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インテリ空賊団を叩け!

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インテリ空賊団を叩け!
インテリ空賊団を叩け! インテリ空賊団を叩け!

リアクション



〜 8th phase【乱戦・葛藤】 〜


 「……あら〜派手に突っ込んだね」

文字通りの人間大砲で母船に突入したルイ・フリード(るい・ふりーど)の姿を遠くに眺め
シュリュズベリィ著・セラエノ断章(しゅりゅずべりぃちょ・せらえのだんしょう)は楽しそうに呟いた
その傍らで心配そうに茅野瀬 衿栖(ちのせ・えりす)がのぞいて呟く

 「あわわわわ……派手に暴れろとは言ってるけど、大丈夫なんですか?」
 「ま、いつもの事だよ☆じゃセラも行こうかな〜
  ふふふ、空賊なんていじめがいのある相手だねぃセラわくわくしてきたよ〜?」
 「あの……念の為聞きますけど、逮捕が目的なんですよね?」

ルイの後を追うべく【氷雪比翼】を展開させるセラの楽しげな様子に不安に駆られ
衿栖が彼女に質問をする、その問いにニヤリと笑うと一言

 「とんでもない!捕まえるのは〜相手を精神的に追いつめてからさ☆」

あははははは〜という楽しげな声とともに、セラも母船の中に消えていく
改めて作戦のために仮の空賊を結成するという話に彼女達が進んで名乗り出た理由がわかった気がした

表向き衿栖が船長を務める【レッドリンクス空賊団】は交渉決裂と同時に空賊の側を離れ
件の空賊を攻撃する側に回っている

交渉の際、率先してレティーシアの交易船を捕獲・誘導する流れを受け持ったのは
件の空賊船の退路を自然に断つためで、今彼女らの船は横腹を空賊母船の船首を抑える形となり
遠慮なく乗り込んで戦える仕様になっている

そこでようやく、向こうも掌を返された事を把握したようなのだが、見ての通り気がつけば後の祭りである
……まぁ損得でつながるだけの空賊の仲なので、裏切りといわれても痛くもかゆくもないのではあるが
何となく良心が痛むのは気のせいだろうか?

とはいえ、こちらの与えられた役割はシンプルに【派手に暴れろ】という事なので
全員意気揚々と攻撃を開始しているようで
あれ程身を隠していたヴァル・ゴライオン(う゛ぁる・ごらいおん)も艦橋に身を乗り出して指示を出している

 「空賊諸君。ここが貴様らのデッドエンドだ!
  シグノー!敵艦左舷10時に後退!反応遅いぞ!回り込め!!」
 「やべ、ちょっとうっかしてたッス
  つか、細かい操船は神経使うッスよ!帝王は無茶ぶりばかりするんだからー!」

操舵輪を全開で廻すシグノー イグゼーベン(しぐのー・いぐぜーべん)の肩を叩き帝王は豪快に笑う

 「俺は、お前が出来ると信じてるから言ってるだけだ」
 「……恥ずかしい奴ッスね。それで頑張っちゃう自分も自分スけどっ!」

新たに退路を断つべく回り込む赤い大型飛空艇めざし
開き直った空賊が数人乗り込んで攻撃しようと甲板に乗り込んでくる
流石にこれは対応しないとまずいかな……と衿栖が身構えたところ
マストの上から待っていたかの様にら高らかに仲間の声がした、見上げると太陽を背にしてるあたりそつがない

 「変っ身っ!……仮面ツァンダーソークー1!!
  ソゥクゥッ!イナヅマッ!キィィィィィィィィィィック!」

持てる全てのスキルを使い空中で見事に変身した風森 巽(かぜもり・たつみ)
着艦しようとした空賊の小型飛空艇を迎撃する
……まぁカッコいい名前だがつまるところ【龍飛翔突】による蹴りである

 「ゴッドスピード!!これが正義の力だ」

そのまま着艦して直接乗り込もうとする面々に高速で突入する仮面のヒーロー
あまりの出鱈目さに空賊の一人が声を荒げる

 「ふざけんな!賊が正義とかいうな偽ヒーロー!」

その言葉にギラリと仮面の目を光らせながら巽が高らかに言い返す

 「知らないのか?今は海賊が35代目のヒーローを務める時代だ!
  だから俺も迷いはしない!ゴーカイに!……ド派手に行くぜ!」


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 「【レッドリンクス空賊団】だっけ?
  即席にしては、ずいぶんとお仲間が元気にやってるじゃない?紅眼の空賊さん!?」

ジェットドラゴンを狩りノア・セイブレム(のあ・せいぶれむ)と共に小型艇と空戦を交える
レン・オズワルド(れん・おずわるど)リネン・エルフト(りねん・えるふと)が声をかける

