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聴こえよ我が声 応え結びを

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聴こえよ我が声 応え結びを

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 集落を襲う蛮族たち。
 集落は火の海と化している。

―――あの蛮族との約束の為に、私は蛮族の邪魔をしなかったわ。まぁ、フェリクスをこの集落から解放させる条件が条件だったから動けなかった、というのもあるけどね。

 不安そうに狼の頭を撫でているライラ。
 狼もライラの不安が伝わるのか安心させようとすり寄ってくる。
 目をつぶり、息を吐く。

―――その条件とは、私がフェリクスを捕まえること。反抗しないようにある程度痛めつけ、念力を使えない状態で捉えないといけなかった。

 狼を襲わせるライラ。
 フェリクスは驚きと悲しみを浮かべてライラを見ている。

―――念力は精神の力。私は言葉でフェリクスを傷つけていったわ。なにか訳があるんじゃないのかって聞いて来た時は本当に焦ったわよ。

 ライラは話しながら手にしているナイフでフェリクスに迫る。
 しかし、その振り上げた手はフェリクスに掴まれてしまう。

―――本当のことを話して、一緒に世界を見て回ろうと言おうとも思ったわ。でも、フェリクスがどれだけこの集落を愛してたか知っていた私はそれを言う事は出来なかった。

 どうにか離れようと暴れるライラ。
 振り払ったライラが握るナイフはフェリクスを切り裂いた。

―――偶然私が振り払ったナイフがフェリクスに当たってしまったの。当然切ったのだから血が出て来たわ。慌てて私は手当てをしようとした時、あの蛮族が来たの。

 倒れているフェリクスと膝をついているライラの前に立つ蛮族。
 蛮族はライラを立たせる。

―――約束通り、ちゃんとフェリクスを痛めつけたのか。ってフェリクスの前で言われてしまったわ。本当は隠したかったのに。

 フェリクスを捕まえる蛮族。
 信じられないといった表情でライラを見るフェリクス。

―――でも、知られちゃったから裏切ったことにしたの。だってここまでして外へ出そうなんてフェリクスも思わないでしょ? 私の願いなんてフェリクスは知らないのだから。

 冷酷な表情でフェリクスを見下ろすライラ。
 蛮族は持って来た拘束具でフェリクスを捕まえる。

―――捕まえたフェリクスを連れて飛空艇へ行こうとした時、フェリクスの念力が暴走してしまったの。多分、私の裏切りのせいで。

 荒れ狂う念力。それは次第に大きくなっていく。
 荒れ狂い地面に落ちていた木屑やガラスが巻き上がり、ライラと蛮族の方へ飛んでいく。

―――荒れ狂った念力によって浮かんだガラスや木屑に貫かれて私と蛮族は死んだわ。

 全てを破壊し終わるまで荒れ狂い続けるフェリクスのデバステーションのような念力。
 その念力で御神木の椿の樹も折れてしまう。

 折れた樹から地祇が現れ、暴走しているフェリクスを静める。

―――死んだはずの私はふと目を覚ますと、目の前に椿さまがいたわ。

 椿の地祇は一輪の椿の花をライラに埋める。
 そして気を失っているフェリクスを水晶に封じ込めた。

―――椿さまは集落を滅ぼす要因となった私と、実際集落を滅ぼしたフェリクスを許さなかった。フェリクスは封じられ、私は封印地を一生守らなければならなくなったの。それからずっと私はここでフェリクスの封印が解かれないように守り続けているわ。