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空の独り少女

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空の独り少女

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序章

 「集まったか……」
 ――貸し切られた体育館。各校へ回された掲示板から集まってくれた参加者を山葉 涼司(やまは・りょうじ)は見回した。
 夢の世界で雅羅・サンダース三世(まさら・さんだーすざさーど)が出会った少女、少女の小さな願いの為に集まってくれた彼らに涼司は嬉しそうに笑った。

 「風が心地良いですね」
 窓、扉が全て開け放たれた体育館には柔らかな風が流れていた。時折強く風は雅羅の髪を揺らしていく。
 春の暖かな陽気と相まって、少し横になってしまえば直ぐに眠りに付くことが出来そうだった。

 「聞いてくれ!」
 体育館の壇上の涼司が声を上げた。
「今回は良く集まってくれた。先ずは感謝を……」

「各自、体育館の好きな場所で就寝に入ってくれ!向こうで会おう!」