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レターズ・オブ・バレンタイン

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レターズ・オブ・バレンタイン
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リアクション

48)

空京の聖アトラーテ病院で。

山葉 加夜(やまは・かや)は、
夫である山葉 涼司(やまは・りょうじ)のお見舞いにやってきていた。

「おう、加夜!」
病室の涼司が、明るく手を振る。
「涼司くん、具合はどうですか?」
「おまえの顔見たからな。一気に治っちまったぜ」
そう言って、立ち上がろうとして、涼司は顔をしかめる。
「いてて。さすがに無理か」
「もう、そんなに焦らないでくださいね」
しかし、加夜は、涼司の表情を見つめ、少しだけほっとしていた。
(お医者さんのお話だと、
チョコレートを食べるくらいなら大丈夫ってことでしたし。
……こうして、お話ができるようになって、よかったです)
しばらくの間、意識不明の状態が続いていた涼司だが、
ここまで回復してきているのだ。

「なあ、今日って、バレンタインだよな」
涼司が、頬をかきながら言った。
「いや、加夜はさ、俺にチョコレートとか用意してきてくれてるかなって思ってさ」
涼司の言葉に、
加夜は、瞳を輝かせた。
「はい、もちろんです!
手作りの生チョコです。
口どけも滑らかで一口大に切ってあるので食べやすいかなって」
抱きつきたいのを我慢しながら、
加夜はチョコレートを取り出した。
「やった。今日を楽しみに、頑張ってたんだ」
涼司が、にっと歯を出して笑った。

加夜は、チョコレートの包装を開けると、
そっと周囲を見渡した。
幸いにも、病室は個室で、看護師の姿はない。
「涼司くん、お口開けてもらえますか?」
「ああ」
「はい、あーん」
ぱくりと涼司がチョコレートを口に入れる。
「うん、美味い!」
「よかったです。ありがとうございます」
「こっちこそ」

涼司は、そっと、加夜を抱き寄せてキスした。
キスは、チョコレートの味がした。

「ありがとうな」
笑顔で、涼司は、加夜の髪をなでた。

「ほんとはもっといろいろしたいんだけどな」
「ふふ、涼司くんたら」
怪我をしているから、ぎゅっと抱きしめることはできないけど。
加夜は、穏やかな幸せを感じていた。

さわやかな風が、カーテンを揺らし、
そっと、光が差し込んできていた。

担当マスターより

▼担当マスター

森水鷲葉

▼マスターコメント

『レターズ・オブ・バレンタイン』にご参加いただき、誠にありがとうございました。

このたびは、リアクション公開に大幅な遅延を発生させてしまいましたこと、
大変申し訳ありませんでした。
バレンタインデー頃の公開を楽しみにしてくださっていた皆様、
お約束をたがえてしまい、誠に申し訳ございません。

今後、こうしたことのないよう、努めてまいります。
何卒よろしくお願いいたします。



このたびは、初めての試みであったこともあり、
シナリオガイドに説明不足がございましたこともお詫びいたします。
そのため、交流の場所を指定していらっしゃらないアクションなど、
こちらでアドリブで書かせていただいた箇所がございますが、
何卒ご了承お願いいたします。



最後になりますが、暖かいメッセージをお寄せいただいた皆様、誠にありがとうございます。
今回のお手紙のご送付というシナリオの体裁上、
また、大きく遅延をしてしまいましたことから、
個別メッセージのご送付は必要最低限とさせていただいておりますが、
すべて、大切に拝読しております。

それでは、今後も、何卒よろしくお願いいたします。