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【第十一話】最終局面へのカウントダウン、【第十二話(最終話)】この蒼空に生きる命のために

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【第十一話】最終局面へのカウントダウン、【第十二話(最終話)】この蒼空に生きる命のために

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 同時刻 レティーシア家私設ドック付近
 
 ドライは既に余裕の心境だった。
 “カノーネ”のゴルトタイプが持つ圧倒的な大火力による絨毯爆撃。
 それによってレティーシア家私設ドックの一部を破壊したのだから。
 
 漆黒の“カノーネ”が銀色の“カノーネ”相手に奮戦しているが、無駄な足掻きだ。
 何せ、既に目的の半分は達せられているのだ。
 
 金色の“カノーネ”を駆るドライが破壊したのは戦艦整備用のスペース。
 察するに当たりだったようだ。
 前回の教訓を活かし、彼は天敵である艦竜を滅するべくそこを狙った。
 
 果たしてその目論見は成功し、艦竜のウエポン・モジュールは盾竜とのドッキング前に破壊されたのだ。
 幸い、人員は全員避難して死傷者はゼロだが、そんなことは彼は知る由も無いし、知ったところでどうでもいいことだ。
 
 ――だから。
 
 破壊したはずの艦竜が平然と出撃し。
 あまつさえ、前回以上の戦闘力を以て襲いかかってきたことなど。
 彼は最後の最後まで信じられはしなかった。
 
 現れた艦竜の機体を構成していたのはパイロットであるローザの仲間――ホレーショ・ネルソン(ほれーしょ・ねるそん)が艦長を務めるHMS セント・アンドリュー
 
 これこそがローザマリアの考案した艦竜の強化プランにして更なる進化系。
 ――艦竜・インヴィンシブル・モード。
 
 ドライの乗る“カノーネ”に対し叩き付けるのは、究極とも言うべき殲滅射撃。
 それを受け、ドライの“カノーネ”はなすすべもなく、ただ一方的に撃墜された。