薔薇の学舎へ

波羅蜜多実業高等学校

校長室

葦原明倫館へ

学園祭に火をつけろ!

リアクション公開中!

学園祭に火をつけろ!
学園祭に火をつけろ! 学園祭に火をつけろ!

リアクション

「ご注文はお決まりですか?」
 そこで、人数分の水を持ってきた刹那が一同に聞いた。
「えっと、決まっては――って、あれ? もしかしてそこにいるには…………」
 やって来た刹那へ返事に困っていた美羽が、そこで刹那の肩に乗っているコタローの姿を発見する。
「コタローさんもお手伝いですか?」
「あい! こたもてーいんしゃ、がんばってうろ!」
 美羽の反応を理解したベアトリーチェが訊ねると、コタローが元気に答えた。
「俺はコーヒーでいい。とびっきり味が濃いやつを頼めるかい?」
「あ、はい!(わ、この人ちょっと怖いですね………)」
 最初に頼んだのはアキュートである。
「こんなに紅茶の種類あるんだ……どうしようかな、オススメとかって、ありますか?」
「えぇ、ありますよ」
「じゃ、私それで」
 次は璃央が注文する。
「んじゃあ俺は………うん、俺もコーヒーでいいや」
「はーい」
 さほど深く考える様子もなく、聖はそう言うとメニューを閉じる。
「うむ、それがしはこの『ヌワラエンヤ』なるものが気になるな――これを頼もう」
「かしこまりました(……………マンボウ、さん? 何故ここに? と、言うより何故浮いて――)」
「ペトは字が読めないので水が良いのです」
「はい、わかりました(ちっちゃくてなんか可愛いですね)」
 ウーマ、ペトも注文し終わり――
「私はね、甘いのが飲みたいな! あるの?」
「えぇ。ございますよ」
 美羽の言葉に返事を返したのは祥子。人数が多いから一人では大変ではないか、と考えたらしく、柔らかな笑顔を浮かべて刹那の横に立っていた。
「砂糖がなくても飲める物がありますので、そちらは如何でしょう? 美羽ちゃん」
「わっ! さっちゃん! さっちゃんも此処でやってたんだっ」
「えぇ、ちょっと頑張ってみようと思ってね」
「私もそれ、いただきますね」
「かしこまりました」
 美羽とベアトリーチェの注文も終わる。
「コーヒー、もう一個な」
「私はこのスペシャルブレンドティーをいただきますね」
「うーん、どうしましょう……」
 奉先とシャーロットが注文し、セシリアは頭を抱えていた。
「うし、そこのねーちゃん。あんたもコーヒー飲もうぜ」
 見兼ねたアキュートが笑いながらにそう提案する。
「えっ! あ、はい! じゃあそれで」
 反射的に返事を返してしまったセシリアに、珍しく彼が悪戯っぽく笑った。
「以上でご注文はよろしいですか?」
「いやあたし! ちょ……!」
 ふざけた様子で祥子がセイニィに目を向け、慌ててセイニィが引き留める。
「もぉ! そう言う意地悪を……!」
「ごめんごめん。何飲むの?」
「あたしはもう決めてんの。あのね、朝もらったヤツ。も良いんだけどねぇ、なんだか悔しいからウォウルが朝飲んでたやつがいいな」
「あぁ、『リゼ』ね。わかったわ」
 ひらひらと手を翻しがら、にっこり笑って去っていく祥子。「ゆっくりしてってね」と呟いた彼女に、しっかりと礼をして彼女についていく刹那。
「さて、それでさっきアキュートが言いかけてた話って――」
 二人を見送ったセイニィが話を切り出すと、ふと目と言葉を止めた。机の上――アキュートの前。
「うぅ、こた、おしごと…………」
「ごめんなさい、くっついたです」
「…………………………ペト」
 先程まで刹那の肩に乗っていたコタローが、ペトの粘毛によってゲットされていた。
「今度はなんでそうなった? くっつく余地はねぇだろう?」
「謎の仲間意識が、抱擁を――」
「………………………」
 セイニィ、シャーロット、奉先、セシリア。更に美羽とベアトリーチェがポカンと口を開けているのに対し、アキュート、ウーマ、聖と璃央は、ただただ苦笑するだけだ。