First Previous |
6 |
7 |
8 |
9 |
10 |
11 |
12 |
13 |
14 |
15 |
16 |
Next Last
リアクション
へくしっ、へっくしゅっ!
「ったく! さっきかくしゃみが止まらないな……噂でもされているのか?」
「それそれー! 進め進めー! ヒーローさんに負けるなー!」
空から、『我は射す光の閃刃』、『サンダーブレードドラゴン』でハーティオンたちを攻撃する翠。
「もう一つおまけに、あなたたちも飛びなさーい!」
翠は留まることを知らず『空飛ぶ魔法↑↑』を使いエリート怪人を筆頭に他のモブ怪人たちも併せて飛空能力を付与する。
「私も私も! 世界征服しちゃいます!」
翠同様、アリスも攻撃に参加。『指揮』、『指導』を活かして、怪人たちを完璧に統率する。今、集団行動に出れば間違いなく一等賞だろう。
「よーし! 全軍、とーつげきぃー!」
【ガーゴイル】、【パラミタホッキョクグマ】、【剛雁】と共に怪人たちが突撃を開始する。
アリスの『野生の蹂躙』が一時的に強化されて怪人までも対象としていた。言うなれば『怪人の蹂躙』。
「くっ、この数に加え統率の取れよう、敵ながら見習うべきものがあるな!」
『グオオ、オオ、オオン! グオオンッ!』
「それもまた戦いだ!」
苦戦を余儀なくされるハーティオンとドラゴランダー。
しかし、怪人側の猛攻はまだ終わらない。
「さあ、私たちも行くわよ! これはわたげうさぎの分!」
ミリアがそう言いながら、先ほど召喚した召喚獣たちを全てドラゴランダーへ。自身はハーティオンへ『凍てつく炎』で攻撃。
「これも、わたげうさぎの分!」
ティナが『ファイアストーム』、『ブリザード』で更に攻撃を重ねる。
「「そして!」」
「「最後も! わたげうさぎの分よ!」」
綺麗にハモったティナとミリアがそれぞれ『ファイナルレジェンド』、『ワルプルギスの夜』を発動し、わたげうさぎを飛ばしたハーティオンを攻撃。
あるゆる方法、場所、属性の攻撃。最早魔力の無法地帯となっていた。力と力がせめぎあい、ぶつかりあい、吸収されあい、二人を襲う。
この力の暴風を凌ぐハーティオンだが、さすがのメタリックボディも傷だらけになっていた。
「こ、ここまでとは! さすが秘密結社オリュンポス、これほどの手だれたちを集めているとは!」
「あ、あれだけの攻撃を受けて倒れないなんて……」
「さすがはヒーローね……」
「すごいすごーい! これならもっともっと遊べるね!」
「まだまだ行くよー!」
何とか耐え凌いだハーティオンに、ドラゴランダーが吼える。
『グオオオ……、グオオオオオオオン』
「うむ、そうだな! このピンチを脱するには、変身するしかあるまい! 行くぞ!
龍心咆哮! ドラゴランダー!」
『グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッッ!!』
掛け声と共にドラコランダーと合体を果たし『ドラゴ・ハーティオン』へと心化する。
「ノリノリだね、あの二人」
「いいじゃない。その方がボロボロになるでしょうし」
「……誰がとは聞かないでおくよ」
鈿女のラブの会話など露知らず、ハーティオンが叫ぶ。
「まだだ、まだ終わらんぞ! 来い! 龍帝機キングドラグーン!」
ドラゴ・ハーティオンの声に反応して、空から舞い降りたのは美しい金色のイコン{ICN0003993#龍帝機キングドラグーン}が現れる。
「行くぞ! 黄龍合体!」
空から降り立つキングドラグーンに飛び込むハーティオン。そして光に包まれる。
「ま、まぶしっ!」
あまりの光量に怪人、ヒーロー共々目を瞑る。そして彼らが目を開け、その目で見たものは勇気を象徴するかのようなヒーローの姿。
『……世界に闇が溢れても、人の心が曇らぬ限り!
