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リアクション
金の道の最深部――アムリアナの聖廟は地底湖に沈んでいたが、まるで工場のような形をしていた。そして、地底湖の水面には光苔が生えており、薄ぼんやりと光を放っている。
セイニィが地底湖にたどり着き、そこで煌々と光る松明を持って立っていたのは――
「よぉ、セイニィ。会いたかったぜえ」
竜造がニタニタと顔を歪ませながら、セイニィと相対する。
「あたしの方も、あんたにたっぷりお礼をしなくちゃならなそうよっ!」
セイニィが臨戦態勢に入ろうとした直前、竜造は松明の灯りを消した。
「へへっ、てめえは動きが素早いから、お互いに姿が見えない方がこっちには有利だぜ」
(ぐっ、音と気配だけを頼りに勝負をしていたら、パワーで勝る相手に分がある。早くなんとかいないと……)
まっ暗闇の中で、ひたすら精神を集中させるセイニィは、殺気看破で相手の気配を探る。
「相手の場所は……一メートル手前?!」
セイニィが竜造の気配に気づいた時、既に金剛力で攻撃力を大幅に上げた状態で、一刀両断を発動させていた。
「があっ!!」
驚異的な反射神経で、数コンマ手前で攻撃をなんとかガードするセイニィ。しかし、衝撃を殺しきれずに頭を強打してしまう。
キーン
(だ、駄目だぁ。さっきの衝撃で耳が一時的におかしくなってる……それに、疲労が溜まり過ぎて殺気看破でもまったく気配を探れない……)
音と気配を探る術を失い、まったく竜造の居場所を掴めなくなったセイニィは、ひたすら軽身功を使って地底湖の水面を移動し、竜造の攻撃を避ける事しかできなかった。だが、それもネタがバレてしまえばそれまでのもの……。
「ははっ。さっきから攻撃が当たらないと思って耳を澄ませてみれば、水面を移動してやがるのかっ! それなら、梟雄剣ヴァルザドーンのキャノン砲で仕留めてやるよっ!」
竜造はヴァルザドーンを構え、地底湖を焼き払うようにキャノン砲を充填させていく。
(くそっ……もう、これまでなのぉ?!)
絶体絶命のピンチに追い込まれたセイニィは、必死で活路を見出そうとする。
「くたばれ、セイニィっ!!」
あとわずかでキャノン砲の充填を終える竜造が吼える。その時、セイニィはある事に気が付いた――
(あれっ? さっきから地底湖の光苔が輝き始めている?! いや、それにしては急すぎる。これはどこからか灯りが漏れ始めているんだわっ!)
セイニィが咄嗟に上を見上げると、洞窟の天井には一カ所だけ地上に通じている穴があり、そこから満月の光が差し込み始めていた。そして、その光がキャノン砲を発射しようとしている竜造の居場所を照らし出す。
「もらったぁ!!!」
水面を猫の如き俊敏さで駆け出したセイニィは、瞬く間に竜造の懐へと潜り込み、ヴァルザドーンを構えて無防備な彼のボディに渾身の力で等活地獄を叩き込んだ。
「グハァアアアアアアアアっ!!!」
断末魔の悲鳴をあげながら、とうとう竜造が崩れ落ちた――
「ようやく、戦いは終わったのね……」
全力を尽くしたセイニィも、眠るように地面へと崩れ落ちた……。
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