リアクション
第五章 帰還
「お、落ちてる……」
涼司達が門を駆け抜けた先、自由落下が待っていた。
「加夜、俺に掴まれ」
加夜の細い腕を掴み、涼司は自らへと引き寄せる。
「あ、ありがとう」
「「いやっほーい!」」
「!」
ウォーレンと恭也がスカイダイバーさながらに勢い良く落下していった。
「なかなか気持ちが良いのぅ、イリア」
「そうね、ダーリン♪」
べったりとイリアに抱きつかれたルファンは不動のまま落下していく。
「私に掴まりますか?」
リオンが北都に手を差し出す。
「ううん、大丈夫だよ」
北都が頭を振った。
「それではこのまま……」
「そうだね……暫く楽しませて貰おうよ」
「うわー、何かすーすーする」
鳥の様に手を広げ、ルカとダリルは空へと落ちていく。
「……もう少し言葉を選んでくれ」
「どっちが上か分からない!」
上下にぐるぐる回転したさゆみは成されるがまま、落下していく。
「空でも迷子になるつもりですか?」
半眼でアデリーヌはさゆみを見下ろす。
「こうやって落下するのは、ずいぶん久しぶりですね」
「こんな事も経験済みなの?!」
マビノギオンの告白に郁乃も突っ込まざるを得ない。
唯斗は改めて、睡蓮に訊ねていた。
「何処に最初射ってたんだ?凄い楽しそうだったが……」
「……内緒です」
思考するポーズのまま朔夜が落下していく。
「装置について詳しい事は書いてありませんでしたね」
(「学術書じゃありませんからね、桜さんもお疲れ様でした」)
「今度、また別の物を探しましょうか」
「お、落ちてるよ……和輝!」
子犬宜しくアニスが和輝にしがみ付いてくる。
「諦めろ……」
アニスがしがみ付いた為、此方も銅像の様に落ちていく。
「か、海くん……」
柚がギュッと海の腕にしがみつく。
「柚。そんなにしがみつかなくても……手を放したりはしない」
「やれやれ……」
そんな自由落下する2人を三月は呆れ顔で見送るしかなかった。
「あ……気持ち良いね……がーちゃん!」
全身で風を受け、ネーブルは隣の画太郎の手を取った。。
「カッパー!」
雅羅を抱きかかえた大助が空を見渡す。
「ワンコ、唯は何処にいる?」
「あっちだよ」
戌子は隣を指すとさっさと落ちていく。
「必ず会わせてやるからな」
「空は気持ち良いですか?」
マクフェイルに抱きかかえた唯は目を輝かして頷いた。
「うん、鳥になったみたい!」
「それはそれは……」
無垢な笑顔にマクフェイルも自然と笑みが零れる。
「ねえ、また会える?」
「ええ、いつでも会えますよ」
「唯!」
声の方へマクフェイルは抱きかかえたまま振り返った。
「雅羅さん」
「雅羅!」
「っ、届け……」
マクフェイルは腕を精一杯伸ばし、雅羅へと唯を手渡す。
「ありがとう、マクフェイルさん」
「ですが、あまり時間がありません。お早めに……」
「ありがとう、雅羅」
「良いの……貴方が私を望んでくれたのだから」
「またね……」
「ええ、向こうの世界でまた会いましょう」
はじめまして。又はこんにちは。
村野 憂規です。
ノーマルシナリオ『空の独り少女』に参加して頂き、ありがとうございました。
今回、公開が遅くなり真に申し訳ありませんでした。全ては村野の力不足が原因です。
大変ご迷惑をお掛けしました。
最近は、ニュースになった物以外では空を見上げる事が少なくなった様な気がします。
今の空を見ておくと、外に出たときに違う空の雰囲気を感じる。そんな事が出来ると思います。
皆様、これからも宜しく御願い致します。
御参加頂き、ありがとうございました。