利やな。
それにアンデッドだとすると動作も緩慢なはずや。
敵の動力源がわからない以上、
頭を狙うよりも胴体をぶち抜いて行動不能にした方がよさそうやな。
いっちょきばっていったるでー!」
「妙子、前方に、弓を装備した機体じゃ!」
「よっしゃ!」
鬼姫は、妙子が攻撃に集中できるように、索敵を担当する。
(根気の要る作業じゃが、これもわらわと妙子の為じゃ
しっかりやらないといけないのぅ)
鬼姫は思う。

弓を持ったゴーストイコンは1体ずつ確実に撃破されていったが、
敵の数は多い。



全員が迷彩塗装を施したベータ小隊は、
ゴーストイコンの死角から急襲する。
藤堂 裄人(とうどう・ゆきと)
サイファス・ロークライド(さいふぁす・ろーくらいど)のイーグリットが、
なるべく派手に動いて、多くの機体を撃ち落とそうとする。
「裄人、今回はかなり荒っぽく行きますよ」
「多過ぎる編隊はそれだけかく乱する隙もあるだろう。
どこかに突破する方法があるはずだ」
操縦担当のサイファスと、裄人が会話する。

サイファスは、整備科所属であり、
出撃前、
オルフェリア・クインレイナー(おるふぇりあ・くいんれいなー)
ミリオン・アインカノック(みりおん・あいんかのっく)のイーグリットに迷彩塗装を施していた。
「それにしても相手が多いですので、落ち着いて行きましょう」
サイファスにそう声をかけられ、
オルフェリアは、
「はい、オルフェ、がんばります!」
と、元気に返したのだった。

「むむーっ、指揮官機を探して撃破しようと思っていましたが、
いないようなので、各個撃破です!」
超感覚で、白猫耳を出して、索敵を行いながらオルフェは言う。
「しかし、あの謎の声はなんでしょうか?
タイミングから考えても
七龍騎士との戦闘に間にあわせないように差し向けているようですね。
できうる限りで間にあえばいいのですが……」
ミリオンはつぶやく。

御剣 紫音(みつるぎ・しおん)
綾小路 風花(あやのこうじ・ふうか)のコームラントは、
実弾式汎用機関銃で、味方の援護射撃を行う。
「俺にみんなを護れる力を……」
紫音はつぶやく。
「紫音、敵機が拡散しようとしています」
「やらせてたまるか!」
索敵担当の風花に告げられて、紫音は牽制を行った。

神楽坂 紫翠(かぐらざか・しすい)
橘 瑠架(たちばな・るか)のコームラントは、
整備科の長谷川 真琴(はせがわ・まこと)達によって迷彩塗装を施してもらっていた。
「ゴーストイコンですか。
燃えますかね?
……しかし数多いですねえ」
「これ、再生能力あったら、すごく嫌なんだけど」
紫翠と瑠架は会話する。
「深追いは禁物です。
状況不利と感じたら撤退もありです」
「そうね。そもそも、味方のイコンとは倍以上の差があるんだから」
(掌で踊らされるのは……嫌ですが)
紫翠は謎の声のことを思う。

祠堂 朱音(しどう・あかね)
シルフィーナ・ルクサーヌ(しぃるふぃーな・るくさーぬ)のイーグリットは、
朱音自身のイコン整備の能力と迷彩塗装によって、整備されていた。
「相手の数が多いので、ゲリラ戦法が有利かと思います。
敵と常に接近するのではなく、
ヒットアンドアウェイで行きましょう」
「うん、あと、エネルギー残量には注意だね!」
シルフィーナと朱音は言い、
ビームライフルをメインにして近接で戦う。
シルフィーナは基本制御、朱音は攻撃を担当する。
(レーダーだけではなく
ディテクトエビルで敵の位置をより正確に察知出来ないかしら。
この件の黒幕は誰、どこにいるの?
お願い、気づかせて)
そう考えるシルフィーナだが、周囲は敵だらけであり、黒幕を探るのは難しい。

ベータ小隊は、
妙子が地道に撃破した弓を持ったゴーストイコンの射程外となったために、
近接武装のゴーストイコン達を倒すことができた。