リアクション
■エピローグ
あの事件から幾何かの時が過ぎた。
クルスシェイドの消息は不明だが、彼によって起こされる事件は無くなった。捕獲されたアームズタイプは未だ口を割らないが、もともと言語機能がついていないみたいだ。
ともかく、事件は解決を迎えたらしい。
平和な日々が戻ってきた。ただ……彼だけは戻ってきていない。
――イルミンスールの森、小さな小屋の中。家主のミリアリアは机の紅茶を一口飲んだ。対面にはまだ誰も口を付けていないコップが一つ。
「……今日もか?」
「モニカ……」
傍らに立つ妹のモニカ。姉が心配で、休みを取ってこちらに戻ってきていた。
「偶には外の空気を吸って来たらどうだ?」
「そうね……でも、止めておくわ」
気遣ってくれるのは痛いほどわかる。それでもミリアリアはじっと、その場を動かない。
モニカもミリアリアの気持ちがわかり、それ以上は何も言わない。静かに自分の紅茶を入れる。
「……冷めてしまっているな」
「……そうね。淹れ直すわ」
立ち上がり、新しい紅茶を用意する。
いつ帰って来てもいいように。
ミリアリアは今日も待ち続けている。
無垢な笑顔。純真な心。大事に思う人が目の前で笑ってくれる、そんな日を。
いつか彼が、もう一度あの言葉を言ってくれる気がして。
彼女は信じているのだ。
今度は笑って迎えてあげよう。
「お帰りなさい……クルス!」
と――
はじめましての方、お久しぶりの方、ゲームマスターのAiryです。
この度は代筆ということでこのシナリオの執筆をさせて頂きました。
秋みかん様のシナリオをお楽しみだった皆様のご期待に沿えるかわかりませんが、いつもの馬鹿コメディな小生とは違い、シリアスかつバトルな内容となっておりますので、その部分を楽しんで頂けますと幸いです。
シナリオに関しまして、第二部完結という流れになっております。
いささか歯切れの悪いラストとはなっておりますが、今後、もしかしたら、続きがあるかもしれませんし、ないかもしれません。
ハッピーエンドになるか、バッドエンドになっているのか、想像を膨らませるのも楽しいのではないでしょうか。
また、小生の読み込み不足で「なんか設定がおかしいぞ?」と思われましたら、ご意見など頂けますと幸いです。
それでは短いですがこの辺で。
次の機会にお会いいたしましょう!
本当にありがとうございました!