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大決戦! 超能力バトルロイヤル「いくさ1」!!

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大決戦! 超能力バトルロイヤル「いくさ1」!!
大決戦! 超能力バトルロイヤル「いくさ1」!! 大決戦! 超能力バトルロイヤル「いくさ1」!!

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第15章 「勝利者」たち

 山頂では、指輪を巡って、志方綾乃たちと、バトルロイヤル参加者の生徒たちとが、いまだに激戦を繰り広げていた。
 だが、志方は、闘いの中、指輪を床に落としてしまっていて、10個の指輪は、ばらまかれている状態だった。
 そのうちの1個を、藤原優梨子(ふじわら・ゆりこ)が拾いあげる。
「それじゃ、お先に失礼しますね」
 闘い続ける志方たちをよそに、藤原は金の指輪を指にはめて、ニッコリ笑うと、ガガ山の火口に身を投げた。
 藤原の身体が、天御柱学院の校長室にいる、コリマ校長の前にテレポートする。
(よくきた。おぬしが1番だ)
 コリマは藤原を「勝利者」に認定する。
「私が1番? 嬉しいですわ。それじゃ、校長先生、記念に首を頂きますね!」
 コリマに襲いかかろうとした藤原だが、コリマのサイコキネシスに身体をおさえつけられ、全ての武器を没収された。
(少し威勢がよすぎるが、それもおぬしの長所なのかもしれんな。だが、我々に刃向かうことは許さん。認定はそのままだが、しばらく正座を命じる)
「ええっ、正座ですか? ずっとやってると気持ちいい、かも」
 藤原はニッコリ笑って、コリマの脇で正座を始めた。

 藤原に続いて、指輪を拾いあげたのは鬼崎朔(きざき・さく)だ。
「遠慮なく、先に行かせてもらうぞ」
 鬼崎は火口に飛び込んだ。
 コリマの前にテレポートする。
(ご苦労だったな。おぬしは2番の「勝利者」だ。特別なはからいで、おぬしの相棒もテレポートさせてやったぞ。ただし、相棒までは「勝利者」には認定しない)
 コリマが示す方向に、きょとんとした顔のアテフェフ・アル・カイユーム(あてふぇふ・あるかいゆーむ)の姿があった。
「指輪は1個しか入手しなかったからな。私だけで十分だ。校長。塵殺寺院への復讐に協力してくれないか?」
 鬼崎の言葉に、コリマはうなずく。
(復讐ではないが、塵殺寺院は敵だ。おぬしが奴らと闘うなら、支援しよう)
「ありがたい。それでこそ、勝った甲斐がある」
 鬼崎は礼をいった。

「ラヴィ、この指輪を持って、行って下さい! 早く! 僕なら大丈夫です」
 御空天泣(みそら・てんきゅう)は、やっと拾いあげた1個の指輪をラヴィーナ・スミェールチ(らびーな・すみぇーるち)に渡し、火口に飛び込むようにうながす。
 先行して山頂にきていたというのに、志方たちと闘っている間に、既に2人が火口に飛び込んでしまった。
 もう、のんびりはしていられない。
「うん。ありがとう!」
 ラヴィーナはうなずいて、指輪を指にはめると、火口に飛び込む。
(おぬしは3番だ。相棒もテレポートさせてやったぞ)
 コリマ校長は、ラヴィーナを「勝利者」に認定し、御空も校長室にテレポートさせてくれた。
「ねえ、面白かった? 化け物同士の戦い、みててさ」
 ラヴィーナはコリマに尋ねた。
(化け物、ではない。立派な戦力たちだ。一連の闘いを分析して、期待しただけ、あるいはそれ以上の成果が得られたと考えている)
「あっ、そう」
 ラヴィーナは不機嫌そうに黙ってしまった。

