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リアクション
マ・メール・ロアセット突入
琳 鳳明(りん・ほうめい)と
南部 ヒラニィ(なんぶ・ひらにぃ)は、クェイルでマ・メール・ロアセットに取りついた。
「超絶吶喊! ウルトライコン大作戦!」
ヒラニィの作戦では、破壊工作でクェイルを爆破して、要塞に穴をあけ突破口にし、
要塞の機能も落とすというものだった。
「花音特戦隊、南部ヒラニィとその相方琳鳳明参・上!!」
「ヒラニィちゃん、イコン、爆発しないよ?」
「なにっ!?」
しかし、そう簡単にイコンを爆破させることはできなかったのだった。
「こうなったらしかたない。
鳳明、突撃するぞ!」
「ええっ!? う、うん!」
引っ込みがつかなくなったヒラニィと鳳明は、
そのまま要塞内に突撃した。
なお、のちに、花音・アームルート(かのん・あーむるーと)が「花音特戦隊」の名称を気に入り、
「花音特務隊」は「花音特戦隊」に改称される。
また、鳳明は、手帳を見て、
「なんで私の個人情報が載ってるのー!?」
と涙目で愕然とするのだった。
■
一方、アーデルハイト・ワルプルギス(あーでるはいと・わるぷるぎす)と学生達は。
(アーデルハイト様はスペアボディがあることに奢りがありますからね……
ここは影ながら守るとしましょう)
ナナ・ノルデン(なな・のるでん)は、
以前、勝手に扉を開けたりして爆死されたこともあったので、
そのようなことがないよう、アーデルハイトを守るつもりでいた。
パートナーのズィーベン・ズューデン(ずぃーべん・ずゅーでん)は、
ディテクトエビルを使ってみる。
「ヘクトルが地球人を憎んでいるなら、
ディテクトエビルで何となく悪意の強い方向がわかったりするかな?」
しかし、そこまでピンポイントで悪意の場所を特定することはできない。
「アーデルハイト様、くれぐれもお気をつけください」
「心配するな。私を誰だと思っておるのじゃ!」
ナナにアーデルハイトは胸を張って答える。
「私の力が通用するかは判らないが、どんなに己の体が傷付こうと守り抜いてみせる!!
アーデルハイトさんとヘクトルの対話を実現させるために!」
ルイ・フリード(るい・ふりーど)が、
筋骨隆々の身体で、アーデルハイトをかばうように立って言う。
「知人、友人、想い人、恩師、様々な人々の思いの形があります。
今回の騒動……いえ戦というべきでしょうか。
シャンバラという枠組みの中で二つの勢力に別れ尚、その模様は変わる。
皆、自分の中の確かな信念を持ちそれぞれの己の道を行く。
最後に皆の進む道が一緒になる事を信じて……」
「そうだなルイ、心は皆それぞれ似たようなモノはあれど違ったモノだ。
僕にも心は確かにある。
僕達を受け入れてくれた新たな出会いをくれた居場所の為
この作戦は確かに実現させよう」
リア・リム(りあ・りむ)も、ルイに言う。
「東とか西とかそんなこと言ってる場合じゃない、
私たちは等しく【シャンバラ王国の臣民】でしょう?
目標は要塞動力制御部、ここを制圧してしまえばこっちのもの!
従龍騎士なら私単独でもなんとかなるはず」
宇都宮 祥子(うつのみや・さちこ)は、
同人誌 静かな秘め事(どうじんし・しずかなひめごと)とともに、
要塞に突入していた。
「火器管制システムを乗っ取り要塞の対空火器で龍騎士を攻撃できないでしょうか。
戴冠式が成功してもエリュシオンとの戦いは続きます、
味方の損害は少なく敵の損害は多いほうがいいでしょう」
静かな秘め事の提案に、アーデルハイトはうなずく。
「うむ、頼んだぞ。私達はヘクトルをなんとかしてこよう。
じゃが……無理するでないぞ」
「ええ」
祥子達はうなずいた。
■
一方、そのころ、第七龍騎士団は。
マッシュ・ザ・ペトリファイアー(まっしゅ・ざぺとりふぁいあー)は、
第七龍騎士団団長ヘクトルに、進言を行っていた。
「『Pキャンセラー』を利用したヴァラヌス搭載装備の開発を行うのはどうかな。
今後、契約者が主戦力のシャンバラと戦う事になるなら大きな強みとなるし、
相手を傷つけず無力化する事もできると思うよ」
「そうか。だが、地球のイコン開発技術はエリュシオンのそれとは違うので、
簡単にできるかどうかはわからない」
ヘクトルの回答に、マッシュは「そうかあ」と答え、引き下がる。
そして、魄喰 迫(はくはみの・はく)は、ヴァラヌス搭乗の準備にかかった。
一方、東園寺 雄軒(とうえんじ・ゆうけん)も、
ヘクトルに依頼していた。
「あくまで可能であればですが、
これが終わったら、できるならばエリュシオンで知識や、
エリュシオンのイコンについての研究をさせていただけないでしょうか?」
「わかった。だが、まずはここでの戦いを制さねばならない」
バルト・ロドリクス(ばると・ろどりくす)は、その会話の間にも、
雄軒とヘクトルに危害が及ばないよう警戒していた。
そこに、さらに、
鬼崎 朔(きざき・さく)がやってきた。
「ヘクトル隊長……どうしても聞いておきたいことがあります」
「どうした?」
思いつめた表情の朔に、ヘクトルが振り向く。
朔は、嘘感知を使用しつつヘクトルに質問する。
「なぜ、寺院の連中と組んだのですか」
ヘクトルは、鏖殺寺院に対して嫌悪感を示していた。
それなのになぜ今回、手を組んだのか。
鏖殺寺院を個人的にも仇敵と考えている朔にとって、どうしても訊ねたいことだった。
「オレは……鏖殺寺院と組んででも、シャンバラ建国を阻止したかったのだ。
たしかに奴らは許せないが、大義のためにはしかたがない」
「そうですか……」
朔は、ヘクトルの回答がどのようなものであれ、受け入れようと決めていた。
「朔様……」
スカサハ・オイフェウス(すかさは・おいふぇうす)は、
パートナーの決意を見守っていた。
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