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お月見の祭り

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お月見の祭り
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 神崎 優(かんざき・ゆう)神崎 零(かんざき・れい)は、小舟を借りて月を眺めていた。
 優はお腹の大きくなった零の身を心配していたのが、零が「どうしても」とお願いしたため断れず、こうして二人で月見に参加している。
「優、今日はこうしてわがまま聞いてくれてありがとう」
 体を冷やさないように暖かい格好をした零は、そう言って幸せそうに微笑んだ。
「こうして二人でゆっくりと過ごすのも久々だな」
 月の光に照らされる零の姿が綺麗で、優は零に微笑み返しながら優しく見つめた。
 今、零は優の子供を宿している。そのことが、この上ない幸せでもあった。
「零……」
 優は零のことを優しく抱きしめる。
「零と出会って好きになって結婚して……今、改めて幸せを実感している。だから俺はハッキリと言える。零の事を誰よりも好きで愛していると」
 想いを伝えながら、優は零の温もりを感じる。
 こうして一緒にいてくれることが、本当に幸せで、愛しくて。
「この幸せが何時までも続くように、そして生まれてくる子供の為にも俺は自分の信じた道を進んでいく。これからも俺の傍で支えて欲しい」
 そんな優の言葉を聞いた零も、また、同じ気持ちを抱いていた。
「私、今凄く幸せ。初めて好きになった人と結ばれて、その人の子供を宿して。だから私もハッキリと言えるよ。世界中の誰よりも優の事が好きで愛しているって……」
 そう言って、零は自分の身を優に持たせかける。
「だから私の事離さないでね」
「もちろんだよ……」
 優と零は、言葉で確かめた想いをなぞるように、幸せなキスをする。

 空と池に映る二つの月だけが、幸せな時間の中で寄り添い合う二人を見ていた。