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リアクション
2
会議の場から退席したコリマに、近づいてくる人物がいた。
アルコリアである。
「ハロハロ、コリマこーちょーいまいいですー?」
(構わんが、なんだ……)
「ミレリアちゃんの反寺院のシンボル……あれは自分の意志でやっていることなんでしょうか?」
(いや、アメリカの思惑だ。ミレリアの恩赦自体は戦力がほしい天御柱の事情のゆえだが、アメリカがそれに乗った形になる)
その言葉を聞くとアルコリアは目を細めて殺気を放った。
「……そうですか。必要が在れば輩にも斬りかかる戦闘狂の為に、戦う動機を用意しないことを祈っておりますわ」
(ミレリアが反寺院のシンボルになれば、彼女の故郷が寺院に狙われるかもしれない。そのリスクは私も理解している。だが、ミレリアの影響力は大きい。それを放置しておくほど、あるいは死蔵しておくほどアメリカも余裕はない。寺院には実際手を焼いているのだよ)
「それはわかりますけどね……ミレリアちゃんの意思を曲げてまでやらせるようなら、私はアメリカ相手に戦争を売りますよ? 私の実力ならイーグリットだって余裕で落とせます。ましてや、地上の軍隊なんて相手になりませんよ? 私と、異界の言語で記された私の魔術書があれば、この戦闘狂は国一つ滅ぼせますよ〜」
(恐ろしいことをいう)
だが、それはブラフではなかった。アルコリアの魔力なら契約者ですらない地球人など万単位で殺戮できるだろう。
「私を止められるとしたら、そうですね〜今日会場に居たメンツをこっそり見ましたけど、ルカルカ・ルー(るかるか・るー)、ダリル・ガイザック(だりる・がいざっく)、四谷 大助(しや・だいすけ)ぐらいですかね〜。悪いですけど、コリマこーちょーじゃ、相手にもなりませんよ?」
(それはそうだろうな……心しておく)
「ミレリアちゃんを泣かせるようなら、容赦しませんからね?」
(うむ……アメリカには蒼空学園と天御柱学院から意見しておく)
「よろしくおねがいしますね〜」
アルコリアはそう言ってクスクス笑うとその場を立ち去っていった。
コリマは冷や汗を書いている自分を認識した。
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