波羅蜜多実業高等学校

リアクション

序章　『これから始まるＤａｙ　ｂｙ　Ｄａｙ（日々）』


　寒さと食事。
　それらが合わさると、今まで以上に気になることが出てくる。
「これより『静香・雅羅・アリサによるダイエット対決』を開催いたしますわ」
　三名の入所を以って開会宣言をするラズィーヤ・ヴァイシャリー（らずぃーや・う゛ぁいしゃりー）。
　この『Ｄ合宿所』はラズィーヤによって設けられたアパート。ダイエットに明け暮れられるようにと、生活環境を変えてきた。
　お風呂にはサウナ。辺りには運動が出来る施設。食事も産地直送の美味しい食べ物を取り揃え、制限を付けたとしても味は損なわない。
　しかも、体重の増減がダイナミックになる魔法まで掛けるという徹底振り。
　だが、それを生かす術を持ち合わせておらず、その部分は大会を開くことで解決させた。
　こうして舞台は整った。後は役者たちの頑張り次第。
「うぅ……あまり体を動かさないので心配です」
　のっけから不安全快の桜井　静香（さくらい・しずか）。
「静香はまだいいわ。運動すれば痩せる余地が多分にあるじゃない。それよりも私は自分の体質が心配よ」
　カラミティ（疫病神）とまで言われる災難体質の雅羅・サンダース三世（まさら・さんだーすざさーど）は別の心配事があった。
「あら、さっきまでの威勢はどうしたのかしら？」
「実習に参加できなければパイロットとしての名折れだ。絶対に痩せる」
　アリサ・ダリン（ありさ・だりん）は未だに持ったパイロットスーツを握って奮起している。
「二人もアリサさんを見習ってみたらいかがです？」
　顔を見合わせる静香と雅羅。
「うん、頑張るぞ！」
「やってやるわ！」
「コーチの方々もそろそろ到着いたしますわ。十分頼って（Ｄｅｐｅｎｄ）くださいまし」
　これから一週間、劇的な日々（Ｄｒａｍａｔｉｃ　Ｄａｙｓ）が始まる。