 「シャーウッドの天空騎士か……そっちも相変わらずだな
  お前の船も投入してる様だが、指揮はいいのか?」
 「頼りになる相棒が操舵してるわよ。今レティーシアの船の護衛に向かってるわ!」
 「流石だな、なら俺はこのままカトンボ落しを遠慮なくやらせてもらう
  お前も遠慮なく憧れの君を守ればいい、憧れのフリューネを」
 「な!ななななな……私は別に!」
 「そうか、じゃあ俺は遠慮なく行かせてもらうぞ
  噂の戦乙女と戦える滅多にない機会だからな」

そう言って、ジェットドラゴンを旋回させるレンを慌ててリネンが追いかける
遠くに望むフリューネ・ロスヴァイセ(ふりゅーね・ろすう゛ぁいせ)の周りに多数の飛空艇が群がっているのがわかる

 「ち……凝りもせず集まってきたか」
 「誉れ高い名を知って集まるのなら僥倖でしょう?レンさん
  それだけ他の方の負担が減るわけですから、後は私達が守ればいいだけの事。ここは暴れましょう!」
 「そうだなノア……ならばこのまま操縦はまかせる!」

ドラゴンをより一層加速させてレンは高らかに目の前の敵に名乗りを上げ
負けじと追いかけるリネンの声がそれに続く

 「フリューネ・ロスヴァイセの盟友【紅眼の空賊】レン・オズワルド!
  そして【冒険屋代表】ノア・セイブレム!!推して参る!!」
 「同じく【『シャーウッドの森』空賊団】リネン・エルフト!参るっ!!」


刹那、一陣の閃光と共に、花のように爆発の花が空に咲いた


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 『交易船との接舷完了ですわ!
  今ガートルードさんと九条さん達が乗船して中に向かっています!』
 「了解!飛空艇のメンテ終わったよ、戦闘中までバッチリ持つからよろしく!」
 「ありがと未沙!小鳥遊 美羽出るよっ!」

商船の偽装を解いたリネンの船【アイランド・イーリ】
リネンに代わり指揮と操舵を務めるユーベル・キャリバーン(ゆーべる・きゃりばーん)と通信を終え
小鳥遊 美羽(たかなし・みわ)はデッキから小型飛空艇を発進させる
 
振り返れば続けざまに、今飛空艇のメンテをしてくれた朝野 未沙(あさの・みさ)も急いで
小型飛空艇を発進させるのが見えた

 「フリューネさんフリューネさんフリューネさんフリューネさん☆」

よっぽど大好きな人の元に駆けつけたかったのだろう
念仏のようにその名を呼んで空を駆け抜けていく様を見て、メンテさせて申し訳ない事をしたなと心で詫びる
そのままレティーシアの交易船の上まで飛空艇を旋回させると、すでに交戦してる仲間の姿があった
宇都宮 祥子(うつのみや・さちこ)コハク・ソーロッド(こはく・そーろっど)である

 「空の戦いで風神の化身たる天狗に勝てると思ってるのかしらっ?」

最近手に入れた【天狗のうちわ】の効果なのだろうか?
実に意気揚々と多数の空賊相手に縦横無尽に【氷雪比翼】と【風に乗りて歩む者】を駆使して
祥子は空を駆け回っている

 「此の身は人に非ず。風神の現身たる天狗也
  うちわよ…風神と謳われし天狗の神通力を呼び起こせ!」
 「うわぁ……何かすっごいやる気だなぁ」

高らかな叫びと共に【轟雷閃】を放ち、空賊を吹き飛ばそうとする祥子に圧され
コハクは苦笑いを浮かべる
……が、決して彼も温厚なだけで弱いわけではない
対イコン兵器でもある【蒼炎槍】を駆使して放つ【ライトニングランス】が
的確に大きな怪我を与えることなく、敵の戦力を奪っていく

……むしろ冷静に考えるとそのような強力な武器で繊細な攻撃ができるあたり
戦いに踏み出した時の彼の実力が美羽より上だという事を証明している
故に、美羽を加えた3騎でも十分上空の護衛は成立しているのである

 「おまたせ!すっかり終わっちゃってるねコハク!」
 「ええ、でも劣勢と向こうが判断した時の出方がわからないから……
  結局は指揮系統を抑えないとダメなんだよね」
 「親玉の逮捕って事か……なら」

流れが優勢になっている今、突入組に加わり敵リーダーを制圧する
その考えが二人の頭に過ったとき、3人の実力を認めてか、新たに6機の小型艇が迫ってくるのが見えた

 「あっちゃぁ〜レベル高そうだし、一人2機でも10分はかかるかな」

美羽がそう判断し、応戦を考える中
目の前の一団を攻撃するべく、横から高速の無数の矢が襲い掛かった

 「人のシマで好き勝手やってくれてるじゃねぇか…いくぜ、オルトリンデ遊撃隊!」

見ればフェイミィ・オルトリンデ(ふぇいみぃ・おるとりんで)が遊撃隊を連れてこちらに向かってきている

 「リネンの指示さ!ここは【『シャーウッドの森』空賊団】が預かった!
  あんたら親玉に突っ込もうって考えてんだろ?ここは任せろ!」
 「行って美羽!突破口を作る!僕達もすぐ後を追うから!」

