校長室
【蒼フロ3周年記念】インタビュー・ウィズ・コントラクター・スペシャル
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43)博季・アシュリング(ひろき・あしゅりんぐ) 博季・アシュリング(ひろき・あしゅりんぐ)に、 トッドさんがさっそく質問する。 「ようこそいらっしゃいました。 まずは、最初の質問です。 あなたの大切な方はどなたですか? その方について、そして、どう思っていらっしゃるか、 なるべく具体的に教えてくださらない?」 「勿論、妻のリンネ・アシュリング(りんね・あしゅりんぐ)さんです。 頑張り屋さんで、どんなときでも前向きで。 強くてしっかりしていて。でも何処か抜けていて。 可愛くて可憐で、それでも強い。 一人の人間として、彼女を尊敬しています。 そして、凄く愛おしく思います。 ……まぁ、難しい事抜きに愛してます」 「まあ、ごちそうさまですこと。 続いてはこちらのお写真をご覧になって」 【イベカ2021】『貴女に捧げる誓い』 「エリュシオンでの修学旅行の時のお写真ですね。 今はご結婚されている博季さんとリンネさんですが、 なれそめについてじっくり聞かせていただけないかしら?」 博季は、はにかみながら続ける。 「どこから話したものかな……。リンネさんは、初恋の女性なんです。 イルミンスールにお世話になってすぐに出会って……、 といってもすれ違っただけなんですが。一目惚れでした。 でも彼女を知って、冒険したり一緒に過ごしていく中で、もっと好きになって。 ……一度は叶わぬ恋と諦めようと思ったんですが、諦められなくて。 全てが始まったのは、精霊祭の時でした。 お疲れだった彼女を労って差し上げて、偶然一緒にお祭りを回ることになって……。 「叶わなくてもいい。僕は彼女を好きだって知っていて欲しい」って思ったんです」 「まあ、それは、せつなかったわね」 トッドさんが言った。 遠くを見つめて、いとおしい人の面影を思い出しながら。 博季は続けた。 「僕の気持ちをお伝えしたのは、シャンバラが東西に分かれた時でした。 「リンネさんはどうしたいのか、何を願うのかを教えて欲しい。 僕はリンネさんを守りたい。僕はそんなリンネさんの事が大好きだから」って。 正直言って、お返事は期待してなかったんです。 ただ、知っていて欲しかった。貴女を応援してる人がいるって。 貴女は素敵な人なんだって。 でも、リンネさんは喜んで受けてくれて。 ……こんな感じですかねー……?」 最後、すこしおどけたように、博季は言った。 「まあ、ロマンチックなお話ね。 リンネさんのこと、これからも大切になさってね」 トッドさんは、にっこり微笑んだ。 「もちろんです! ずっと、一生、幸せにしますから」 博季は、さわやかな笑みを浮かべた。 「次の質問は、リイム・クローバー(りいむ・くろーばー)さんからです。 皆様は夢のために誰かと争う事をどう思いまふか? 相手を打ち負かし、そして自分の道を進むのは果たしていいことなんでふか? とのことです」 「……直接相手と争わなくても、必ず何処かでは誰かと比べられてしまいます。 だから良くも悪くも、自分の選んだ道で自分のなりたい自分になるしかないと思います。 その道に間違いなんて無いと思います。 自分の理想を実現出来るのは自分だけですから」 その身に、激情を秘める若き魔術士は、そう、強く優しく言った。 「最後に、国頭 武尊さんからの質問です。 異種族との恋愛や結婚について、 「地球出身の出演者全員」にどう考えているか答えて貰いたい ということです」 「僕らは感情の生き物です。愛は成立すると思います。 価値観の違いを埋めるのは難しいけど」 考えながら、でも、希望を込めて博季が言った。 「だって理屈で誰かを好きになるわけじゃない。 どちらかといえば好きな理由を後からつけているんですから」 「なるほど、強い覚悟を感じられるお言葉ね」 トッドさんがうなずいた。 「リンネさんとお幸せに!」 「ありがとうございます」 トッドさんに、博季は祝福され、送り出された。