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荒野のピストルランチ!

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 ノノンが部屋から救助されていた同時刻。

 出入り口はクレアと稔によって完全に制圧されていた。
 そこへ小型飛行艇で敷地内に降下した安芸宮 和輝(あきみや・かずき)

「陽動作戦は上手く行ったようですね」

 なんなく館へ突入していった和輝。
 中では不審に思った部下が何人か集まっていた。

「な、なんダ!?」
「出入り口にいた奴ラ、みんな全滅したみたいダゾ」
「そうですか。では、あなたたちも眠ってて下さい」

 和輝は峰打ちで次々に部下を倒しながら奥へ進んで行く。

「早くシルフィーと稔と合流できませんかね」

 奥へ進んで行くにつれ、あちこちから人質が逃げだしたような事が聴こえてくる。
 それを聞いた和輝は逃げだした場所から今現在いる場所が遠い事からここで暴れる事にした。

「さぁ、放って置くとつけあがるのが悪党の常なんで、しっかりと退治しませんとね!」

 次第に集まって行くヤンの部下。

「和輝さん!」
「和輝!」

 暴れていると陽動組のクレアと稔が追いついてきた。

「陽動ご苦労様です。合流して早々ですが、サポートお願いしますね!」
「はい!」
「もちろんです」

 峰打ちだが確実に仕留めていく和輝を主力に、クレアの術攻撃による支援と稔のサポートで次々に気絶した部下の山が出来ていく。



◇          ◇          ◇




 銃撃戦を繰り広げていたレギオン、ジャック。あちこちで繰り広げられてる惨状に気が付く。

「……どうやら、劣勢のようだな。ジャック」
「ん? どうした、レギオン」
「ここ以外にもさらなる侵入が……」
「あーなぁるほど、んじゃ行くか」

 レギオンの言いたいことが分かったジャックは、廊下の窓を手にしている銃器で乱撃する。

「どこへ行くのです!?」
「逃げるのですか?」
「逃がすと思う?」

 敵対していたルドウィク、ミーナ、淳二が今さっき割った窓の前に立つ。

「レディ、すみません。別に応援を呼びに行くんじゃないからさー見逃してよ」
「なにを訳のわからない事を言ってるですか」
「青年は分からなくても良いけどさ」
「……所詮は雇用関係だ、劣勢になったらヤンの事は見限らせてもらう。……それだけのことだ」
「そういうこと」

 ハードボイルドを投げつけるジャック。3つが3つ共それぞれに命中する。
 地味な痛さに身をかがめている三人。

「それじゃ、また逢う時があればお茶をしましょーね、レディ!」

 割れた窓から外へ飛び出すジャックとレギオン。

「体が…ものすごく痛いです…」
「……逃げられてしまいましたわね」
「ですが、雇用関係を切るみたいなことを言っていましたし、これ以上私たちの邪魔はしないんじゃないですか?」
「そうだと良いですわね」

 ジャックとレギオンが逃げた窓の外を見る三人。
 そこには誰もいなかった。