波羅蜜多実業高等学校

リアクション

横須賀崩しR
AM10:00（タイムリミットまであと14時間）

「――それでは今から、『横須賀崩しＲ』を始めます！」
　宇都宮　祥子（うつのみや・さちこ）が高らかに宣言した。
　彼女の隣で、うっとりとそれを見つめているのは同人誌　静かな秘め事（どうじんし・しずかなひめごと）。
　イオテス・サイフォード（いおてす・さいふぉーど）も、顎に手を置いて嬉しそうにそれを眺めている。
　彼女たちは、死人だった。
　横須賀基地の襲撃を企て、それが失敗して攻撃された。
　しかし彼女たちは復活した。
　そして再び、基地への襲撃を目論む。
「ア、あぁ……ダメ、だ……」
　そんな彼女たちの前に、肉塊が現れた。
「駄目でした。美羽さんたちは、突破できなかったようです」
　肉塊の言葉を補足するのはベアトリーチェ・アイブリンガー（べあとりーちぇ・あいぶりんがー）。
　ベアトリーチェの言葉に頷くように揺れる肉塊。
　よく見れば、それは手足も、顔もある。
　ただし、通常の人間より数が多い。
　小鳥遊　美羽（たかなし・みわ）がコハク・ソーロッド（こはく・そーろっど）に接ぎ死されたものだった。
　二人は高速移動で基地に先行しようとしていた。
　しかしそれが適わなかった今、祥子たちと共に基地への潜入を試みる。

　全ては、死人の世界のために。
　二人のために。