「ユメミ、山頂に着きましたよ。指輪も1個だけみつけました」
 端守秋穂(はなもり・あいお)が、ユメミ・ブラッドストーン(ゆめみ・ぶらっどすとーん)に指輪を示す。
「うん、おめでとー。それ、秋穂ちゃんが持っていってねー」
 ユメミは、最後の飴玉をしゃぶりながらいった。
「うん。ありがとう。僕、強くなって、これからもユメミを守りますね!」
 端守は指輪をはめると、火口に飛び込んだ。
(おぬしは4番だ。前半は相棒が、後半はおぬしが積極的に闘っていたな)
 コリマは端守を「勝利者」に認定し、ユメミも校長室にテレポートさせてくれた。
「ユメミ。あなたのおかげです」
 端守は、ユメミに礼をいう。
「うんー。ユメミも、嬉しい。ユメミ、秋穂ちゃんのためになったんだねー」
 ユメミは、珍しく、お菓子がないのにイライラしない自分に気づいた。

「やっと着きましたね。移動優先気味だったように思いますけど」
 結城真奈美(ゆうき・まなみ)は、山頂に着くと、床に散らばっていた指輪のひとつを拾いあげ、指にはめると、そのまま火口に飛び込む。
(おぬしは5番だ。学院内をうろうろしていたおぬしの相棒を呼んでやったぞ)
 コリマは結城を「勝利者」に認定した。
 結城が驚いたことには、校長に呼ばれた佐野誠一(さの・せいいち)が、校長室で結城を待っていたのである。
「悪いけど、校長には興味ありません。誠一さん、私、勝ちましたよ!」
 結城は、佐野に褒めてもらいたい一心で認定を報告する。
「がんばったな。でも、心配かけたから、お仕置きだ」
 佐野は結城を抱きしめて、優しく囁くのだった。

「メル。もう着いてるわよ。ほら、お酒飲んでないで! これが指輪よ」
 ローザマリア・クライツァール(ろーざまりあ・くらいつぁーる)は、既に山頂に着いていながら、酒に浸ってぼうっとしているメルセデス・カレン・フォード(めるせですかれん・ふぉーど)をみつけて、肩を叩き、自分が拾った金の指輪を渡す。
「これが、指輪ね。これを持って、火口に飛び込むんだっけ」
「ほら! もう、他の人たちに先越されてるわよ。早く、飛び込んで!」
 ローザマリアにせかされ、メルセデスはふらふらとした足取りで火口に向かい、飛び込む。
(おぬしは6番だ。酒に酔いながら超能力を磨きあげる手腕は、なかなか立派だったぞ。我々も、ツングースカ研究所のことは知っているが、あれは災難だったな)
 コリマはメルセデスを「勝利者」に認定し、ローザマリアのほか、グロリアーナ・ライザ・ブーリン・テューダー(ぐろりあーならいざ・ぶーりんてゅーだー)エリシュカ・ルツィア・ニーナ・ハシェコヴァ(えりしゅかるつぃあ・にーなはしぇこう゛ぁ)も校長室にテレポートさせてくれた。
「みんな、ありがとう。でも、勝ったけど、何だか虚しいわ」
 そういって、メルセデスはナイフを振り上げたかと思うと、コリマ校長に投げつけ、ヒステリックに叫んだ。
「こんな力、私は欲しくなんかなかったのよ!」
 メルセデスの目に涙がにじむ。
(落ち着け。おぬしは研究所ではエリートだった。我々もおぬしを高く評価している。過去の悲劇は、乗り越えるしかないのだ)
 コリマは、諭すような口調でいった。