言うが早いかコハクの【疾風突き】と祥子の【舞い降りる死の翼】が一団の中央に炸裂する
鋭い突きの衝撃が風を巻き込み、敵を弾きながら風の道を作り出す
すかさずそこに美羽は小型艇をくぐらせ、急降下させた
強引な中央突破に、空賊が後を追いかけようとするが、そこにフェイミィの声が響き渡る

 「どこを見てやがる雑魚どもが!天馬騎兵はフリューネだけじゃねぇんだよ!
  吹っ飛ばすぜ、二人ともいけ!!」

コハク達への呼びかけと共に
続けて追い打ちをかけるように彼女の【タービュランス】が空賊の一団に炸裂した


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一方、交渉決裂の後も戦闘が繰り広げられているレティーシアのいる交易船の中を
ガートルード・ハーレック(がーとるーど・はーれっく)九条 ジェライザ・ローズ(くじょう・じぇらいざろーず)が疾走する
戦闘がまだ局地的に行われてはいるものの、彼女たちの目的は制圧ではなく
敵味方含めての負傷者の数を把握し、データーを【アイランド・イーリ】に送り続ける事だ

もともと偽装用に用意された船とはいえ交易船なので海賊船のように強襲用にはできていない
慣れない空間の混戦は敵味方の負傷者を生む
もともと必要以上の殺生を望まないスタンスでガートルートは参戦しているし
そんな彼女に協力を求められ、九条も参戦したのだ

戦況が明らかになった今、自分たちのやる事は決まっている
倒れている負傷者で可能なも者に応急処置をしながら九条は共にいる斑目 カンナ(まだらめ・かんな)
的確な指示を出していく。流石のカンナも動かないわけにはいかず【歴戦の回復術】で対応する

前線での治療という光景は、医学の道から目をそらそうとしている彼女にとって鮮烈で
ただただ九条のいう事に従うしかない自分に戸惑うしかなかった

 「デッキや他の部屋の被害はおおむね処置したわ。思っていた以上に負傷者はいないけど……」
 「ああ、問題は当の交渉のあったラウンジなんだ……」

九条の言葉にガードルートは不安要素を告げる

 「一番パニックと混乱を生むのはやはり交渉決裂直後だ
  ましてやいたのは騎士と軍人……しかもあのリブロ・グランチェスター……悪い予感しかない」

不安と共に3人はラウンジの入り口にたどり着く
待っていたシルヴェスター・ウィッカー(しるう゛ぇすたー・うぃっかー)が到着を確認し扉を開けた

 「……………なっ!?」

目の前の光景にたどり着いた4人は絶句する
そこには一言で簡潔に表わすほかない光景が広がっていた

……それは血の粛清というにふさわしい惨劇

剣についている血を振り払うレノア・レヴィスペンサー(れのあ・れう゛ぃすぺんさー)の奥で
倒れた空賊の横に立ち血で汚れた私掠船免状の切れ端ごと踏み付ける女軍人の姿があった
手にした銃の撃鉄を起こし軍人リブロ・グランチェスター(りぶろ・ぐらんちぇすたー)が振り向く

 「何だ、貴公らか、こちらはもう終わるところだ。これの粛清が終わればな」
 「……いったい何をやっているのです!リブロ・グランチェスターぁっ!!」
 「決まっている、賊徒に血の粛清を……正義の鉄槌だ」

ガードルートの激高につまらなそうに答え
リブロは苦悶と共に命乞いを微かにする足元の空賊の頭に銃を突きつける

 「我らに正義と栄光を………グローリアっ!」

ラウンジに乾いた銃声が鳴り響く
しかし……静寂ののち響いたのは、再び空賊の苦悶の声だった

 「……何のつもりだ?シルヴェスター・ウィッカー?」
 「……別に、親分の望むことをしたまでじゃけぇの」

リブロの銃は懐に入り込んだシルヴェスターの篭手にはじかれ的を外していた
緊迫した空気の中、急いで九条がカンナと共に空賊の傍に駆け寄り部屋の隅に運んで行った

 「交渉を任されているとはいえ、処罰はあなたの権限ではない!
  戦闘はともかく勝負がついた相手の命を奪うなど、この場においてあなたにはないはずです!」

シルヴェスターの闘気に動きに反応するレノアを制し、リブロがガードルートの言葉に返事をする

 「局地の中では何が起こるかわからん。まして今ここには要人がいるのだ
  万が一を防ぐためにも粛清は徹底せねばならん、戦いとして当然のことだ」
 「それでも、必要以上の血が次の戦いを招くこともある!」
 「……平和論だな。甘い認識こそ次の戦いを呼ぶぞ。市井の長」

