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リアクション
気が付くと見た目7歳児だった寿々は少しだけ成長し、10歳位の姿になっていた。
桃花も同じように5歳だった姿から10歳位に成長している。
「うわー、あたし身長が伸びてるよ! あ、髪もちょっと伸びたかな?」
「40センチも背が高くなると、やっぱり普段とは全く違う感じだね。ちょっとだけおしりのもふもふしっぽが小さくなった……かな?」
リスの獣人である桃花の尻尾は普段よりも小さくなり、身長と髪が腰ほどまでと大きく成長した姿をしている。
寿々と桃花は大きくなった姿を鏡に映して楽しんでいると、九尾の狐の象徴でもある9本の尻尾が無くなり、1本だけの尻尾になった10歳児の保住がやってくる。
「寿々ちゃんと桃花ちゃんは大きくなりましたねー」
「保住さん/保住おねえちゃん」
「みんな同じくらいの身長ですわね。それじゃ、今日はなにをして遊びましょうか? ここにはいろいろなおもちゃがあるんですよ」
保住は寿々と桃花を連れておもちゃ箱がある方へ連れていく。
その時、子供になった訳が分からなかったが、そのうち元に戻るだろうと気楽に考える、超感覚で犬の耳としっぽを出したクトと狼の耳としっぽが生えているキアラと擦れ違った。
「なかなか集まらないなー」
「まだ探し始めたばっかだよぉ。あ、あの子に声をかけてみようか」
クトが目を付けたのは部屋にぽつりと佇んでいたミオだった。
「ユナに言われてきたものの、一体どうすればいいのよ……これなら研究をしていた方が」
「なぁなぁ!」
ミオは誰とも遊ばず部屋を後にしようとしたところを、キアラに呼び止められる。
「あたし?」
「そうだよぉ」
「オレたちサッカーをしたいんだけど人数が足りないんだ」
「良かったら一緒にしない?」
子供のまま研究を続けようとしていたミオだったが、ユナにバレた時の事を考えてサッカーをすることにした。
「良いけど、ボールは? 二人とも持ってないように見えるけど」
「仲間を集めながらボールも探す!」
「もしかしたらもうボールを使って遊んでる子とかもいるかもしれないしぃ、その子たちも誘って大人数でやろうかなって思ってるんだぁ」
「そっか。じゃあボール、見つかると良いね」
「おう!」
ミオを仲間に入れボールとメンバーを探していると、ボールが入っているボックスの前で写真撮影をしていた瑠親と琉璃子を発見した。
鏡の前で様々なポーズをとっては声を上げて感激している琉璃子。
「きゃーワタシ子供の姿になってる!」
「琉璃姉、本当に嬉しそうだね」
「そうだ! 子供になっている間は、義姉弟じゃなく、友達同士でいましょ? だから瑠親くんと琉璃子ちゃんって呼び合いましょう。ね、ね!」
普段から子供っぽい性格の琉璃子が、性格にピッタリ? な姿になった事で、妙に可愛らしく思えてきて困惑する瑠親。
「う……うん」
「瑠親くんっ写真! 写真!! たくさん撮ろうよ」
お互いの姿をデジカメで撮影していく二人。
「次はこのボールを持って!」
「こ、こう?」
「うん! じゃ、撮るよー」
サッカーボールを抱えている瑠親を撮る琉璃子。
「はい。次は琉璃子ちゃんがこのぬいぐるみを持って?」
「うん。これ撮ったら次は映像を撮ろうよ」
「映像?」
「そ。ここにボールがあるし、ボールを蹴ってる瑠親くんを撮りたいなって」
デジタルビデオカメラを見せる琉璃子。
「でも、ここじゃ思いっ切り蹴れないよね」
「うーん、だよねー。どこか良い所はないのかなぁ……」
「ねぇ。ボール持ってるけど、サッカーでもやるの?」
そんな瑠親と琉璃子の会話が聴こえてきたクトとキアラ。
クトが代表で瑠親と琉璃子に声をかける。
「そうよ」
「でもこの部屋じゃ人が多くてボールを蹴れないから困ってるんだー」
「だったら、この部屋を出て少し行った所に屋内庭園があるわ」
「屋内庭園?」
場所の提案をしたミオに琉璃子が、屋内庭園とはどんなものか気になり尋ねた。
「屋内庭園っていうのは半人工的な環境の庭園のこと。まだ植物とかはたくさん生えてないところだけど、ここよりはサッカーとかはしやすいハズよ」
「詳しいんだねぇ。もしかしてここに来た事があったりする?」
「え? だってここで研究してるんだもの」
ミオは簡単にここの施設で庭園作りをメインに、植物関係の研究をしていることを伝える。
「ふーん。他にはどんな部屋があったりするの?」
「そうねー大浴場とか、図書室、研究室、仮眠室とかいろいろあるよ」
「けっこういろいろあるのね」
「まだ、未開拓の場所や研究資材とかがそのままにしている所とかもあるから、あまり変な所には入らない方が良いわよ」
「そうなんだ。じゃあ、良かったら案内してくれないかな?」
「え、でも……5人でやるの?」
瑠親がさっそく屋内庭園に行こうと言うが、人数が少ない為もう少し人を集めてからそこへ行くことになった。
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