「やっと、着きましたわ。ゆっくりでしたけど、確実に進めましたから」
 オリガ・カラーシュニコフ(おりが・からーしゅにこふ)は、自分そっくりの幻影とともに山頂に到着し、金の指輪を拾いあげた。
「さあ。ちょっとした実験です。校長は、みているかしら?」
 オリガは、ふと思いついて、幻影の指に指輪をはめると、そのまま、幻影を火口に飛び込ませた。
 気がつくと、オリガは幻影と一緒に学院の校長室にテレポートしていた。
(おぬしを7番の「勝利者」に認定しよう。その幻影、なかなか見事だったぞ。順調に成長していて、嬉しく思うぞ)
「校長。KAORIさんの実験に私を参加させて下さい」
 オリガはいった。
(プリンセス計画か。まだ検討段階だが、おぬしの参加も前向きに検討しよう。だが、できれば、おぬしには前線で活躍してもらいたいのだ)
「前線にも行きますわ。できれば、KAORIさんと一緒に行ってみたいものですわね」
 いって、オリガは笑った。
 校長室を出たオリガを、エカチェリーナ・アレクセーエヴナ(えかちぇりーな・あれくせーえうな)が待っていた。
「学院の幹部たちに、オリガを売り込んでおいたわ。おかげで、また彼氏が増えてしまったけど」
 エカチェリーナは微笑む。
「ありがとうございます。校長も、KAORIさんのこと、前向きに考えてくれるそうですわ」
 オリガは、礼をいった。
 オリガは、実力と、上層部への根回しの両面から、エリートへの道を着実に昇りつつあった。

「ねえ、レオナルド。いつまでここまで闘ってればいいのかしら」
 志方との魔法勝負がいつ果てるともなく繰り返される中、茅野茉莉(ちの・まつり)レオナルド・ダヴィンチ(れおなるど・だう゛ぃんち)に相談する。
 先行して山頂に着いていた茅野は、指輪も既に手に入れていたが、魔法ばかり使っていて超能力をほとんど使っていないことに気づき、そのまま火口に飛び込んでテレポートできるか不安だったのだ。
 レオナルドも、「少し超能力を使った戦闘をしてからの方がいいのでは」という意見だったので、志方との闘いに少し超能力を混ぜながら、それでも魔法をメインに使ってきた茅野であった。
「もう、次々に先に行かれちゃったわよ。超能力も結構使ったし、そろそろ飛び込みたいわね」
 茅野は、指輪の数がすっかり減ったのをみて、ため息をつく。
「そうだな。もう飛び込んでもいいと思うが、あちらとの決着はどうしようか」
 レオナルドは、なおも魔法攻撃を放ってくる志方たちを指していう。
 いま、茅野たちがいなくなれば、志方たちは残された指輪を処分してしまうだろう。
「ここまで持ちこたえたんだし、後のことは、後の人たちに任せるわよ」
 茅野が、そういったとき。
「やっと、山頂に着いたぞ。他の学園に出し抜かれてたまるか。みんな! 奴らを妨害し、排除しよう」
 山頂に現れた柳川花火(やながわ・はなび)が、周囲に呼びかけながら茅野の側にやってくる。
「そこの魔女! 魔法ばかり使っているということは、他学の生徒だろう?」
 柳川は、茅野を睨んだ。
「えっ? 魔女は当たってるけど、あたしは他学じゃないわ。れっきとした、天御柱学院の生徒よ」
 茅野は、なぜかどぎまぎしていう。
「何だって!? 天学の生徒なのに、魔法メインでやってるのか! そんなバカな! 天の邪鬼じゃあるまいし!」
 柳川は、驚いたようだ。
「……悪かったわね」
 茅野は、膨れ面になる。
「まあ、同学ならいいよ。僕は、他学の連中がこのバトルロイヤルで『勝利者』になることが気に入らないんだ。校長はいいといったけど、そんなことがあったら天学の恥になる!」
「そう。他学なら、あそこにいるけど」
 既に他学の生徒が何人か「勝利者」になってしまったが、茅野は敢えてそのことを伏せて、柳川に志方のことを教える。
「なるほど、あいつか。わかった。ありがとう!」
 柳川は、志方に向かっていった。
「何ですか、あなたは?」
 茅野との魔法勝負にも疲れてきた志方綾乃は、柳川をみて、びっくりしたような顔をする。
「おい、他学の連中にこのバトルロイヤルを邪魔されてたまるか!」
 柳川は叫んで、サイコキネシスを志方に仕掛ける。
 志方はバトルロイヤル参加者ではないが、他学の生徒がバトルロイヤルを不成立にしようと企んでいるのが柳川には面白くなかった。
「気合が入ってますね。志方ありません。あなたが仕掛けるなら、私も受けてたちます!」
 柳川のサイコキネシスによって宙に持ち上げられた志方は、その状態のまま、柳川に雷術を放つ。
「援護します!」
 高性能こたつが、6連ミサイルポッドを柳川に向け、次々に発射する。
 ちゅどーん!
 山頂に、すさまじい爆発が起き始めた。
「さあ、これで、思い残すことはないわね。これ以上邪魔が入らないうちに、脱出するわよ」
 茅野は指輪をはめて、火口に飛び込む。
 飛び込みながら、最大級の氷術を火口の底に放つ。
「これは、行きがけの駄賃よ! 柳川さんの援護になるといいわね!」
 火口の底で、異常なまでの高温により、巨大な氷塊は一瞬にして水蒸気に変わり、体積の急激な膨張により、水蒸気爆発が巻き起こる。
 ちゅどどどどどどどーん!
 すさまじい爆発音があがり、ガガ山は猛烈な噴火を始めた。
 水蒸気爆発が起きた瞬間に、茅野は校長室にテレポートしていた。
(おぬしは8番だ。最後に、ずいぶん派手な花火をあげたようだな)
 コリマは茅野を「勝利者」に認定した。
 みれば、レオナルドもテレポートさせてもらっている。
「ねえ、校長。あれだけのパートナーがいるんだから、中には地祇だっているんでしょう? 『ちぎのたくらみ』で、せめて見た目をかわいくすれば? あたしの思いやりよ」
 茅野は、校長に対しても臆せず言い放った。
(これはこれは。意見のひとつとして聞いておこう。だが、実力はあるのだから、あまり調子に乗らないことだ。いつもそうだから、教官たちに問題児扱いされるのだぞ)
 校長は、「勝利者」である茅野の行いは大目にみることにしたようだ。
「やだ、問題児だって、知られてるの!? でも、実力あるって、あたしの魔法が認められたってことかしら? 多分違うわよね」
 茅野は顔をしかめて、首をかしげながら、レオナルドとともに校長室から退出する。

