波羅蜜多実業高等学校

リアクション

序章　世界を壊す覚悟

「ふぅ……準備完了じゃ」
今回の作戦に参加してくれる冒険者が集まった大広間で何やら怪しげな魔道陣を描くのはアーデルハイト・ワルプルギス（あーでるはいと・わるぷるぎす）。
「なんか物騒な魔法陣ですぅ」
横で不安に顔を歪ませているのはエリザベート・ワルプルギス（えりざべーと・わるぷるぎす）である。
「そんな顔するのではないぞ。安心せい」
アーデルハイトは冒険者の方を向き、話を始めた。
「こほんっ。今回は魔道書の中に作られた世界を壊すことが目標じゃ。しかし、その世界を創り出した者も想いがあっての事じゃ」
冒険者は各々考える事があるようで複雑な表情をしていた。
「それを、おぬしらが持つエゴで破壊するのじゃ。覚悟はできているか？」
そう問うと冒険者は深くうなずいていた。
「ふむ、表情を見ると大丈夫そうじゃの。後は任せたぞ」
アーデルハイトが魔法陣を起動すると、作戦通りに冒険者たちは動き出した。
「……魔道書に囚われた者たちを救ってやるんじゃ」
「あの人達なら大丈夫ですよぉ」
こうして世界を賭けた戦いが始まったのである。