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リアクション
「以前ツァンダで起こった事件の続きみたいだね。九校連に関わる事みたいだし、放ってはおけないよ」
ルドュテのコクピットで清泉 北都（いずみ・ほくと）は呟いた。
「ええ。参りましょう」
サブパイロットシートから相槌を打つのは北都のパートナーであるクナイ・アヤシ（くない・あやし）だ。
途中で土佐に合流、乗艦してきた二人は、ルデュテを駆って“ドンナー”の一体と戦っていた。
振りかざされる“斬像刀”の一太刀がルデュテに迫る。
それに対し、クナイはレーダーでの熱源反応はもちろん保護結界をも応用して危険を察知し、それを北都に伝える。
「北都様、右斜め上方向より斬撃でございます」
クナイからの報告を受け、北斗は素早く操縦桿を倒してペダルを踏み込む。
回避行動を取るルデュテは、ただ避けただけに留まらず、ソウルブレードを反撃に繰り出す。
二人での操縦はタイムラグが発生するものだが、北都とクナイはそれを阿吽の呼吸でカバーしていた。
クナイも伊達に北都のパートナーを務めていないのだ。
しかし、“ドンナー”も負けてはいない。
ソウルブレードを弾くと、そのまま手首の返しを利用して即座に二の太刀を放ち、ルデュテの胸板を斬りつける。
「うっ……！」
「くっ……！」
胸部パーツを斬りつけられルデュテはあわや撃墜されかけるが、間一髪で直撃を避けたおかげで、何とか持ちこたえていた。
しかも、北都は相手の力を利用した合気道や柔術を駆使し、“ドンナー”の腕を取って押さえ込んだのだ。
脱しようともがく“ドンナー”と、押さえ込もうとするルデュテによる一進一退の攻防。
その時、通信機から青年の声が流れ出す。
『今からソイツを撃ち抜く。だから後もう少しだけ押さえ込んでくれ、そんでもって撃ち抜いた後はすぐに脱出してくれな』
直後、ビームの連射が“ドンナー”に向けて放たれる。
貫通した銃撃がルデュテを巻き込まないよう、横合いから放たれたビームの連射。
押さえ込まれた“ドンナー”はそれを避けられず、各所に命中を許してしまう。
『脱出してくれ！ 爆発するぞ！』
再び通信機から聞こえてきた声が合図すると同時、北斗はペダルを思い切り踏み込んだ。
ルデュテは推進機構を全開でブーストし、被弾した“ドンナー”から一気に離脱する。
次の瞬間、自爆装置が作動した“ドンナー”は大爆発。
ルデュテは事無きを得たのだった。
援護射撃が飛んできた方にルデュテが向くと、その先にはジェファルコンタイプがホバリングしていた。
「助かったよ。ありがとう。まだ互いに名乗ってもいなかったね。僕は清泉北都」
「北都様のパートナーを務めさせて頂いておりますクナイ・アヤシと申します」
二人が名乗ると、ややあって通信が返ってくる。
『天御柱学院の岡島 伸宏（おかじま・のぶひろ）だ。こっちこそ助かったぜ。俺の腕じゃ奴との白兵戦はまだキツイからな』
伸宏の声に続き、今度は落ち着いた可愛らしい女性の声が聞こえてくる。
『パートナーの山口順子（やまぐち・じゅんこ）です。そしてこの機体が閃電。よろしくお願いしますね』