 茅野が最後に起こした水蒸気爆発のために、ガガ山は噴火活動を本格化させてきた。
 継続的に噴火が続き、噴煙がいつまでもやまないことに、山頂の生徒たちは焦りを募らせる。
「困ったわね。ここまでカノンを運んできたのに」
 神崎遥たちは、山頂の岩肌に失神したカノンを横たえて、途方に暮れた。
 マグマの高温が間近に迫り、他の生徒たちも身に危険を覚え始める。
「ここは、俺に任せろ」
 そろそろ潮時だと考えたグンツ・カルバニリアン(ぐんつ・かるばにりあん)が、進み出た。
「これをみろ」
 グンツは、速攻で確保した金の指輪を示した。
「カノンはいま、気絶していて、テレポートは無理だ。だから、俺がこれを使って校長に会いに行く。そして、みんなを助けてもらうように頼もうと思う」
 じっとチャンスをうかがっていたグンツは、ついにそのときがきたと感じていた。
 自称小麦粉のジュースを飲んでからのカノンは、他の参加者をいい感じに疲弊させてくれた。
「グンツ。あなたに頼るしかないようね。必ず、カノンだけでも助けてくれるように、お願いして」
 神崎は、グンツの交渉能力に期待を寄せた。
「ああ。信じていいぜ。必ず、みんなを助ける。じゃあな」
 グンツは指輪をはめて、火口に飛び込んだ。
 校長室にテレポートする。
(おぬしは9番だ。なかなかの策士だな。いっとくが、我々には筒抜けだったぞ)
 コリマはグンツを「勝利者」に認定したが、その言葉には、「我々まではめるな」という警告が込められているようにも感じられた。
 例によって、グンツの側には、プルクシュタール・ハイブリット(ぷるくしゅたーる・はいぶりっと)もテレポートさせてもらっている。
「認定してもらってありがたいが、俺も、カノンには世話になったし、今後も連携していきたい。カノンたちを助けてやってくれないか」
(大丈夫だ。もとより、あの女のことはおおいに評価している。死なせるはずがない)
 グンツの依頼を、コリマは請け合った。

