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【十二の星の華】空の果て、黄金の血(第1回/全2回)

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【十二の星の華】空の果て、黄金の血(第1回/全2回)

リアクション

「ぐ!」
「あなたも良い男ねえ」
 アンジェラは更にイーオンの体を撲つ。
「真珠、お前はお前だ!」
 イーオンは痛みに耐えて叫ぶ。真珠を肩から抱き、離そうとしないケセアレ。
「イーオンさん! やめて! イーオンさんに酷い事しないで!」
「真珠! 待っていろ!」
 赫夜がイーオンをひねり潰そうとするネッリに星双頭剣を浴びせかけると、さすがに強化されたネッリの体にも一筋の閃光が走り、深紅の血が吹き上がる。
「ぐあああっ!」
 そこを狙い、アルゲオはバーストダッシュでイーオンを助け出す。
「イオ、あなた無茶なことを…」
「この程度のこと、たいしたことはないっ…」
 アンジェラの鞭で撲たれたイーオンの額は裂け、血がしたたり落ちている。
「姉様! 私は強くなりたい! こんなところにいたくない!」
 赫夜が「真珠!」と叫ぶ。
 もがく真珠の手をぐいっと引っぱったのはトライブだった。
 ニヤリとするトライブ。「あんたはにゃん丸先輩の思い人だ。特別サービスだぜ?」
 そういうと、とっさに真珠の手を引き戻そうとするケセアレから真珠を抱き抱えると、部屋の後ろまで飛び退り、アンジェラに蹴りを入れると、イーオンに真珠を任せた。
「おまえは…」
「しーっ」
 トライブは仮面の上から、人差し指で口を塞ぐ仕草をする。
「俺の正体が分かったとしても、分からなくても、黙っていてもらおう。それが真珠の身柄を引き渡す条件だ」
 トライブはそういうと、イーオンに「真珠は頼んだぜ」とだけ呟いて、姿をくらませてしまった。
 真珠はイーオンに「大丈夫ですか!!」と青い顔をして問うが、イーオンは「…この程度のことでは死なんよ…それより、真珠、戻ってきたんだな…」
 と笑ってみせる。
 その言葉に真珠はうっすらと涙を浮かべた。
「佑也殿、にゃん丸殿、真珠たちを安全な場所へ!」
 赫夜の言葉に
「俺は残る!」
 佑也はそう切り返すと、赫夜の側に付く。
 アリアたちも同じく、赫夜の背後を守った。

「おのれ…裏切り者めが…この小僧どもめが…そして赫夜! お前だけは許さぬ! 必ず殺す!」
 それまで冷静沈着だったケセアレの顔色が変わってしまう。
「…私はあなたになど、負けない!」
 赫夜はキッとケセアレを見つめ返す。


 その瞬間だった
 島全体に爆発が起こる。
 静麻の指示で、クァイトス・サンダーボルト(くぁいとす・さんだーぼると)が爆発物をしかけていたのだ!!


 王座の間にも衝撃が走る。
 その瞬間、赫夜の胸もとに収められていた清符が激しい光を放ちはじめる。
「…清符! 『ルクレツィアの清符』か!! わがヴァレンティノ家の宝、女王器の清符が!!」
 ケセアレはそう叫んだ。



「続く」




担当マスターより

▼担当マスター

杉井幾

▼マスターコメント

こんにちわ、こんばんわ、おはようございます。杉井 幾です。
公開、遅れてしまって済みません。

ヤマイ通信するまでもなく、熱を出して執筆が遅れました。
申し訳ありませんでした。

☆   ☆   ☆   ☆   ☆    ☆   ☆   ☆   ☆   ☆

「空の果て、黄金の血」前編、楽しんでいただけましたでしょうか?
みなさん、赫夜や真珠のために力を尽くすアクション、お送りいただき、泣けてきました。

私個人的にはアンジェラ隊のシーンを書いてるのが楽しすぎました。肉食系お姉さん達に翻弄された方は申し訳ありませんでした。むしろ、塩梅は宜しゅうございましたでしょうか?もっと?みなさん、お好きですね。

ちなみにアンジェラ隊は、ヨーロッパでも最高級の某ブランドの下着を全員着用している、てな裏設定を作って喜んでおりました。(ヘンタイ)あんな下着、こんな下着…とネットで見てうひうひなっておりましたが、私は一応、女です。
…何を書いているのでしょう。アンジェラ隊は他の部隊と同じく「王座の間」を守っているので、次回もセクスィーに活躍してくれたらいいなーとか、思っています。

とは言え、他の部隊の生き残りも駆けつけてくるでしょう。

☆   ☆   ☆   ☆   ☆    ☆   ☆   ☆   ☆   ☆


さて。次回はついに最終回です。
ケセアレ、ミケロット、真珠、そして赫夜。四人の思惑はどう物語に影響を与えるのでしょう?
最後にみな、自分の人生を、どう決めるのでしょう?

そしてシャムシェルは、どう動くのでしょう?

では次回、「空の果て、黄金の血」後編、そして『十二星華蟹座のセルバトイラ、赫夜』シリーズ最終回、頑張りたいと思います。
シナリオガイド公開予定は、6/13となります。

よろしくお願いします!