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リアクション
おやつのじかん
部屋の一角でオママゴトをしていたたろんたち。
たろんはのみんと一緒に折り紙をしている。
「見て見て、ツル!」
「おー上手いな。……っと、ほら手裏剣」
のみんはツルを作り上げ、たろんは手裏剣を作り上げた。
「わー、これは?」
「これか? これを、こうすると……カメラ。ちょいっと折り方を変えるとやっことはかまだ」
得意げに折り紙を見せるたろん。
「あらあらたろんちゃんは今、赤ちゃんなんでちゅよー? 折り紙なんて出来ませんの」
「オイ、コラ! やめろと言ってるのが聴こえないのか!?」
折り紙をしていたたろんを抱きあげるソアン。
子供になって身体能力が著しく低下して為に、逆にソアンに手玉に取られてしまう。
「あ、あたしも抱っこしたい!」
「のみんまで!? やーめーろー!!」
ジタバタするが抵抗空しくのみんに抱きあげられてしまった。
ゴーン ゴーン
どこからともなく重音を響かせる時計が鳴り響き、お菓子をもった数人の虎人形が部屋に入ってくる。
『みんなー、おやつの時間だよ。自由に好きなの食べて良いからねー』
スピーカーからユナの声でおやつの時間だと放送が聴こえてくる。
虎人形はテーブルに持って来たお菓子やティーポットなど様々な食べ物を置くと、そのまま出ていった。
「たろんちゃん、ちょっと待ってるんでちゅよー。のみんちゃん、ちゃんとたろんちゃんを見てるのですわ」
「はーい」
虎人形が置いて行ったお菓子と飲み物を選んでいくソアン。
「んー、これとこれ……あとアレがあればいいですわね」
ビスケットと紅茶、そして哺乳瓶に入れたミルクを持って戻ってくるソアン。ただし、哺乳瓶はたろんには見えないように運んでいた。
ソアンはのみんには小さなテーブルに普通に置くが、たろんにはお菓子を置かず自分の膝に乗せる。
「はーい。たろんちゃんにはこれでちゅよー」
隠し持っていた哺乳瓶を出して見せる。
「はぁ!? ふざけんなっ絶対飲まないぞ!!」
「ワガママ言わない!」
ベシッと頭を叩き、無理やり口に哺乳瓶の口を入れ込むソアン。
しぶしぶたろんはそれを飲んでいく。
◇ ◇ ◇
フェイが甲斐甲斐しくジェイにお菓子をあげたり、飲み物を注いだりしている。
「なにか他に食べたいモノはありませんの?」
「ない! 食うよりもさっさとラジコンの続きでも……」
「だめですわ! 食べる時はしっかり食べ、遊ぶ時は思いっきり遊ぶのです」
ラジコンのコントローラーにそろそろと手を伸ばすジェイの手をペシッとフェイが叩く。
「いてっフェイ……」
「そんな目をしてもダメですわよ。よく噛んでここにあるお菓子を食べなさい」
「へいへい」
よく噛みつつ食べるスピードをあげるジェイ。
「……ごくん! 食った!! じゃ、行ってくる」
「あ、ジェイ! ……もう、ちゃんと片付けてから遊びに行ってほしかったですわ」
ジェイが食べるのに使っていた皿やカップを、虎人形が置いた場所の隅に使用済みのそれを置いた。
「やっぱり可愛らしいですわね」
フェイはそこからラジコンをいじって遊んでいるジェイを眺めていた。
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