「さて、俺たちはどうしようか?」
 西城陽(さいじょう・よう)はぼやいた。
 激しい噴火が巻き起こる中で立ち往生したのは、強化人間「海人」と、その周囲の生徒たちも同様だった。
 カノンはどうにかなるような話を聞いたが、自分たちはどうなるのだろう?
 海人のことをコリマがどう思っているか、全くわからなかった。
 いまも、多数の生徒たちが、クレア・シュミットの構想に乗って、バトルロイヤルの死傷者を最大限抑制する活動を山中で行っている。
 だが、海人の側について山頂まできた生徒たちは、このまま滅びるのではないかという危惧もあった。
 それほど、噴火が激しくなってきているのである。
 西城が途方に暮れているとき。
(横島沙羅。最後の指輪をはめて、火口に飛び込むんだ)
 精神感応により、海人の声が横島沙羅(よこしま・さら)の脳裏に響く。
(えっ、海人? はじめて、話しかけてくれたね。でも、どうして、あたしが指輪を?)
 横島は、海人の指示に驚いていた。
(君は、「勝利者」になりたかったはずだ。君は、僕の護衛ではなかった。ただ、暴れたかったのだ。そんな君を、学院上層部は「参加者」とみている。校長も、藤原優梨子と闘ったときの君をみて、評価しているはずだ。君が校長に会って、他の生徒も助けてもらうよう頼むんだ。僕のことは、心配しなくていい)
(そうだね。沙羅は、海人の護衛ではなく、一人の「参加者」だった。それは間違いないね。でも、バトルロイヤルに反対なんでしょ、海人?)
(バトルロイヤルには反対だが、もう終了したも同然だ。「勝利者」が認定されることには、賛成も反対もない。なりたい人が、なればいいと考える。ちょうど、君のような人が)
(そうなんだ。まあ、「勝利者」って面白そうだし、なっても構わないよ)
 そういうと、横島は、床に落ちていた最後の指輪をはめて、火口に飛び込む。
「沙羅、何やってんだ?」
 西城の言葉を、横島は無視した。
(おぬしは10番だ。これでバトルロイヤルは終了する。確かに、おぬしは「参加者」だった。実力も評価している。問題ない)
 コリマは横島は「勝利者」に認定し、何が何だかわからないといった顔の西城陽もテレポートさせてくれる。
「校長先生。一応、海人の周囲の他の生徒も助けてくれないと、寝覚めが悪いんだけどね」
 横島が、斜に構えた口調で依頼する。
(いいだろう。おぬしは、「勝利者」なんだからな。他に望みがないなら、聞いてやろう)
 コリマは、請け合った。
「おい、海人も助けてもらうように話せよ」
 西城が、目を丸くして横島にいう。
「あの人なら、大丈夫だよ。ふふふ」
 このときも、横島は笑うのだった。

 噴火を続けるガガ山。
 気がつけば、激戦を繰り広げていた志方たちと柳川は、既に撤退したようだ。
 山頂で立ち往生していた、カノンと、その周囲の生徒たちは、コリマの力によってテレポートさせられ、いきなり学院のキャンパスに現れることになる。
 同じく山頂にいた、海人の周囲の生徒たちもコリマによってテレポートさせられた。
 最後に残された海人は、火口からいっきに噴き出してきたマグマに、車椅子ごと飲み込まれたかに思えた。