葦原明倫館

リアクション

ミサイル第5波



「杏さん、ミサイル第５波接近！」
　橘　早苗（たちばな・さなえ）がパートナーの葛葉　杏（くずのは・あん）に報告する。
「紫月さんたちばかりに任せてるのも何だし、ここは私が前に出る！」
「了解！　《超人的肉体》、《超人的精神》、《ダメージ上昇》、コームラント、出ます！」
「たとえ演習でも、他の学校に負ける訳にはいかないのよ！　《加速》、《心眼》、そして《急所狙い》で誘爆を狙う！」
　早苗はコームラントを前に出すと、超人的な処理能力でミサイルの雨の中に機体を飛び込ませミサイルポッドのミサイルのロックを行う。
「しょ、処理が追いつきません〜」
　あまりのやることの多さに早苗が泣き言を言う。
「がんばって、早苗！　あなたならできる。大丈夫！」
「あ、杏さん！！　がんばります。わたしがんばります！」
　尊敬している杏に励まされ、信頼されているという喜びが早苗に力を与える。
「ミサイルロック完了。いつでも発射できます！」
「よし、ミサイル全弾発射。第一弾、ファイア！」
　ミサイルポッドからミサイルが飛び出し、敵ミサイルの先頭に接触する。
　たちまち爆発を起こしその爆発が誘爆を誘う。
「続いて第二弾、ファイア！」
　杏がミサイルを発射すると、第一弾で取り残したミサイルたちが爆発する。
「計算OK。いつでも発射できます！」
「了解！　第三弾発射！」
　そしてミサイルをさらに吹き飛ばす。
「最終修正完了！　杏さん、最後にばーんと花火を上げてください！」
「わかった。いっけえええええええええ！」
　最後のミサイルが敵ミサイルの群れに向かう。それは残ったミサイルを撃墜することに成功する。
「でもどうします？　ミサイルは使いきったし同じ手は使えませんよ？」
「あえてここは突っ込む！　早苗、ビームシールド展開！」
「了解。　ミサイル第6波接近します！　《不屈の闘志》！　絶対に、負けません！」
　早苗は杏の指示に従って機体をミサイルの雨に突入させる。
「みんな、食べ残しは任せたわよ！」
　ミサイルの群れに突っ込むコームラント。
　第一弾命中。しかしダメージは受けない。
「コームラントの装甲を甘く見るなあああああああああ！」
「取りこぼしは引き受けた！　ソニックブラスターオーバードライブ！」
　和希のギターが敵のミサイルを撃墜する。
「ベアトリーチェ、聡、加夜さん、行くよ！」
「了解です、美羽さん！」
　小鳥遊　美羽（たかなし・みわ）の指示でパートナーのベアトリーチェ・アイブリンガー（べあとりーちぇ・あいぶりんがー）がガトリングガンとミサイルポッドを同時に発射する。多数の弾丸が同時にミサイルに命中する。
「おっけー！　行くぞサクラ！」
「はい！」
　そして聡がコームラントの大型ビームキャノンでミサイルの群れをなぎ払う。
「ノア、チャフとフレア！」
「了解だよ〜」
　火村　加夜（ひむら・かや）がノア・サフィルス（のあ・さふぃるす）に指示を出した。チャフとフレアがばらまかれ敵ミサイルの命中率が下がる。
　だがそんな事で加夜は慢心しない。
「マジックカノン、発射！」
　マジックカノンで一発一発確実にミサイルを撃墜していく。
（「ここで自称反陽子爆弾を使えたら……」）
　たしかに楽だろう。だが、もっと敵が密集していないと意味が無い。それ故加夜は我慢する。

　第二弾命中。しかしコームラントの装甲の前にはなんの役にも立たない。
「かすっただけ！」
　杏はさらに突き進む。
「みんな、ミサイルをたたき落として！　飛空艇がやられたら補給ができない。そうなったらジリ貧だよ。がんばって、ここで諦めたらいけない！」
　リカイン・フェルマータ（りかいん・ふぇるまーた）が『月の宮殿』で通信回線を開いて《激励》を飛ばす。
「よし、やってやろうじゃないの」
　それを受けて、シルフィスティ・ロスヴァイセ（しるふぃすてぃ・ろすう゛ぁいせ）が張り切る。
「《ロングハンド》ぷらすぅ《真空波》！　いっけえええええ！」
　真空によって切断された空間の壁が多数のミサイルを食いちぎる。
「まかせたまえ！　えっへん！　って、この装備じゃ空に届かないんだよねえ！！　ああ、ソニックブラスターもってくればよかったあああああ！」
　グレン・ヴォルテール（ぐれん・う゛ぉるてーる）が叫ぶ。彼女のヴァラヌス鹵獲型が装備していたソニックブラスターとミサイルポッドは飛空艇改造のためにおいてきてしまった。それ故今の装備では空まで届く射程の武器がない。
「ミサイルくるよ！　エクスは10時の方向ヨロシク。ディミーアはアタシと11時の方向！」
　セラフ・ネフィリム（せらふ・ねふぃりむ）が姉妹のエクスとディミーアに指示を出す。
　セラフは赤いパワードスーツを着ている。
「了解！　お姉ちゃん。任せて！」
　エクス・ネフィリム（えくす・ねふぃりむ）は青いパワードスーツを着ている。
「やっぱり全ては防げないわね……来るわよ！」
　ディミーア・ネフィリム（でぃみーあ・ねふぃりむ）は緑色のパワードスーツを着ている。
　三人は対神像ロケットランチャーを発射する。
　それは違う事無く命中し、ミサイルの群れを撃沈せしめる。

「ふむ。Ｓ＠ＭＰは闘う音楽団としてはそれなりの評価を集めてるようだねえ」
　花音が言う。
「しかしもっと評価を集めないと音楽者としてやていけないのは事実。ソニックブラスター一斉攻撃！　敵がミサイルによる面の制圧ならば、こちらも音波による面の制圧を狙いますよ！」
　リュート・アコーディア（りゅーと・あこーでぃあ）がそういうので、花音のボーカルがソニックブラスターを通して面制圧を行う。
　ミサイルを大量に巻き込んで爆発する。

「しつこいんだよ！　離れろ！」
　四谷　大助（しや・だいすけ）が運用するクェイルのソニックブラスターからグリムの歌が流れる。
　それはミサイルを一斉に巻き込んで大きな爆発を起こす。

「よし！　【応龍】出る！」
　神条　和麻（しんじょう・かずま）がそう言って前に出る。
　そしてスナイパーライフルで一発一発、ミサイルを撃墜する。
「OK！　【ナグルファル】ファイナルアタック！　フルファイア！」
　斎賀　昌毅（さいが・まさき）が、大型ビームキャノン、ショルダーキャノン、ヴリトラ砲、ミサイルポッドを一斉に発射する。

「よし、アポロン、こっちも全弾発射！」
「OK、フレイ！」
　そして『月の宮殿』も登載している全弾を発射して、それは大量のミサイルを破壊し、ついには全てのミサイルを破壊した。