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村と生物との行方

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第五章 殲滅を行う者達

「勇敢にして栄光ある討伐隊諸君! 諸君らは屑か、それとも座して死を待つ愚か者か! 家族を、子供を、恋人を踏みにじられ、蹂躙されても、何も思わないのか! 諸君らの敵は誰か! 諸君らを嘲笑ったのは誰だ! 諸君らの死を望んだのは誰だ! そいつらが居る方を指差してみろ!」
 武崎 幸祐(たけざき・ゆきひろ)が自警団に向かって激励を飛ばしていた。
「その通りだ! 残忍窮まりない奴等を諸君らの手で葬り去るのだ! 家族を、子供を、恋人を守る為、諸君らの手で守りたいものを守るのだ! 諸君らの正義の鉄槌で奴等を撃ち、切り裂き、破壊し、蹂躙し、殲滅せよっ!」
 消極的だった自警団も幸祐の激励を聞いて次第に士気が上がっていった。
「我らの栄光なる世界の為に! フリーダム・ジャスティスっ!」
「「うぉー!」」
 幸祐の激励で多くの自警団の士気は上がったのもまだ、やる気になっていない者達もいた。
「マスター、敵勢力を排除します。」
「頼んだぞ」
 ヒルデガルド・ブリュンヒルデ(ひるでがるど・ぶりゅんひるで)が幸祐の前に立つと、機晶キャノンを構えながら六連ミサイルポッドを森……モンスターがいる場所に発射、着弾点に機晶キャノンをお見舞して、森を焼き払った。
「さあ! 討伐隊諸君! 今こそ我らの栄光なる世界の為に! フリーダム・ジャスティスっ!」
「「「フリーダム・ジャスティスっ!」」」
 やる気ではなかった者達も一緒に叫び、森の奥へと走っていった。
「フフッ、始まったね。私もしっかりと素材を集めないと」
 蘇 妲己(そ・だっき)は自警団が移動した後、自警団達が仕留め損なった狼の元へ走り出すとハルバードを構え、首をはねた。
 革手袋をはめた手で狩りとった狼の皮を剥いでいると、更に妲己の周りに狼や巨大蜘蛛が近づいてきた。
 襲ってきた狼の四肢を裂き、蜘蛛の目を抉るように突き刺す妲己は、足元に狼達の血を流しながら、不敵に笑い次の敵を屠っていた。

「あんた! やり過ぎだよ!」
 瑛菜は、森を焼き払いながら移動しているヒルデガルドと幸祐に近づき抗議をした。
「有害な魔物討伐は村人の総意であり、我々は請け負った側、戦で迷うと死ぬから遣る気を出させたまでだ」
 瑛菜の抗議に幸祐は冷静に返した。
「ドラゴン討伐だけ請け負っているからといって、魔物に怯えながら進めというのか?」
 幸祐はそう言うと、ヒルデガルドを引き連れ森の奥へと進んで行った。