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第五章 凱旋

「お別れと思うと、寂しいのう」
 イーハブがすっと、リンネのお尻に手を伸ばす。
「あら……、年端も行かない女の子に手を出すよりも、ある程度年のいった女を相手にした方がいいんじゃない、お・じ・い・さ・ま……」
 そう言って、イーハブの手を掴み、顎を指でなぞるヴァレリア。
「お、ほっほっほ」
「リンネだって、どうせ絡まれるならスケベなお爺さんよりイケメンの方がいいでしょう?」
 ヴァレリアはそう言って、リンネをエリオットの方に押す。
「いやいや、ワシは全員でもよいぞ」
 そう言って、ミサカの方へも手を伸ばす。
「きゃっ!」
 威嚇する感じでバットを振り回すミサカ。が、突然鈍い音がすると、イーハブは倒れて、ビクビクと痙攣を始める。
「え、エッチなのはいけないと思います!」
「あはは、イーハブジーちゃんらしいね。じゃあ、またね」
 笑って、手を振り船を下りていくリンネ。
「リンネ・アシュリング、このあと打ち上げということで、お食事でもいかがか?」
「ごめん。ちょっと、用事があるんだ」
 エリオットの言葉に、リンネは両手を合わせて、ごめんねのポーズをする。
「そうだ。リンネちゃんは、これから我と一緒にスシを食べに行くという、大事な用事があるのだよ」
 そう言って、不敵に笑みを浮かべて現れたのは、毒島だった。
「ふむ。そうだったか。スシとは、また久しぶりだ」
 眼鏡をクイっと上げて、現れたのは輪廻。
「あん?」
 眉をひそめる毒島。
「行き着けのいい店がある。行った事はないが、美味しいと評判だ」
「行ったことないなら、行きつけではないであろう?」
「ふふ。まあ、細かい事はいいではないか。もちろん、誘ったのはそっちだから、そっちの奢りということでいいな?」
「いつ我が、誘った? 誘ったのはリンネちゃんなのだよ」
「ふむ。よし、行こう。アリス、今日はスシだ!」
「ほ、ホントですか?」
 目を輝かせるアリス。
「ちょっと、待て、我は、我は……」
 アリスと輪廻に、両脇をがっしりと掴まれ、引きずられていく毒島。
 闇夜に、ウミネコが「にゃー」と鳴いた。