心の力は輝いて、いつか大地を希望で照らす!
黄龍合体グレート・ドラゴハーティオン!!
心の光に導かれ勇気と共に、ここに見参!』
遂にその姿を現した勇気のヒーロー、グレート・ドラゴハーティオン。
その姿はまさしくヒーロー。神々しくすら見えるグレート・ドラゴハーティオンに、怪人たちは縮み上がる。
「……いやいやいや。あれ、本気で合体してない? いつもは操縦席に乗るけどさ、今回違うよね?」
「……このミラクルバッチ、高く付きそうよね。どうにか交渉して手に入れようかしら」
「ミラクルバッチ、すごーい……」
ミラクルバッチの影響で本当に合体を果たしたハーティオンは、そのまま怪人たちを相手に声を大にして言う。
『さあ! 道を開けてもらうぞ! 怪人たちよ!』
「いくら強くなったって一人じゃない! こっちにはまだまだいっぱいいるもんねー!」
「そうだそうだー! まだ負けてないんだからねー!」
翠とアリスの声に、何とか怪人のプライド(やられ魂含む)を取り返した怪人たちが一斉にグレート・ドラゴハーティオンに攻撃を仕掛ける。
『勇気は、正義は、負けない! 『ドラゴ・クローナックル』!』
『ギロチンアーム』を使い、飛び掛る怪人の群れをなぎ倒すハーティオンだったが、それ以上に怪人の数は多く全てを蹴散らすことができない。
それでも懸命に戦い続けるが、際限なく現れる増員に痺れを切らしたハーティオンが叫ぶ。
『くっ、このままでは埒があかん! こうなれば、ヒーローの皆! 私の背中に乗ってくれ!』
その声に最初は戸惑うヒーローたちだったが、最後は言う通りにハーティオンの背中に乗る。
『皆の力でここを切り抜ける! あの重き城の門をこじ開けるため、私と共に攻撃をしてくれ! 一直線に行く!』
ハーティオンが真っ直ぐにオリュンポス・パレスへ飛ぶ。
「まだわたげうさぎの仇は!」
「取れていないわよ!」
「怪人たちも残ってるよー!」
「まだまだ遊べるもん!」
ヒーローたちを阻止すべく、四人が全力の攻撃を差し向ける。
襲い来る猛烈な攻撃を、背中に乗っているヒーローたちが力を合わせてギリギリで喰い止めつつ、オリュンポス・パレスへと近づいていく。
そしてたどり着いた扉の前、グレート・ドラゴハーティオンが剣を構える。
『私たちヒーローの勇気と共に、斬る! グレート勇心剣! 彗星! 一刀両断斬りーっ!』
加速の勢いそのままに、『ファイナルイコンソード』でオリュンポス・パレスの城門を斬る。
それと同時にヒーローたちも城門に攻撃を集中させた。
ギギィ、ギギギギギギギィィィィ―――――――――――。
一丸となっての見事な一撃に、固く閉ざされていた城門が重い音を上げてその内部への道を晒す。
『ヒーローの皆、先に行ってくれ! 私はここで後続を食い止める! 頼んだぞ!』
そう言ってハーティオンは再び剣を構えて、追ってくる怪人たちを我が身一つで喰い止めるのだった。
「さあ、いよいよ開かれてしまいました! ヒーローとオリュンポスの戦いも残すところあと僅かでしょうか? それともまだ何か隠されているのでしょうか! そして謎ハデスとは!? 私、ルカルカにも見当がつきません! まだまだ目が離せませんね!」
空から実況をするルカルカ。各地点で傷ついたヒーローたちを癒しながらの実況中継。
その実況通り、この先に待つのは終焉か、それとも再始動なのか?
しかし、何があってもヒーローたちは進む。進むったら進むのだった。
First Previous |
6 |
7 |
8 |
9 |
10 |
11 |
12 |
13 |
14 |
15 |
16 |
Next Last