First Previous |
7 |
8 |
9 |
10 |
11 |
12 |
13 |
14 |
15 |
16 |
17 |
Next Last
リアクション
◆◇◆◇秋葉原ハートブレイク◇◆◇◆
2021年になっても、秋葉原は電気店街でありオタクの街でもあり続けている。
中央通りに建ち並ぶ店舗の看板にはアニメキャラやギャルゲーキャラがデカデカと掲げられ、クールジャパンを象徴している。
方や、一歩裏路地に入れば、平成を通り越して昭和の香りすら漂うジャンクショップやパーツショップなどが所狭しと軒を連ねている。
「さて、秋葉原に来ましたが……」
鬼龍 貴仁(きりゅう・たかひと)はパートナーの常闇 夜月(とこやみ・よづき)の後を付いて回っていた。
『わたしは、エアーガンを見て……くるから、あなた達は適……当に回って、きた……ら』
秋葉原に着いて早々パッフェル・シャウラ(ぱっふぇる・しゃうら)と別行動を取ることになったが、夜月にとってはむしろ好都合のようだった。
籠手型HCを起動させると、秋葉原の地図を呼び出し、事前に下調べしておいたジャンクショップへと向かう。
無表情だが、歩みの節々から嬉々として秋葉原の街を歩いており、この雰囲気を楽しんでいる様子が貴仁には感じられた。
「秋葉原……流石は電脳世界の聖地ですわね! 貴仁様、これ分かりますか?」
「キーボードなのは分かるけど、ここは何かを入れる場所かな?」
「その通りですわ。これはパソコンの本体ですの!」
「これ……本体なのか?」
「世界で400万台売れたマイコンの本体なのですわ。ここにカートリッジ型のソフトを入れて遊べますの。その他、外付けになりますが、フロッピーディスクやテープレコーダーのソフトも動かせるのですわよ」
「フロッピーは磁気ディスクですよね。テープはカセットテープですか?」
「そうですの! セーブやロードに20分掛かる上に、良くミスをして最初からやり直し……という事もあったそうですわ。今から40年くらい前のお話しだそうですけど」
「20分……今では信じられない話ですね」
「CDロムのRPGも販売当初は1戦闘毎に1分程読み込むこともザラでしたそうですわ。わたくし、レトロゲーが趣味で少々嗜んでいるのですが、公式のゲームエミュレータでしかやったことがありませんの。ここに来れば実機が購入できると聞きましたもので……」
「今日はとことん付き合いますから、時間の許す限り、好きな場所を見て回ると良いですよ。実機もお小遣いの範囲であれば購入して構いませんから」
というものの、貴仁は貴仁でジャンクショップの店頭に並べられているパーツに目が行っていた。
籠手型HCに組み込んだらどうなるか……そこは男の子、こういった改造ものには血が騒ぐようだ。
First Previous |
7 |
8 |
9 |
10 |
11 |
12 |
13 |
14 |
15 |
16 |
17 |
Next Last