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買い物禁止!? ショッピングモールで鬼ごっこ!

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買い物禁止!? ショッピングモールで鬼ごっこ!

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「さあ見せ付けてやるのよ! その借りてきたビキニ姿でこいつら全員イチコロよ!」
「い、いやでも恥ずかしいし」
「雅羅を助けるためよ! それにその体は元は私、一番は恥ずかしいのは私なのよ!」
「そ、そうだよね……うん、頑張るよ」
「……まあ、夢悠への羞恥プレイということで手を打ちましょう」
「何か言った?」
「いいえ、さあ次よ!」
 そう言いながら戦うは想詠 夢悠(おもなが・ゆめちか)想詠 瑠兎子(おもなが・るうね)の二人だ。
 雅羅の危機と聞いた二人はいてもたってもいられずこの作戦に参加していたのだ。
 夢悠は『ディテクトエビル』、瑠兎子も『殺気看破』を用いつつ黒服たちの位置を把握し『先の先』で先行し、相手を制していくスタイルで戦っていた。
「大分少なくなってきたね」
「……というより、自ら引いていっているような」
 瑠兎子の言うとおり、黒服たちは諦めたかのようにオールエリアから撤退していく。一体どういうことなのか。
「おーい、そこの二人ーちょっと来てくれー」
「呼んでるね、言ってみようか」
「……そうね。そうしましょう」
 誰かに呼ばれた二人は声のする方へと駆けて行く。そこにいたのは協力していた四人の契約者と、オー・ルラ・ウンダーが二人。
「あっ、捕まえたんですね。お見事です」
「道理で。もうここには守るべきものはないから去っていったのね」
「……捕まえたのはいいんだが、どっちが本物かわからなくてな」
 困ったように言うのは四谷だ。
「この二人、最後の力を振り絞ってどっちがどっちかわからないようにシャッフルしたんだよ」
「それならわらわがお色気担当じゃ、と言ったら」
「だめだから! これ以上はだめだから!」
「そんで俺ががんばるかーと思ったら」
「許可しないわよそんなこと!」
「っと、こんな状況になったんだ。それで二人に手伝ってもらいたいんだ」
 軽く今の状況を説明する四谷。それに聞いて瑠兎子は夢悠に指示を出す。
「ということであれば、夢悠、あんたの出番よ」
「えっ?」
「こんな阿呆に私の体で誘惑するのも癪だけど、雅羅のためですもの、背に腹は変えられないわ」
「えっと、つまりどういうこと?」
「右の腕、左の腕で胸を両側から押す!」
「は、はいっ!」
「そのまま前進!」
 言われるがままにオー・ルラ・ウンダーの前へと出る夢悠。
「ストーップ! それ以上はお金を取るわ! 夢悠、ここでお色気たっぷりの言葉よ!」
「え、ええ? どんなことを言えば……」
「そこは任せる」
「え、っと。……触って、見ます?」
 夢悠の言葉から数瞬、片方のオー・ルラ・ウンダーがばたんと倒れる。ほどなくして偽装が解けそちらが『偽装者』と言うことが判明した。
「それじゃこっちが本物ね。さあ、鍵を渡しなさい!」
「く、くそうっ」
 観念したオー・ルラ・ウンダーが遂に鍵を渡す。そこへ他の鍵を持った契約者たちが集まってくる。
 鍵をそれぞれ確認し終えたところで、雅羅が囚われている部屋へと駆け出す一向。

 厳重な魔法障壁、そこに頑丈な鍵が取り付けられた一つの店舗。
「よし、それじゃ開けるぞ」
 三つの鍵を預かった海が鍵を開けていく。そして三つ目の鍵を開けて、扉を開く。そこにいたのは、椅子に縛られた雅羅の姿があった。
「雅羅!」
「雅羅さん!」
「雅羅ちゃん!」
 四谷、夢悠、瑠兎子の三人が一番に駆け寄り、縛られている雅羅を解放する。
「ふぅ、まったく……散々な目に遭ったわ……」
 若干衰弱している雅羅を見て瑠兎子が『ナーシング』をかける。
「大丈夫?」
「ええ、平気……ありが」
「でももしかしたらがあるかもしれないし、ちゃんとチェックしておかないと!」
 両手をわきわきさせる瑠兎子。
「……」
「いやほら、オレは夢悠だよ?」
「……そう、じゃ私はなんて呼ぶの?」
「そんなの今更じゃないか、雅羅ちゃん……はっ!」
「……制裁!」
「キャー!」
 セクハラに失敗する瑠兎子。
「まあ、無事で何よりだ」
「そうですね」
「……まあ、何だ。お互い、頑張ろう。恨みっこなしでさ」
「……はい。負けません」
「おう」
 意味ありげな会話をしつつ今は雅羅の無事を祝う一行。だったのだが。
「はっ、こんなことをしている場合じゃないわ! あの男を捕まえないと!」
「あの男って、シル・エッターか?」
「そう! あいつ、相当狂っているわ。あんな奴を野放しになんてできない」
「……だな。なら俺たちはこのまま狂人の捕獲に向かうとするか」
 実際、被害にあった雅羅がそう言っている。海もそれを理解し、雅羅と契約者たちと共にシル・エッターを捕まえにいくのだった。
 タイムリミットまで残り僅か。果たしてシル・エッターは捕まえられるのだろうか。