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機工士少女奮闘記

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機工士少女奮闘記

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「――さて、キレイにまとまったところで仕上げといかせて貰うぜ?」
 シャウラ・エピゼシー(しゃうら・えぴぜしー)は部屋の梁を伝って、動けなくなったアンズーの頭に飛び乗った。
 ダメ押しに闘気の一撃で動きを抑え、雷を纏った拳でコックピットをこじ開ける。
 派手女に向けてヒラヒラと手を振ってみるが、ブツブツと独り言を繰り続けていて反応がない。
「冗談じゃない……負けてなんかないですわ……私の、夢は」
 虚ろな瞳でレバーを動かし続けている。
 シャウラはコックピット内部をざっと見回して、
「……手段がちと強引すぎたんだろ。頭を冷やしても少しマシな手を考えな」
 機晶爆弾を投げ込んで駄々をこねるように動き続ける期待から一息で飛び降りる。
『私は、私たちの野望は――!』
 炸裂音が響き渡り、アンズーはその動きを止めた。

「無茶するわね。手とか足とか、痛くない?」
「なあに、大したこたねえ。オトコノコだからな」
 心配そうに声をかける理子に、シャウラは痺れた手先をポケットに隠して強がりを返す。
「――あの、大丈夫なんですか、あのひと」
「威力は抑えたし、パイロット用の安全装置も確認した。ま、しばらくは夢の世界だな」
 敵であった相手を心配するリーナに、安心させるようにシャウラは答えた。
 機能を停止したアンズーから引きずり出された派手女は爆音と衝撃で目を回していたが、体の傷はさほどでもない様子だった。


     /


 戦闘が終わり、彼らは隔壁の解除作業へと戻る。
 これ以降に大きな問題は発生せず、それほど時間も経たずにロックは解除された。
 ――隔壁が開かれる。
「これは……」
 誰ともない呟き。
 隔壁の向こうには広大な空間があり、その空間をを埋め尽くすほどの威容を持つ『宝』が鎮座していた。
「本当に……本当にあったんだ」
 リーナが驚嘆した震え声で口にする。
 そこにあったのは、とても巨大な。


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「おめでとう。やったわね!」
「ありがとうございます、ルカルカさんも」
 ルカルカ・ルー(るかるか・るー)は遺跡から戻ってきたリーナたちと手を叩いて喜び合う。
 ルカルカは街に残り、防衛と三人組についての調査のために動き回っていたのだった。
 売買の書類を足掛かりとして三人組が所属している組織の正体を掴み、その悪辣な手法を洗い出した。
 強引な取引や、暴力による恐喝、法によって裁かれるべき過ちを徹底的に。
 地味な仕事ではあったが、その功績によって組織の上層部を拘束、街への買収は撤回させられることとなった。
「気にしないで、これが仕事だもの。ところでお宝ってなんだったの?」
「それはその、なんていうか……大きな、すごく大きな『船』でした」
「船?」
「はい。機晶技術で作られた飛空戦艦だと思います。武装は解除されていて見つかりませんでしたけど、状態は悪くなくて」
「飛行戦艦、か。そう……」
「……あの、やっぱり街のものとして使うのはマズいですか?」
「ん? いいんじゃない? 一つの街が武力を持つのは問題だけど、飛空艇そのものは珍しいって程でもないし。色々と手続きは必要だけど、観光資源として認められると思うわ」
「ホントですか!」
 ルカルカの言葉にリーナは目を輝かせる。
「ならば修復を手伝おう。ただのオブジェにしてしまうのも勿体ないことだ。短時間でも飛べるようにすれば客も取れるだろう」
「ありがとうございます!」
 ダリル・ガイザック(だりる・がいざっく)の提案に、リーナが感謝の言葉を返した。
「礼は不要だ。古代技術による飛空戦艦となれば、俺も興味があるからな」
「はい! その、私ってまだまだ半人前なので、色々と教えて貰えますか?」
「……ああ、構わんよ。俺でよければ力を貸そう」


 ――その後、彼らの手によって修復された飛空戦艦はこの街の象徴となる。
 街に住む老機工士たちの協力もあって艦は観光船として活用される程となり、一部では『艦(ふね)の街』という通り名でこの街を語る熱狂的な愛好者たちも生まれたそうだ。


「ああっ、またやっちゃった!」
 その街の片隅で、今日もリーナは元気に爆発している。
 彼女の機工士としての道は、まだ始まったばかりだ。

担当マスターより

▼担当マスター

和式燐寸

▼マスターコメント

うーん、このキャラってこんな台詞でいいのかなぁ、話が上手くまとまらないよう……は! ゆ、夢か。(よだれフキフキ)
どうも、和式燐寸と申します。単なる夢とも言えませんね。不徳の致すところです。

相変わらず色々と拙い文章ですが、楽しんでいただけたでしょうか。楽しんでいただけたなら当方それ以上の喜びはありません。
ちなみにシナリオガイドの『ブリーゲルの倅』とはリーナのことです。「未成熟な跡継ぎ」的な意味で使用したつもりでしたが、結果的にわかりにくい表現になってしまったかもしれません。精進せねば。

アクション希望の解釈やキャラクターの関係性についての理解など、不満を感じられるところもあるかと思います。
気になった部分にはツッコミ入れていただければ、反省し今後の糧とさせていただく所存です。
というか今回は提示の仕方に問題があったのか、全体的に希望行動がバラついてしまってようで大変申し訳ありません。

『師匠』に関してですが、死んでいるワケでも設定を考えてないワケでもありません。
いい歳して「世界を見てくる」と工房をリーナに任せて旅立ったアグレッシブな爺さんです。
「凄いお宝」の話に関しては勘で適当ぶっこいてた部分もあるとか。結果オーライ。
あとは三人組に関しても細かい設定があったりしますが――今後の出番も未定ですし、割愛することにしましょう。

それではここまでお付き合いいただき有難うございました。
またお会いできることを祈りつつ。