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失われた絆 第1部 ~火花散る春の武道大会~

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失われた絆 第1部 ~火花散る春の武道大会~

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■終幕:終わる祭り

「まだまだ若い駆け出しの冒険者から熟練の腕の立つ冒険者たちと幅広く参加してくれたことを嬉しく思うのである。今後はさらなる研鑽を積み、己の目標を達成してもらいたい」
 馬場の挨拶が終わり、各部門の優勝者が表彰台に上がった。
 参加者たちはくやしそうな面持ちで、またあまり関心がないのか普段と変わらぬ顔つきで彼らの後ろに整列していた。
 ワアアア、と歓声が上がる。
 武道大会は盛況のまま幕を閉じた。

                                   ■

 会場から離れたどこかの建物の屋上にハデスたちの姿があった。
 デメテールが手に入れてきた書類を読みながら彼は笑う。
「フムフム……フハハハハ! なるほど久瀬はゴアドー島からニルヴァーナに向かおうとしているのだな。しかも人体実験の施設が目的地だと。これは僥倖ではないか、我らがオリュンポスの怪人たちがさらなる進化を遂げることも不可能ではない!!」
「あ、あの、ハデス様……でもこれ……危なそうですよ?」
 アルテミスが書類の一枚を手にして言った。
 それを見てハデスは頷いた。
「そのことはおいおい考えるとしようではないか……クク、フハハハハハ!」
 ハデスの高らかな笑いが街に木霊した。