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酔いどれバトル IN イルミンスール大浴場!

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酔いどれバトル IN イルミンスール大浴場!

リアクション

 さて、フランチェスカのグラビティコントロールにより重力がむちゃくちゃになったお風呂場。
 ワイン風呂のワインですら宙を舞う、おかしな風景になっていた。
「く、くるくるまわります〜」
 セフィー・グローリィア(せふぃー・ぐろーりぃあ)がその空間になれず、180度上へ下へくるくると回っていた。
 うまくバランスがとれずセフィーは困っていた。
「はーっはっはっ、すごいぜ。酔ってふわふわするだけじゃなくて、実際にふわふわするなんてな!」
 対照的にオルフィナ・ランディ(おるふぃな・らんでぃ)は、自由に宙を泳ぎ楽しんでいた。
「なんで、オルフィナはそんなにすいすい泳げるんですか……」
 恨めしそうにオルフィナを眺めるセフィー。
 そんなセフィーの手を一人の男性が握ってきた。
「お嬢さん、大丈夫ですか?」
「え?」
 笑顔かつクールに手をとってセフィーを支えてくれたのはエース・ラグランツ(えーす・らぐらんつ)だった。
 エースははっとなり、しばらくセフィーの顔をじっくり眺めていた。
「なんでしょうか?」
「おっと、これは失礼。あまりにも素敵なお嬢さんだったものですから……よろしければお近づきのしるしに」
 そういって、エースはスーツの裏ポケットから小さな花をセフィーに渡した。
 セフィーはそれを受け取ると、笑顔で答えた。
「ありがとうございます、よろしければご一緒にどうでしょう?」
「よろこんで」
 二人は慣れない空間、宙に浮くテーブルに座った。

 さて、そのころ地上付近ではクマラ カールッティケーヤ(くまら・かーるってぃけーや)オルフィナ・ランディ(おるふぃな・らんでぃ)が見合っていた。
 クマラの手には謎の機械が握られている。
「なんだ、その機械はなんだぜ?」
「これ、これはカカオ噴射器を改造したワインもどき噴射器だよ☆」
 クマラはいまかと、このカカオ噴射器ことワイン噴射器で、オルフィナの口へ直接お酒を流し込もうとたくらんでいた。
 すでにこの噴射器で何人かつぶれていた。残すところはクマラだけのようだった。
 クマラはその噴射器のトリガーを引く。
「あたらないぜっ!!」
 オルフィナはそれを軽やかによけながら、クマラに近づいていく。
「や、やばいっ!?」
 クマラは迫り来るオルフィナをよけようとしゃがむ。
 が、結果的にそれがまずかった。
 クマラが再び立ち上がるとオルフィナの胸に頭をぶつける。
「うわっっとっと!?」
 そのまま、オルフィナは倒れる。
 クマラは倒れたオルフィナの上に倒れ込む。が、クマラは目の前が真っ暗になった。
 暖かい、ぽよぽよとした感触を顔でクマラは感じていた。
 顔が埋まったそれが、オルフィナの胸だと気がつくのに時間はかからなかった。
「わわっ、お、おいら、す、すわっ――」
「へっ、おまえの負けだぜ」
 いつの間に奪ったのか、オルフィナはワイン噴出機をクマラの口に突っ込むとトリガーを引いた。

「あら、しまったわ」
 セフィーは胸元にお酒を数滴垂らしてしまう。事故ではなく故意に。
「おや、これは大変だ」
「ふふ……なめても良いわよ?」
 ハンカチを取り出し不幸とするエースに、セフィーは色っぽく、そして大人びた声で言った。
「……お嬢さんのお望みなら」
 エースは胸上についているお酒をゆっくり、嘗めた。
「ねえ……あたしといい夢みましょう……」
「……」
 セフィーにリードされるがままにエースは天井に寝かされる。
 そんなエースの上にセフィーはゆっくりと馬乗りする。
 セフィーはゆっくりと口を近づけていく。
「……ふっ……」
 エースにはすぐにセフィーに企みがああることに気がついていた。
 おそらく、このままワイン風呂の暗い底に沈められるのかもしれない。
 ヒプノシスをセフィーにかけ対抗しようと考えるが、取りやめた。
 そして。
「……女性を失望させられないな」
「!!――」
 エースは自分から近づいてくるセフィーの唇をうばった。
 この予想外の事態にセフィーはあわてて、エースに当身技をかけ気絶させた……。