ガンッ!とガードルートの拳が壁を叩く、相容れない思想の平行線が対峙した時
その音を聞きつけて、奥に退避していたレティーシア・クロカス(れてぃーしあ・くろかす)が姿を見せた

 「いったい何の騒ぎです?リブロ・グランチェスター?」
 「いけない!まだ部屋の安全は確認できていないっ!」
 「……え?」

レティーシアの姿にリブロの顔色が変わる
刹那、奥の空賊の屍の山が盛り上がり、一つの黒い影がレティーシアに襲い掛かる
完全な隙をついた攻撃に誰もが……レノアすら反応できなかった

ガッキィィィィィィン!

だが不意の暗殺者の刃はレティーシアの眼前で止まった

 「……驚いたのう、感知できないレベルで【麻痺の粉】を撒いたのにその反応とはな」

予想外の行為に暗殺者辿楼院 刹那(てんろういん・せつな)は笑う
その言葉に剣を受けた源 鉄心(みなもと・てっしん)は無表情で言葉を返した

 「今わかっている情報より、最悪を考える……ちょっとした悪い癖でね
  さて、誰の入れ知恵か知らんが…あまり手間を掛けさせるなよ?」

彼の至近距離の【魔道銃】を回避し、刹那はひと飛びでラウンジの窓に着地する

 「悪いが仕事だけはこなそうと思っていただけでのう
  どう見ても分が悪い、依頼主も風前の灯火のようじゃ、此度はおいとまさせて貰おうかの」
 「……!!待てっ!」

事態を察して現れたマクスウェル・ウォーバーグ(まくすうぇる・うぉーばーぐ)の銃撃をものともせず、刺客は窓の外に消える

 「逃がしはしないっ!」
 「飛行しての離脱か!?なら!!」

すかさずレノアとシルヴェスターが飛び出し、程なくしてシルヴェスターが小型飛空艇で飛び立つ姿が見えた
その間に銃を収めて立ち上がった鉄心に後から来たティー・ティー(てぃー・てぃー)が声をかけた

 「今までずっと隠れていたんですか?鉄心」
 「こちらも潜入班を用意する位なんだ、向こうだって考えない事もないだろう?
  要人直々に戦場にいるんだ、一人位無駄に用心してもいい、そういう事さ」

そう言ったあと、リブロを一瞥すると鉄心はレティーシアに向き直る

 「そこの交渉役だった男の応急処置は終わってます。証人としては十分でしょう
  予備の免状も発見しました。どうぞ」
 「……ご、ご苦労様です」

あっけにとられるレティーシアに一礼すると、すれ違いざまリブロに声をかけ鉄心は去って行った

 「キミの矜持を否定するつもりはない、だがやり方は幾らでもあるという事だ」


 「あら〜なんだか終わってるみたいね」

そんな思い空気の中、空気が変わるようにエリザベータ・ブリュメール(えりざべーた・ぶりゅめーる)が現れ
明るい声を出した。突然の不意にレティーシア達は呆気にとられる

 「レティーシア、船内の制圧は終わりました
  セフィーやオルフィナは私掠返しだって母船に乗り込みに行ってしまいましたけど問題ないですか?」
 「ええ、後は残りのもので何とかします」
 「わかりました。あと船内の女性と思しき敵はまとめて二人が奥の倉庫に閉じ込めてるらしいですわ
  大事な宝物だから傷つけるな……ですって、それでいい?リブロ」
 「………勝手にするがいい」

無表情で立ち去るリブロを見送り、ため息をつくと
エリザベータはガードルートと九条に向直り、微笑んだ

 「というわけで、傷つけるなとは言ってるけど、傷を治せとは言われてないわ
  彼女達の治療……お願いできます?」
 「あ、ああ…わかりました」

彼女の意図を悟り、ガードルートが動き出す
そのまま彼女は膝をついてまだ空賊の治療を行っている九条とカンナにも声をかけた

 「ごめんなさい、こんな方法しか取れなくって。怪我人の事、よろしくお願いします」

そう言うと、エリザベータは窓を開け、傍にすでに停泊させた小型飛空艇に飛び乗った

 「残存兵力がまだいるのでフリューネと共に応戦します
  姫騎士エリザベータ・ブリュメール参るっ!」

かくて重要拠点の戦闘は終わる
天空へ舞い上がる彼女の姿を見送り、九条は気を取り直してカンナに呼びかけるのだった

 「さ、私達はやるべき事をやりましょ、大怪我を負わないように頑張ろう!
  ……カンナも、頼りにしてるからね?」