リアクション
14ターン
『さあ、現在、天城一輝選手がトップを独走中です。
それを追う神代明日香選手、パラミタ天然伊勢エビ君に遭遇しましたが、華麗なパイロットテクニックで注意を逸らします。
おっと、そこへ、綺雲菜織選手がやってきた。
パラミタ天然伊勢エビ君、興味を綺雲菜織選手の方にむけた。
その間に、神代明日香選手難なく離脱していきます』
「ねえねえ、あれ何?」
綺雲菜織の背中にひっついていた彩音・サテライトが、神代明日香を追いかけて巨大なハサミを持ちあげているパラミタ天然伊勢エビ君を見て指さした。
「しっ、気づかれないうちにこちらは逃げ……ああっ、見つかってしまったか!」
パラミタ天然伊勢エビ君が神代明日香を追いかけている間にすり抜けようとしていた綺雲菜織だったが、逆に彩音・サテライトの声に気づいたパラミタ天然伊勢エビ君に追いかけられるはめとなってしまった。
「しっかりつかまっているのだぞ」
パラミタ天然伊勢エビ君の行動を予測しながら、綺雲菜織が飛空艇を操縦していく。振り落とされないように、彩音・サテライトがその背中にぴったりとくっついた。
『綺雲菜織選手、なんとかパラミタ天然伊勢エビ君から逃れてきました。
それでは、カメラをパラミタ天然伊勢エビ君の手前に移動させましょう。
こちらでは、カレン・クレスティア選手を先頭に、緋桜ケイ選手が刻一刻と最終カーブに近づいています。
それを追うのは、皆川陽選手、そして、ハーリー・デビットソン選手です。
さあ、ラストグループはどうなっていますでしょうか。
こちらは、やっと悪天候エリアに突入する直前です。この先には、チアたちが待っています』
「なんだって、チアガールだってえ? これは、突風でスカートがめくれてパンチラのちゃあーんす!」
『おっと、南鮪選手、何やら魂のどこかに火がつきました。多少勘違いしているような気もしますが、黙っておきましょう。笹野朔夜選手を引き離して、先に悪天候ゾーンに突入して立ち往生している秋月葵選手にむかって駆け寄っていきます』
「いやあああああ!!」
『秋月葵選手、避けました。当然ですね』
パラミタイルカのジャンプで南鮪を避けた秋月葵だったが、竜巻にあおられて海中に叩き落とされる。これまでかと思われたが、パラミタイルカが力強く再び海面に顔を出した。全身びっしょりだが、秋月葵と魔装書アル・アジフもまだしっかりとその背中にしがみついている。
「ふっ、もうあのパンツは見飽きたぜ。俺は、もっと凄いパンツに会いに行く! おねーさーん!!」
足につけたスワンピークラッグの横側に配した羽根つきのダッシュローラーを回転させると、南鮪が一気に加速した。
『南鮪選手、口だけの男ではありません。本当に一気に悪天候エリアを駆け抜けました。もう、誰もこの男を止めることはできないのか』
「フレーフレー、パンティー番長ー」
「おねーさーんのパン……うぼあ!!」
悪天候エリアを抜けた南鮪であったが、そこにずらりとならんだチアボーイズのパンツを見て、思わずのけぞった。
唯一本物のチアガールである綾原さゆみはさっき溺れてしまったので、現在アデリーヌ・シャントルイユが舞台裏で治療中である。
『ああ、予想通りです。南鮪選手、チアボーイズにダメージを受けています』
「いや、考えるんだ。パンツに上下の貴賤なし。これはこれで……」
南鮪が、思考を切り替えた。いや、本当に切り替えられるのか!?
★ ★ ★
『さあ、お待ちかねの順位ですが、南鮪選手が煩悩全開で順位をあげた他は今のところ変化がありません』
1 天城一輝
2 神代明日香
3 綺雲菜織 彩音・サテライト
4 カレン・クレスティア
5 緋桜ケイ 悠久ノカナタ
6 皆川陽 テディ・アルタヴィスタ
7 ハーリー・デビットソン
8 △南鮪
9 ▼秋月葵 魔装書アル・アジフ
10 笹野朔夜