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聴こえよ我が声 応え結びを

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聴こえよ我が声 応え結びを

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目覚めた彼 真実を知りし時

 水晶に触れるライラ。
 水晶は触れた場所からひびが入っていく。


ガラララッ


 水晶は崩れ、封印から目覚めるフェリクス。

「……ん」
「フェリクス?」

 辺りを彷徨わせているフェリクスにライラはそっと声をかける。

「え? な、なんでライラがここに……だってライラは、俺が……お、れが」

 ルファンの予想は当たっており、フェリクスの記憶は当時の力の暴走があった頃で止まっており、自分がライラを殺してしまったと思い込んでいる。
 そして、目の前には殺してしまったハズのライラが……。

「どうしたの!?」

 頭を抱えるフェリクスを心配してライラが駆け寄る。

「待て! 近づくんじゃ……」
俺が…俺が……ライラを殺したんだーーー!!」

 アルツールの制止の声は空しく、混乱したフェリクスの念力が暴走してしまう。
 荒れ狂う洞窟の中。

「ねぇ! ライラは死んでないよ! ライラの話を聞いて!!」
「うあぁぁぁぁぁ!」
「ライラさんはフェリクスさんのことを考えて……きゃあ!」

 芭柘美とクエスティーナはなんとかして暴走を止めようとするが止められない。

「大丈夫か、クエス!?」

 飛んで来た岩混じりの暴風に飛ばされるクエスティーナを庇うサイアス。
 あちこちでフェリクスの念力で浮いた物を避けている面々。

「私……やっぱり」
「そんなことない! 今はただ混乱してるだけだもん!」

 フェリクスの暴走も今の状況も、ライラは自分が引き起こしてい待った事だと、来てしまったことを後悔した。

「おい……表面上は確かに裏切られたように思えるだろうが、真実は違うんだぞ。なぜ最後まで信じてやることが出来なかったんだ!」

 今までフェリクスの攻撃を避けていた和輝は氷苺を魔鎧として纏い、フェリクスの方へ駆けていく。

「ひとまず、頭を冷やさんことにはこちらの言葉が伝わらないのぉ」
「だね!」
「とりあえず、春華たちでフェリクスを捕まえるよぉ!」

 アクセルグリーヴで壁を蹴りながら進む春華。

「こう暴走してたら言いたいことも言えんじゃないか。しゃーない」

 裕輝もフェリクスへブラインドナイブスを使った後、雷霆の拳でフェリクスを突き飛ばした。
 飛ばされた先には春華がいる。

「捕まえた! 氷苺ちゃんお願いしますぅ」

 フェリスクをしっかり羽交い絞めにし、人型に戻った氷苺と向き合う。

「分かっておるわ。おぬしにもわらわの魔力の片鱗を見せてやろう」

 氷苺はライラにも攻撃した、あの紅の魔石の欠片を詰めた魔銃で龍を召喚してみせた。
 吐き出されるブレス。

 龍が消え、靄が晴れるとそこには春華と羽交い絞めにしていたフェリクスの前にライラが立っていた。

「え?」
「なぜライラが前に立ってるんだ?」

 またしてもライラに阻まれる氷苺の攻撃。

「フェリクス、怪我はない?」
「な、なんで、ライラは……だって!」

 なぜ守られたか分からないフェリクス。
 そこへクエスティーナの歌う悲しみの歌が聴こえてくる。

 次第に意気消沈していくフェリクス。