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【第三次架空大戦】這い寄る闇

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【第三次架空大戦】這い寄る闇

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「私はスパイじゃない!」
 昼休み。お弁当を広げようとしていたリリー・アトモスフィアの叫びが、教室に響く。
 ミレリア・ファウェイがちょうど不在の昼休み。いじめ権を持っているミレリアがいないため、他の生徒がリリーをいじめていた。
「いい加減にしてよね!」
 と、教室に大きな声が響く。と同時に「委員長……」というざわめきが起きた。
 それはクラス委員長の小鳥遊 美羽(たかなし・みわ)の上げた声だった。
「リリーがスパイだっていうのは、何の証拠もない、ただの噂だよね。そんな噂話に乗せられて、クラスの仲間をみんなでいじめるなんて……ヘルガイアより最低だよ!」
 美羽はそう言うと、リリーの手を掴んで、「行こう!」ときっぱりと言って、教室を出ていった。
「美羽さん!」
 そして友人のベアトリーチェ・アイブリンガー(べあとりーちぇ・あいぶりんがー)が、美羽とリリー、そして自分の弁当を持って後をついていく。
「皆様に一つ問い掛けさせて頂きたいのですが……皆様方は一体『何』と戦っていらっしゃるのですか?」
 そう言ったのは黒い目隠しをした転校生の少女、中願寺 綾瀬(ちゅうがんじ・あやせ)。彼女の問に、生徒たちは何も言えず黙ってしまう。
(……これが勇者? これが国軍? 正義を冠する組織の人間が全員ではないとは言え、仲間を信じる事を出来ないとは……滑稽ですわ)
 そう小さくつぶやくと、綾瀬は一人教室をあとにした。
 綾瀬が纏う漆黒の ドレス(しっこくの・どれす)が、ふわりと揺れる。
「わかっているわ……」
 綾瀬は小さくそう頷くと、そのまま黙ってしまった……