リアクション
突撃! ソウルアベレイタートップのお部屋!?
「こっそり失礼しますよーっと」
「ピッキングもなしで入れる部屋だし、ただの空き部屋だと思うけれど」
万魔殿に進入し、こそこそと隠れつつ独自に調査をしていたのは鎌田 吹笛(かまた・ふぶえ)とエウリーズ・グンデ(えうりーず・ぐんで)の二人。
ソウルアベレイターの親玉、トップである人物の私室に入り込み、何か情報はないかと部屋を探し回っていた。
そして今、鍵もなにもかかっていない石造りの四角い部屋に潜入。
「結構広いですな。中央にベット……というより、長方形の、その、でっぱり?がありますな」
「書斎なんかは、ないわね。隠し扉や通路もなさそうだし……でもこれ、普通じゃないわよね」
エウリーズの言う通り、部屋の半分ほどは綺麗な石柱がいくつもあった。
「これ……触ると石柱の表面に微笑む女性の姿がでますね。これも、これも、これも……全員違う女性です」
「ねえ、このベットみたいなでっぱりの端にこんなのがあるんだけど……」
エウリーズが指差した箇所にはウゲン・カイラス(うげん・かいらす)と一緒に写る謎の人物の姿があった。これがソウルアベレイターの親玉なのだろうか。
「様々な女性が写し出される石柱……ウゲン・カイラスと謎の男性が写ったプリントシール……もしや」
「なにかわかったの?」
「……もてもて過ぎて色々な場所に一人親しい女性がいて、友人とプリントシールを取っちゃうほど、気さくでイケている男。
が、ソウルアベレイターのトップなのかもしれませんね」
吹笛の答えにエウリーズは何も言わなかった。何も、言えなかった。
その部屋に無断で入ってしまったお詫びとして、お菓子と一緒に、
『勝手に上がり込んだ事は謝ります。ですがこれもひとえに世界滅亡を怖れるが故です。
あなたにも何か怖れるものがあるならば、どうか私達を理解し救済の手掛かりを示して下さい。
もしあなたが何も怖れないなら、私が残したクッキーを手土産に光条世界の人々とお茶会なんて如何でしょうか?』
という書き置きを残してその場を後にした。
ソウルアベレイターの親玉とは、一体。
その謎を、ネフェルティティたちは解くことができるだろうか。