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マホロバで迎える大晦日・謹賀新年!明けましておめでとう!

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第五章 初日の出7

「さーだーつーぐー。いるか。出かけんぞ」
 武神 牙竜(たけがみ・がりゅう)は強引に鬼城 貞継(きじょう・さだつぐ)を連れ出してていた。
「どうした牙竜、いつもと違うな」
「誰かさんが仕事大量に放置して、俳人になりやがるからだろーが! 俺はストレスがマッハで死にそうだ。癒されにいくぞ」
 牙竜が連れてきた店の看板には、『吹替声(アテレコ)冥土喫茶 はにぃ☆とらっぷ』と書いてある。
「なんだ、このいかがわしそうな店は」
「いかがわしいゆうな。俺が『八咫烏(やたがらす)』のくノ一達にやらせてんだよ。ちゃんと幕府の営業許可はとってるからな」
「お帰りなさいませぇ〜、お殿様ぁ!」
 入店するなり、雅な衣装に身を包んだ女の子たちがズラリと並ぶ。
「まずわぁ、お衣装でござるぅ〜。台本とマイクスタジオはあちらでござるよぉ〜、萌え萌えきゅんきゅん!」
「……なんなんだこれは」
「ここは役になりきって声をあてる萌えな喫茶店だ。とりあえずそれ着てくれ」
 貞継が渡された衣装は、和柄フリルの着物ワンピである。
「……帰っていいか」
「ダメだ。それを着て萌え台詞を言うんだ。ついでに『大奥』の収録裏話を聞かせろや! 役者だろ?」
「それを言うなら、お前もだぞ。牙竜」
 貞継の目が妖しく光る。
「このシナリオ参加者に例外はないとうしろの奴が言っている。牙竜、お前……髪、綺麗だな? ……誰か、この男に合うサイズのミニスカ着物を持ってこい」
「……!?」

 ――数十分後、マイクスタンドに立つ180cmミニスカポニテ男の姿が!!

「萌え萌えきゅんきゅん! 緑茶がお勧めでぇござる〜ぅ」
「わぁい、お殿さまぁ。私の萌えパワーで美味しくなりましたぁ!」

「さ、さだつぐ……」
 牙竜は堪えきれずに両手をつく。
 貞継はぽんぽんと彼の背中を叩いて励ました。
「ヒーローだろ? 泣くな……うしろの奴がこうなっては、もう誰も止められん。そういえば、裏話についてだが……」
「もういい、イヤな予感しかしない」
「そうか? じゃあ、第一印象について。『大奥』第一回で男PCのアクションが胸のことばっかり書いてきて、一体どんなシナリオかと思ったらしいぞ。その後、まともに働いてるのをみて安心したそうだがな。あと、お前の称号は中の人の名前だと一時思ってたらしい。誤解が解けて良かったな」
「良かねーよ! くそ……もう帰る。帰ってちっぱいにダイブしてやる! ……まだいないけどな」
 精神的ダメージを受けてふらふらではあったが、牙竜は釘を刺しておくことを忘れなかった。
「あ、この店お持ち帰り厳禁だから。セイニィ・アルギエバ(せいにぃ・あるぎえば)だったら俺が嫁に持ち帰るがね……今回の件は他言無用に願おう」