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【第三話】始動! 迅竜

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【第三話】始動! 迅竜

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 Pi……Pi……Pi……。
 切れかけのエネルギーでかろうじて鳴る接近警報で、友の到着を察したエクスは唯斗に告げる。
「来るぞ……」
「ああ……かけがえのない友が……俺の親友が来てくれた……!」
 直後、魂剛のすぐ近くに何かが激突する。
 まるでミサイルのように凄まじい速度で飛んできたのは、一頭の巨大な漆黒の馬。
 馬の形に造られたイコンは、魂剛へと歩み寄って来る。
『唯斗……助け……来……ぜ……手……伸……せ……』
 垂の声が途切れ途切れに通信機から聞こえたのを受け、唯斗は操縦桿とペダルを倒した。
 僅かに残った最後のエネルギーを振り絞り、魂剛は這いつくばって漆黒の馬へと近付く。
 漆黒の馬も魂剛へと歩み寄り、やがて魂剛の伸ばした腕へと蹄が触れる。
 その瞬間、漆黒の馬は自らのエネルギーを魂剛へと分け与えた。
 親友の機体からのエネルギーが流れ込み、一気に魂剛のシステムが回復していく。
 エネルギー残量を示すグラフが半分まで回復した所で、魂剛は立ち上がった。
「これだけあれば十分だ。感謝する、親友よ」
 すぐさま回復したモニターに垂の顔が映る。
『いいってことよ。もう後はわかるよな――』
『――ああ、承知』