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夏合宿 どろろん

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肝試し大会

 
 
「お相手を見つけたペアは、こちらへ来てくじ引きで順番を決めてください。あわてず、順序よくお願いします」
「相手が見つからない人は、こちらだよー。こちらで組み合わせのくじを引くんだよね。面白い出会いとかもあるかもしれないから、結構おすすめだよ」
 肝試し大会の受付では、ユーシス・サダルスウド(ゆーしす・さだるすうど)くんとアゾート・ワルプルギス(あぞーと・わるぷるぎす)さんが、テキパキと参加者をさばいていました。
「軽食は、あちらだよ」
 アゾート・ワルプルギスさんが、おむすびやサンドイッチの載ったテーブルを、参加者たちに示しました。
「すいません、私の仕事まで手伝ってもらってしまって」
 ルートの地図を参加者に手渡しながら、ユーシス・サダルスウドくんが言います。
「ボクの仕事でもあるからね。大丈夫、大丈夫。気にしなくていいんだよ」
 慣れた様子で人をさばきながら、アゾート・ワルプルギスさんが言いました。
 
    ★    ★    ★
 
「そろそろ始まるかあ。うーん、なななと組んでみたかったけれど、私たちが組んだらそこら中被害甚大な気がするからねえ」
 金元 ななな(かねもと・ななな)さんとペアを組もうとして思いとどまったリカイン・フェルマータ(りかいん・ふぇるまーた)さんがつぶやきます。とりあえず、全体的によく見学できるところを求めて、リカイン・フェルマータさんは高台の方へとむかいました。
 
    ★    ★    ★
 
「カナタ〜、一緒に……」
ケイ、すまぬ……。だが、断固断る!!」
 緋桜 ケイ(ひおう・けい)くんが皆まで言わないうちに、悠久ノ カナタ(とわの・かなた)さんが強い調子で断りました。
 当然ですね。
 今まで、肝試しに類する物に参加して、ろくな目に遭っていませんから。
「他の奴と、やるしかないか……
 仕方なく諦めると、緋桜ケイくんが受付に一人で行きました。
「はい、偶然の出会いを求める人は、こっちだよ」
 くじの入った箱を突き出して、アゾート・ワルプルギスさんが言いました。
 
    ★    ★    ★
 
 さて、緋桜ケイくんと別れた悠久ノカナタさんは、ほっと安心したように救護所に行きました。
 そこでは、林田 樹(はやしだ・いつき)くんと緒方 章(おがた・あきら)くんが、運動会用のテントを張り終えていました。
「こばあ♪」
 小ババ様も、手伝っているようです。
「ありがとうであった、小ババ様。あっき〜の方は、いいかな?」
 林田樹さんが、小ババ策にお礼を言った後、緒方章くんにも確認します。
「収容用のゴザは敷いたから、そこそこの人数が来ても大丈夫だよ、樹ちゃん」
 準備はオッケーと、緒方章くんが答えます。
「回収部隊は、いいかな?」
「ああ、準備できているのだよ」
 待機しているモーベット・ヴァイナス(もーべっと・う゛ぁいなす)くんが答えます。
面倒事は……嫌いなんだけどねぇ
 隣で、宮殿用飛行翼を装備した、清泉 北都(いずみ・ほくと)くんが小さな声でつぶやきました。